リンクたちがほこらを出ると、すでに日は傾いていた。
太陽は静かにフォドの森を照らしている・・・
さっきまでの戦いはまるで無かったかのように穏やかだ。
夕暮れ時特有の涼しい風がリンクたちを横切っていくのが分かった。

リンク「本当に穏やかだな」
ソード「ええ、さっきまでの戦いが嘘のようですね」
リンク「だから、俺たちに敬語使うのやめろって！」
セレナ「そうよ、友達でしょう！」
ソード「・・・そうね、最近癖になってたから」
リンク「次のフォースはどこにあるか分かる？」
ソード「ごめんなさい、私はまだフォーソードの精になったばかりなので・・・
　　　　詳しいことはまだ分からないの」
リンク「フォーソードの精って何代でも続いていくものなの？」
ソード「ええ、そして今回は私がこの代を受け継いでいくの」
セレナ「そうだったんだ・・・」

３人は森を抜けた。
広大なハイラル平原。
東に広がるデスマウンテン。
北の大地には氷山と共に広がる永久凍土・・・
西の方角には天まで届きそうな山々が連なり、所々には湖も確認できる。
平原の中心には姫君を失ったハイラル城。
城の周りに栄える城下町・・・

このただっ広い世界のどこにフォースはあるのだろうか。
こんなに大きな世界を守ることは出来るのだろうか・・・

いつの間にか日は沈んでしまった。
辺りは黒いマントを覆ったかのように一瞬で姿を変えてしまった。
空には月が辺りを照らしている。

「おーい、リンク！」
リンク「誰！？あれ、どこかで聞いた事のある声だな・・・」

声と同時に、目の前にマントが現れ、中からレフトが出てきた。

リンク「やっぱりレフトさん！」
レフト「すまない、遅くなってしまった・・・しかし、俺の記憶も大分取り戻した」
リンク「じゃあ、次のフォースのありかも？」
レフト「ああ、次はデスマウンテンに眠る、炎のフォースだ」
リンク「他に思い出したことってある？」
レフト「ああ、俺はセレナの兄だ」
セレナ「！じゃあ私のお兄ちゃんって、あなた！？」
レフト「すまなかった、俺があの時すくじらなければ母さんは死なずにすんだハズだ・・・」
セレナ「いいの。気にしないで・・・おにいちゃんも一生懸命に戦ってくれたんだもの」

久々に再会した４人。
しかしその４人は以前の４人ではなかった。
リンクはユウシャへと一歩近づき、ソードはあるべき姿へと戻ることができた。
レフトとセレナも血のつながりを知った。

そして一同はリンクとソードが初めて出会った小高い丘にたどり着いた。
そこには、巨大な一本杉が根付いていた。

レフト「お前たち、今日は疲れただろう。今日はここで一息と行かないか？」
リンク「そうするか。俺もくたくただ・・・」
ソード「私も疲れた・・・グーーー」
リンク「うわ！？もうソードは寝ちゃったよ！？」
セレナ「木陰に移しておいてあげましょう。今日はいろいろあったからきっと一番疲れたでしょうし」

リンク「レフトさんは明日からはどうするの？」
レフト「明日からはまた記憶を探したい。まだ沢山忘れてしまったことがありそうだからな」
リンク「そうか・・・少し残念だな」
セレナ「私も行きたいの」
リンク「何でセレナまで！？」
セレナ「今回は私のせいでいろいろと足を引っ張ってしまったから・・・強くなりたいの」
レフト「・・・そうか。しばらくは俺が剣と弓を見てやろう」
セレナ「ありがとう、お兄ちゃん」

リンク「さて、俺たちも寝るとするか」
セレナ「賛成！」

全員木陰で深く眠った。

（第１７章に続く）