- ゼルダの伝説 オリジナル小説 -
第15章 兄の思い 作者:緑の帽子


10年前・・・


少年A「何だこいつ?羽があるぞ」
少年B「こいつ、妖精じゃないのか?」
ソード「それが・・・どうかしたの?」
少年A「やっぱり妖精だぜ!」
少年B「その羽、ちょっと貸してくれよ!」
ソード「そんな、羽なんて貸せないよ!」
少年C「それじゃあ、力尽くで貸してもらおう!」
ソード「やだ、やめてよ!」

「お前たち、ソードに手を出すな!」
ソード「お兄ちゃん!」
少年A「あいつも妖精だぜ!」
少年B「たかが妖精が威張ってるんじゃねーよ!」
少年C「お前もその羽、俺たちに貸せよ!」
ブレイド「お前たちに貸す必要など無い!」
少年B「こいつも力尽くじゃないと分からないみたいだぜ!」

少年たちはブレイドに殴りかかった!
ブレイドも必死に応戦するが、3対1では分が悪すぎる。
おまけに相手は少なくとも5歳は年上だ・・・

しかしブレイドは戦い続けた。
殴り飛ばされるたびに傷だらけになった・・・
それでもブレイドは立ち向かい続けた。

少年B「何でこんな状態でも立ち向かってこられるんだ!?
    俺はもういやだ!」

少年が1人その場から逃げ出した。

少年C「俺ももう嫌だ!羽なんていらねーよ!」

また1人逃げ出した。

少年A「まっ待ってくれよ!俺を置いていく気かよ!?」
ブレイド「もらったーーーー」

残った少年に、目一杯の力をこめて殴り飛ばした!

少年A「グッ・・・畜生、覚えてやがれよ!」

ソード「お兄ちゃん、大丈夫!?」

ソードが駆け寄った頃にはブレイドは気を失っていた。
しかし、ブレイドは確かにソードを守り抜いたのだ。
さっきまで照り付けていた太陽も、今は暖かな夕日に変わり、2人をそっと照らしていた。


リンク「あいつ、本当はいい奴なのか・・・」
セレナ「でも、あんなに妹思いだったのに、なぜ、あんなひどいことを言ったのかしら・・・」

(黙れ!もう俺のことを兄呼ばわりするな!分かったか!!)

ソードは、ワっと泣き崩れてしまった・・・

ソード「兄さんは・・・あの日以来・・・自分が弱かったから私がいじめられると・・・
    勘違いしてしまったの・・・」
リンク「・・・そして自分を見失ってしまった、と言う事か・・・」
セレナ「・・・」
リンク「悩んでいたってブレイドが元に戻るわけでもないさ!行こう!
   ブレイドのことは俺が何とかしてやるからさ!」
ソード「・・・そうでよすね、私がここで泣いていても兄さんが元に戻るわけではないですものね!」
セレナ「・・・じゃあ、行きましょうか」
リンク「おう!」


ダーク「・・・本当にアレで良かったのだな・・・」
ブレイド「・・・ああ、俺はもうこれ以上ソードを傷つけたくは無いんだ」
ダーク「・・・なら、なぜ俺たちに力を貸す?俺たちはこの世界を支配しようとしているんだぞ!?」
ブレイド「俺だって人間は憎いさ・・・それならいっその事人間どもを裁いてやろうと思ってな・・・」
ゼルダ「そんな・・・人間は悪い人ばかりじゃないわ!」
ブレイド「黙れ!とにかく俺は人間が憎いんだ!」
ダーク「まあ、俺はお前がいてくれないとマスターソードは使えないからな・・・」

ブレイド「(・・・ソード、すまない・・・)」

オメガ「ところで、次のフォースはどこにある?」
ブレイド「デスマウンテンさ・・・」
オメガ「よし、今度こそあいつらを葬ってくれるぜ!」

(第16章に続く)


第15章 兄の思い
 2005年6月11日  作者:緑の帽子