- ゼルダの伝説 オリジナル小説 -
第13章 忘れ去られた兄妹の絆 作者:緑の帽子


オメガ「さあ、ナックよ、リンクたちをやってしまえ!」

「おやおや、また手荒なことをやっているのか?」

一人の男が声と共に現れた。

ダーク「・・・ブレイドか、遅かったな」
ブレイド「まあな、ところでさ、炎のフォースのありかが分かったんだよ!」
ダーク「本当か!?ならすぐに教えろ!」
ブレイド「そんなにあせるなよ、すぐに教えてやるからさ」
ソード「・・・兄さん?ブレイド兄さんなの?」
ブレイド「・・・!ソード、なぜこんな所に・・・」
リンク「・・・お前たちが兄妹だって!?」

リンクが驚くのも無理はない。
ブレイドは人間の姿をしているのに対し、
ソードは妖精の姿をしているからだ。

ブレイド「・・・ソード、もうこれ以上俺たちにかかわるんじゃない!」
ソード「何で、なぜなの!?兄さんも昔はこんな事はしなかったじゃない・・・」
ブレイド「・・・黙れ!もう俺のことを兄呼ばわりするな!分かったか!!」
ソード「・・・!兄さん、そんな・・・」
ダーク「ククク・・・いらないことばかり話していないで早くフォースの場所を教えろよ」
ブレイド「そうだな、俺について来い!」
オメガ「ナックよ、いい返事を待っているぜ!」

そのまま彼らは闇の中に消えていった。

ソード「兄さん・・・何であんな奴らに手を貸しているの・・・」
リンク「・・・今は悩んでいる場合じゃない・・・あいつを倒そう」
ソード「・・・うん」
ナック「何をごちゃごちゃ言っている!行くぞ!」

カキンッ・・・
剣と剣のぶつかった金属音が鳴り響く!

リンク「くそう、何て力だ・・・」
ナック「小僧・・・少しは腕を上げたようだな・・・しかし、フォースがある今お前は俺には勝てん!」

そのとき、1本の矢がスタルナックの右肩に命中した!

ナック「グッ・・・何奴!?」
セレナ「やられてばかりって言うのも気にいらないもの!リンク、私は矢でサポートするわ!」
リンク「ああ、助かるよ!」
ソード「私だって頑張るわ!」
ナック「くそ、なぜだ、俺はフォースを手に入れたというのに・・・なぜ押されているのだ!?」
リンク「まだ分からないのか?お前は一人だ。孤独だ。しかし俺たちは独りじゃない。

   仲間がいるんだ!信頼できるすばらしい親友がな!」
ソード「リンク・・・」
セレナ「いいこと言うじゃない!リンク、止めを刺して!」
リンク「でやー」

フォーソードがスタルナックに突き刺さる!

ナック「グッ、こんな小僧に俺は敗れるというのか・・・そんな筈は・・・グワァーーー」


スタルナックはそのまま消え去り、森のフォースだけが残った。

リンク「・・・やった、森のフォースだ!」
セレナ「森のフォースは私たちが頂きね!」

ソードはリンクをボーっと見ているだけだった。

ソード「・・・」
リンク「ソードはうれしくないのか?」

やはり返事はない。

ソード「・・・」
リンク「ソード!」
ソード「・・・!あっごめん、兄さんの事と思い出してたの・・・」
リンク「何で俺のほうを見ながら・・・」
ソード「あんたがさっき言ってたことが、昔兄さんが言っていた事と同じなのよ」
セレナ「あの『信頼できる親友』ってやつ?」
ソード「そう・・・でも兄さんは変わってしまった・・・昔はあんなに優しい兄さんだったのに・・・」
リンク「・・・大丈夫さ、俺がきっと元のブレイドに戻してやるからさ、元気を出せよ!」
ソード「・・・!・・・うん、ありがとう」
リンク「・・・なんだか照れるな・・・」
セレナ「フフッ、なかなかお似合いね!」
リンク「何だよ、セレナまで!」

全員「ハハハ・・・」

リンク「さあ、まだまだ気を抜かないようにしようぜ!」
ソード「それより、早くフォーソードに森のフォースを!」
リンク「そうだった!忘れてた」

リンクが手に持ったフォーソードを森のフォースにかざした。
と、次の瞬間フォースとフォーソードが激しく光りだした。
あまりの激しさに全員目をつぶる・・・

(第14章に続く)


13章 忘れ去られた兄妹の絆 
 2005年6月6日  作者:緑の帽子