- ゼルダの伝説 オリジナル小説 -
第十二章 リンクの目覚め 作者 こたっきー


 「目覚めよリンク・・・・・。」

 その声にリンクは問いかけた。
 「目覚める?何のことさ、俺はもう死んだはずだ・・・。」
目を開けるととても気持ちよく、神秘的な所にいた。目の前の光の穴からリ
ラが現れた。

 『私の名前はリラレジェス・ルオール・レジルオ・ミーラオ・レリア。長い名
前でしょ?だからリラと呼んでください。あなたの肉体、魂は私の手によっ
て復活しました。』
ほんと長いなとリンクは思った。そして今、一番知りたい事を聞いた。
 「なぜ復活させた?」
するとリラは表情を変えず、しゃべりだした。
 『ラーズ・キシルトという少年が私の条件と交換して、あなたを復活させて
くれと言ってきました。』
 「なに、ラーズが・・・?」
リンクはすこし黙るとすぐ続けた。
 「そうか・・・。なら、ラーズにお礼を言わなきゃな。」
リラは遠慮気味でリンクに言った。
 『あなたは、私の条件で重大な使命を背負いました。』
リンクは自信満々な声で言った。
 「いいだろう!!ラーズと一緒なら、どんな使命でも受けてやる。」
 『お願いします。」
するとリンクとリラの体は足元から出た光に吸い込まれた。
ドクン、ドクン・・・・・・。リンクの体の感覚の奥のほうから心臓の鼓動が響
いてきた。なんだこの音・・・・リンクは目覚めた。目の前には白いシマ模様
の膜が張られていた。すると、膜がパリパリパリと割れていった。繭から出
ると目の前に自分の服と剣、盾が置いてあり、横でラーズが寝ていた。ラ
ーズの姿がズタボロだったのでリンクはビックリした。すると封印されてい
た魔法陣の中からリラが現れた。するとリラは、ラーズの傍に行って、
 『いつまで寝てるの?リンクが生き返ったわよ。』
と言うとラーズは跳ね起きてリンクを見た。ラーズは戸惑いを隠せなかっ
た。それもそのはずだった。なぜならリンクは、 ”リンクの姿をいっさいして
いなかったのだ!!”そのように戸惑うラーズにリンクは語りかけた。
 「どうしたんだ?ラーズ。」
 「お前こそ、どうしたんだ。その髪、目、本当にリンクなのか?」
するとリラはうつむいてすまなそうに言った。
 『ごめんなさい、リンク。あなたのケガなどの体の損傷がひどすぎて、もと
の体そっくりには復活させられませんでした。』
ラーズは叫んだ。
 「しかし、リンクの姿はそんなやばい状態じゃなかった。リンクの死は痛み
によるショック死だと俺は推測したぞ。」
リラは顔を上げ、言った。
 『えぇ、確かに外見からリンクを見たら痛みによるショック死だと思われ
る。しかし、リンクの死は中にあったわ。』
リラは耳の脇にある髪の毛を耳にかけると続けた。
 『リンクが死んだのは、あの骸骨戦士の剣による神経の切断と、シルバ
ースパイダーの顎の力で血管を押しつぶし、血を回らせなくする、最悪な攻
撃によるものです。』
リンクはラーズに問いかかけた。
 「なぁー、ラーズ。」
 「なんだ?」
とラーズはすぐ返事をした。
 「悪いけど俺に水を汲んできてくれないかな?」
 「別にいいけど、何するんだ?」
 「ちょっとね。」
と返事をしたあと、ラーズはありえないほど早い速さで水を汲みに行って、
すぐ戻ってきた。ラーズはリンクに水の入った入れ物をリンク目掛けて投げ
た。リンクはキャッチするとすぐに水の中を覗き込んだ。リンクがラーズに水
を汲んできてと頼んだわけは、自分の姿を見るためだったのだ。水面に移
った自分を見ると、とてもビックリしていた。何故かと言うと、自分が思って
いた姿と大幅に違っていたからだ。眼は真紅で、瞳孔のところはもっと色が濃かった。髪の毛は腰の辺りまであ
り、色は薄紫、女みたいな姿をしていた。ビックリしているリンクにラーズは
言った。
 「リンク、シニア町に戻ろうぜ。」
リンクは黙ったままだ。ラーズは続けた。
 「それにさ、占い婆に聞けば何かわかるかもしれないぜ。」
リンクはようやく口を開いた。
 「分かった。シニア町に戻ろう。」
 「おう!!そうゆうわけで俺たちはシニア町に戻ることになったから、じゃあ
な。」
 『じゃあ、元気で帰ってね。それと私との約束、守ってよ。』
 「OK、じゃあな。」
その夕方のころ、リンクとラーズはシニア町へと向かった。

To be continued.


第十二章 リンクの目覚め
 2005年8月16日  作者:こったきー