- ゼルダの伝説 オリジナル小説 -
第三十五章 愁いの里 作者:クレア

「リンク!しっかりつかまって!」
クレアはニコラにムチを打つ。
もう暗雲の上だった。雲の上は、赤帯がかかったかのように紅に染まりつつある。
リンクは慣れない空気の薄さに息苦しく感じる。
が、クレアの胸にある不安の息苦しさと比べたら…。そう思うと、苦しいのを忘れられた。

「プルル……」
「そんな…………!」
天の大地…タースの里に足を付けた瞬間、時の巫女は力を失うように座り込んでしまった。
七年前のコキリの里のように、タースの里は何もかもが破壊されていた。家も…泉の噴水も…馬小屋も…。
建物だけではない。大地は深くえぐられているし、小さく生えている木々は皆根こそぎになっている。
とても人間業とは思えない光景だ。
「誰か!!…お願いだから、誰か返事して……」

クレアが切羽詰まった声を出した瞬間だった。
ガサリ………
「?何の音だ?」
リンクはかすかに聞こえた音に、反応する。
「クレア!あれ!」
「な、何…!?」
ナビィが飛んでいく先に、音の源だろう…全壊の家に挟まれた状態の青年が倒れていたのだ。
今這い出てきたかのように。
蒼いバンダナに銀髪の青年…
―まさか―
「シド…?」
「うっ………」
シドと呼ばれた少年はずっと家に潰されていたのだろうか、頬には大きなアザがあった。
「シド!!」
「リンク、引っ張りだしてあげテ!家がもっと崩れそうだワ!!」
「わかってるさ!クレア、早く!」
「う、うん!」
リンクとクレアはシドを掴み、引く。
と同時に、今まで辛うじてたっていた柱が崩れた。


「間に合ったぁ〜…」
リンクが安心する一方、クレアは最悪の予想が頭をよぎっていた。
「ねぇ、シド…生きてるよね……死んじゃダメだよ…目を開けて…!」
「大丈夫ヨ、クレア…ちゃんと脈がある」
ナビィはシドの手首に触れながら、涙を流すクレアを慰める。
「そうだよ」リンクは落ち着き払った顔だった。
「少し休ませてから何が起きたかを聞こう…大丈夫、自分を攻めるなよ」
自分より人を大事に気遣うクレアのことだから、自分を責めてしまうだろう。そう思いながら、慰めのことばをかけたリンク。
「………うん。ありがとう」
濡れた頬に一筋の光が流れ、シドに滴った……
そのときだ。
「ん……あれ?君たちは…?」
…シドの瞳が開いた。
「………シド!!」   「…クレアかい?…それに……」
シドは上半身を起き上がらせると、リンクを見た。
「君はハイリア人だ…天の大地にに乗れるなんて…ただものじゃないな」

「あ…その、俺リンク。ガノンドロフを倒す旅をしているんだ」
「アタシ、ナビィ!リンクの相棒なの♪」
「そうか…俺はシド。タース族の長…っつっても、こんなザマじゃあな…」
そう言って、頬の怪我を指す。
「シド!みんなはっ…!?」「クレア、落ち着いて聞いて。皆は無事だ。きっと昨日の竜巻に飲み込まれて……天空の神殿につれていかれたんだ。…その魔物が「時の巫女と引き替えに皆を解放する」って、俺が眠っている間に夢で語り掛けてきたよ。ご丁寧に、人相まで教えてくれたさ……時の巫女さん」
シドは焦るクレアに冷静な言葉をかけ、頭をさすった。
「クレア、君のニコラを貸してくれるか?俺には長として、魔物を倒さなきゃいけない。天空の神殿は天に浮かぶ神殿だ。魔術馬の力がいる。…けど、君は来ては駄目だ」
「何で!?みんなは私と引き替えに解放してくれる…」
「クレアさぁ〜冗談はよせって!ペンダントの意味をもう忘れたのか?」
シドは昔と同じ口調で、クレアの発言を遮った。
途端、クレア頬に少し赤みが差す。
(そっか……シドはクレアを守りたいのネ……)
ナビィはシドがクレアに惚れているのを読み取った。
「リンク、オレに力を貸してくれないか?なんかリンクには不思議な力を感じる………それに相手はかなり強い…頼む」
「…よし」
リンクはシドの腰にある剣を見据え、答えた。
「そうだ!泉の中央に俺の盾があるハズ…オレはもう使わないし、リンク、是非とも使ってくれよ」
たしかに泉の中央には、ハイリアの盾に似た大きな盾があった。
「そんじゃ、有り難く貰っとくよ」
リンクはそれをさやにかけ……

「リンク、シド」
クレアはニコラに乗った二人を呼び止める。

「………無事に帰ってきてね」
少し哀しそうな笑顔をつくった。
「当たり前さ!!」
シドが言うと、ニコラはまた飛び立った……

おまけ★
作者のクレアでs(バキッ)痛っ!!
クレア「ハーイ説明して貰いましょう☆何でこんなに話が暗いんでしょうか〜?(黒い笑み)」
だ、だってそうゆう設定なんだから仕方ないぢゃん!(汗)
リンク「つーか最初の設定からかなりそれているような…‖」
気にしちゃいけない←ぇ
とにかく、ご愛読(?)ありがとうございます★だいたい後二十章でラストに…
ク「早っ!」
m(__)mスンマセン。



第三十五章 愁いの里
 2005年7月29日  作者:クレア