- ゼルダの伝説 オリジナル小説 -
第三十二章 因業の魔神 作者:クレア

「それっ!一丁上がり!」
ゲルド賊はみな積み重なるように、倒れている…
クレアは楽々勝利していた。
「う〜ん……」
マロンが起き上がった。
「マロン!大丈夫?」
「あ、クレアちゃん…あれ?…とーさんに…インゴーさん…?あたし、何してたんだっけ?」
洗脳時の記憶を完全に無くしていたマロンは、のほほんと話した。
「はぁ〜…とりあえず怪我がなくてよかったぁ」
「クレアっ!マロンっ!!」
息を切らしながらリンク達が飛び込んできた。
「二人共、怪我はないか?」
「あ、妖精君♪久しぶりだね♪うん、平気だよぉ!」
とりあえずクレアは今までにおきた一部始終を話す。
「そうだったんだ…ありがとう!クレアちゃんと妖精君!エポナは牧舎にいるから、早くいって!もしかしたら、ゲルド賊がまた目を覚ますかも知れないし…こいつらは私たちが閉め出すわ」
「わかった!ありがとう!」
「またね、マロン!」

エポナは小屋のなかにつながれていた。そして、小屋に入ってきたリンクを見るやいなや、興奮した。


「ヒヒーン!!」
「エポナっ!久しぶり!」
リンクはつながれた縄をほどき、外に出してやり、エポナにまたがる。
「仲間がまた増えたワネ、リンク!さあ、次にいく場所はハイリア湖畔ヨ!行きましョ!」
こうして、リンク、エポナ、クレア、ニコラ、ナビィはハイリア湖畔へと向けて走りだしたのだった……


「こ、これがハイリア湖……!?」
リンクは愕然とした。 ハイリア湖畔はもうかつての美しさはどこにもない…湖は緑の毒水になっていて、辺りの草花や木…すべてが枯れていた。

「……油断禁物…かな……」
愕然とするリンク達のするりと現れたのは…
「ガブリエル……!」
リンクの目付きが鋭くなる……
「今までの戦い、見せてもらったよ。…さすが、時の巫女と言うだけあったね…甘く見すぎてたよ!じゃあ軽く……」
その瞬間、ガブリエルも目を少しだけ鋭くした…。
「お手合せ願おうか、時の巫女クレア!」
「リンク!下がって!」
リンクはクレアに突き飛ばされた。
その次の瞬間、ガブリエルの手から黒い塊がクレアに向けて発射された。
「………っ!」
クレアは再びあの丸いバリアをつくり、黒い塊を跳ね返す。
だが、ガブリエルは何処にもいなかった…
「リンク!後ろ!」
クレアはリンクの後ろから殺気を感じ取り、リンクの背後にバリアをはる。
だが。
パリィン……!!
「「!?」」
クレアのバリアは無残にも割れた。
「僕の高度な魔術をを見切ったってことか…なかなか楽しかったよ、クレア!バイバイ♪」
「あっ!待て!!」
リンクが叫んだ先に、ガブリエルはいなかった……


第三十二章 因業の魔神
 2005年7月23日  作者:クレア