- ゼルダの伝説 オリジナル小説 -
第三十一章 二つの戦い 作者:クレア

「クレアの言うとおり…ぴったり十六人だ」
リンクとナビィとニコラは、入り口の小屋のそばにはりつき様子を見ていた。
……ゲルド賊は放牧場に全員いるようだ……
リンクは剣を構える。盾はないが、並みのゲルド賊なら必要ないだろう。
準備は万全だ。
「ニコラ!ナビィ!!」
「OK!」
「ヒヒィッ!!」
ゲルド賊とリンク達の戦いは始まった。

 

 

「リンク…頑張ってね」
放牧場で戦うリンクを見守りながら、クレアは裏口から牛小屋に侵入した。
「マロン!……。」
マロンは小屋の片隅にちょこんと座っている。だが、クレアは近寄らなった…
「インゴーさん、タロンさん。隠れてないで出てきなよ?」
クレアは言う。
―ガサリ―
「ははは…よくいるとわかったなぁ!!」
狂気をはらんだ目で、インゴーとタロンが飼い葉の影から出てきた。
あらかじめ、クレアの注意をマロンにそらせて、殴って気絶させようと考えてたらしい… 手には熊手が握られている。
「あと三十人。どこなの?」
クレアはまだ言う。
その時だ。
―ザザザッ!!―
屋根裏、小屋の物置、飼い葉のなかから……三十人ものゲルド賊が現われたのだ。クレアはあらかじめわかっていた。マロン達は洗脳されていたこと。そして、十六人は確かに牧場の外にいるゲルド賊…だが、小屋の中には三十人ゲルド賊がいると…
そう、クレアは自ら進んで危険な方を選んだのだ……
「さあ!あのペンダントを砕け!」
インゴーが命令すると共に、タロン、マロン、インゴー、そして三十人のゲルド賊がクレアに飛び掛かってきた……

 

 

 

「フルルルルッ!!」
「てゃぁぁぁ!!」
「早くあいつらを殺せ!! たかが一人と一匹…………… ぐぁっ……!」
このゲルド賊頭らしきひとが叫んだとき、
ニコラが体当たりした…… リンク達は圧勝した。
「フルルルルッ!!」
ニコラは叫んでいる。
「な…なんですって!?」
「ナビィ…ニコラは何て言っているのか分かるのか!??」 
「うん…ショレパスになってるときだけ、うっすら……本当はゲルド賊は三十人まだいて、クレアはそいつらと小屋にいるって…!」

 

 

 

バシィィン!!
クレアは即座にバリアをつくった。そしてマロン達がひるんだところを光の波動で一打する。
「それっ!」
魔法は見事、マロンとインゴーとタロンに命中した。「ぐぁぁぁっ!!」
「きゃぁぁぁぁぁ!!」 だが、この光の波動は洗脳を解くためにマロン達にあてたもの。マロン達は気絶したが、怪我はなかった。
「小娘がぁっ!!」
ゲルド賊は態勢を立て直し、再びクレアに襲い掛かる……

 

「悪いけど、本気でいくよ」

 

ゲルド賊がクレアの声を聞いた直後、彼女の手から眩しい光が放たれるのを見た………


第三十一章 二つの戦い
 2005年7月3日  作者:クレア