- ゼルダの伝説 オリジナル小説 -
第二十九章 過去と今 作者:クレア

「時の巫女に逃げられた上、あの小僧が巫女と再会しただと!?」
「そ。だから何?」
「だから何、だと!?ガブリエル、貴様何を勘違いしているんだ!?時の巫女を捕えずに、さらに小僧も殺さな……」
「勘違いしてんのはオッサン。いい、今に奴らは俺たちの利益になる。それを見据えたから何もしなかったんだ。時が来たら……ボクが殺るさ」
「……否。任せるぞ」

 

 

 

「おーーい!!」 魂の神殿から脱出したリンク達を迎えたのはカンナだった。
「カンナ!無事だったのネ」
「おうともさ♪ピンピンしてるぜ。そうだ、巫女ちゃん!忘れ物だよ」
「!!私のフルート!なくしたと思ってたよ……ありがとう!」
「いえいえ♪」
カンナがそこまで言った時、聞こえたのはヘレンの声……
―カンナ、目覚めなさい……新たな魂の賢者として―
するとカンナは光り輝き、ミドやアレクスと同じよう‥‥新たな賢者になった。
「へぇ〜…まさかあたいがガノンと正面から勝負できるとは思わなかったよ!!一緒に旅は出来ないが……賢者としてこの魂のオーブをやるよ!これから頑張れよ!それとリンク!あんたに惚れた!じゃ!」
「……あ、ああ…………」
突然の告白にリンクは驚きながらカンナは消えていった……
「カンナって、タフね……」
ナビィはボソリといった。

 

 

 

 

 

リンクとクレアは一旦オアシスに行き、ニコラに会いにいった。 
「ニコラ!!」
「フルルルゥ♪」
クレアはニコラを見つけると、顔に抱きついた。
「ありがとうね…リンクを呼んでくれて…リンクとナビィも」
そう言うと振り返り、リンク達を見つめる。
「助けにきてくれて……本当にありがとう」
クレアは七年前とかわらない笑顔で言った。

 

 

 

 

(クレア、本当に変身魔法はやらないのか?)
(うん。インパ、確かに私は杖が無くても魔法は使える様になった…だけど、ニコラがいる。それに、リンクが戻ってきても……すぐ分かるように、今の姿でいたいの)
(……そうか。辛くなったら…カカリコ村に来なさい)
(無理だよ…来れないよ……村の皆が私をかくまっていた事をガノンドロフが知ったら大変だもの……)
(大丈夫だ。さぁ、夜が明けぬ内に早く行くんだ…)
(わかった。また会おうね…インパ)
(ああ、無事で会おうな……時の巫女、クレア……)


第二十九章 過去と今
 2005年6月26日  作者:クレア