- ゼルダの伝説 オリジナル小説 -
第二十三章 火山の刺客 作者:クレア


「ジラドスゲルズが負けた!?マジ!?」
「はい…。どうやら仲間の話では、時の勇者が現れたそうです… そいつがジラトスを倒したと」
「ふ〜ん……。森の次といったら……多分そいつはデスマウンテンに行くだろうな…ま、あそこにはアムラスがいるから問題ない。ご愁傷さまだね…その時の勇者とやらは!」
「それともう一つ。ガブリエル様、時の巫女を発見しました。ツインローバ様がお任せください、とのことです」
「はいはい。……ククク……時の勇者とやらが悲鳴を上げる姿が目に浮かぶなぁ…」
大人となっていたガブリエルはニヤリと笑った。

一方、二人はデスマウンテンに来ていた。
「リンク、気を抜かないで!上から岩がたくさん落ちてくる!」
「わかってる!」
今のデスマウンテンはかなりの活火山になっていた。
―きっとこれもガノンドロフの仕業だろう……―
リンクがそう思っていると…
「坊や!上を見るんじゃ!」
はっとした。考えにふけっていたリンクの頭上に岩が落ちてきたのだ。
「おわっ!!」
リンクは寸前の所で身をかわした。そして目の先には…
「守護鳥さん!!」
「危なかったな、坊や!今ゆっくりと話をしたいとこじゃが、ここでは危険じゃ。わしの背に乗れ!急ぐのじゃ!!」
リンクが急いで守護鳥の背に乗るとだった。
―ドォォォォォォォン!―
とてつもなく大きな地鳴りが聞こえた。


ゴロンシティについたリンク達。そこには、幼い守護鳥のような鳥がいた。
「こいつはアレクス!わしの孫じゃ。坊や、いや、時の勇者よ…ダルニアが封印された今、火口でとてつもなく恐ろしい魔物が、火山を噴火させようとしているのじゃ……今まで何人ものゴロンが挑んだが、一人として帰ってこん…。そこでじゃ。わが孫アレクスを連れて、魔物を退治してくれないか……」
「おいまて!何で俺が行かなきゃいけねぇんだ!?」 アレクスは反発する。だが守護鳥は怒った。
「当たり前じゃ!甘ったれるな!!お前は守護鳥になる後継者なんじゃ!!その根性を坊やと共に叩き直してこい!!」
「………わあったよ。……じゃああんた、この服着な」
そういってゴロンの服をぶっきらぼうに差し出す。
「こっから先は危険だ。ま、できるかぎり俺がサポートしてやるよ」
「ありがとう、アレクス!」「孫を頼んだぞ!!時の勇者、リンクよ!」
守護鳥が激励する中、リンクは火口へむかった。


「ふぅ〜…やっぱ火口はあっついなぁ…」
」そうか?俺、よくじいさんときたから平気だけどな〜♪」
「リンク!後ろ!!」
突如ナビィが叫んだ。だが、リンクは後ろを見ずに、飛んできたものをかわす。何処にいるか、わかっていたかのように……
「さっきから、つけてたな……!?」
後ろを見たリンクは、戦慄が走った。
後ろに立っていたのは、一つ目に四つの鎌のような腕をもった、ゴーマのような怪物だった。額にはあの赤い宝石が…
「そのとおりだ、時の勇者…我が名はアムラス。貴様を殺すように…と、火山を噴火させろという命令があった。」
アムラスは四本の鎌を構えた。
「悪いけど、俺はまだ死ぬ気はない」
リンクもマスターソードとハイリアの盾を構えた。
「ならば…いざ、勝負!!」
「あんた!負けるなよ!!」
アレクスが叫んだ。

カキィン!
剣と剣が重なり、金属音がひびきわたる。
リンクは今不利な状態だった。
「どうした!?我が弱点は赤い宝石だ。剣をあててみよ!」
「くそぉ…!」
リンクが宝石を壊そうとしても、四つの鎌のような腕がそれを邪魔するのだ。
―…鎌がなければ…そうだ!―
それを見ていたアレクスが言った。
「手を一本ずつ切れ!!」
―そうか、その手が!―
「セイヤッ!」
リンクはすばやくアムラスの四本の腕を切り落とす。
「ギャャャャァ!」 「とどめだ!!」
リンクは力を込めて、宝石を砕いた。


第二十三章 火山の刺客
 2005年6月5日  作者:クレア