- ゼルダの伝説 オリジナル小説 -
第二十二章 かけがえのない友 作者:クレア


「そんな……森が……!」
リンクは唖然とする。無理もない。今、目の前で故郷が燃えているのだから……
するといきなり、少年の叫び声が聞こえた。
「でっ!やっ!」
「あ、リンク!あそこに誰かいる!」
見れば、入り口で一人のコキリ族と魔物がいる。
「よし、あそこへ行こう!」
リンクはなりふり構わず森の入り口に突っ込んだ。

そして入り口にいる魔物と戦っていたのは… 「!?ミ、ミド!?」 間違いない、ミドだった。
たった一人で剣を持ち、三匹の魔物と戦っている。だが、さすがに三対一では相当きつそうだ……
「ティヤッッ!!」
リンクは一声叫び、回転切りで魔物を一掃した。
「に、兄ちゃん!?」 ミドは自分のコトを覚えているようだ。
「ミド、何があったんだ?」
「見ての通りさ…サリアが消えちまった瞬間、あのデグの樹が死んじまった……そしたら魔王がここにでかい怪物を……」
ミドはここで怒りだす。 「あのバカなリンクも帰ってこない…でも俺一人で守るんだ!このコキリの森を!!」
リンクは胸が痛んだ。リンクは目の前にいるのに…
「兄ちゃん!!ここの怪物を俺と一緒に倒してくれないか!?」
「…えっ!?ミド、本気なのか?」
「当たり前だ!!俺はこの森を守りたいんだ…」
ミドの小さな目には勇気が満ち溢れている。
「…わかった、行こう。だが、無理はするなよ!君はその魔物へまでの道案内をしてくれ!」
「わ、わかった!」
リンクはミドと共に走った。炎の森をくぐりぬけ………

火の粉が吹き付ける中、リンクとミドは開けた土地についた。
「ここなのか」
「ああ、間違いないねぇよ、兄ちゃ……」
ミドが言い掛けたその時。
「グァハハハハハ!うまそうなガキが二人きた!」
後ろにはガブリエルがあの時作った竜がいた。
「!?お前はあの時のやつ!?」
「そういうあんたは時の勇者だな?グハハハ!面白い!私はジラドスゲルズ!ガブリエルがな、貴様を食っていいって言ってたゾ?」怒りが込み上げるリンク。故郷を燃やした犯人はバカにした態度で話すからだ。
「だったら食われる前に…この森の仇をうってやる!!」
ミドが勇み、剣を構える。リンクも構えた。
「いい度胸だな、小僧!ならば、試合開始だ!!」
そういうやいなや、ジラドスゲルズはいきなり炎を吐いてきた。
「ミド、下がってろ!!」
「いやだ、俺も戦うんだ!」するとミドの全身が光りだした!!
「み、ミド!?」
「何が起きた!?ガキ!」
何処かから声が聞こえる…
―ミド、新たな森の賢者として目覚めるのです―
「ヘレン!?」
リンクが声を上げると、光の中でミドの姿が消えた。
「リンク!」
ナビィが目覚めていた。
「あの竜の弱点は、額の宝石だよ!!」
「なぬっ!?」
ジラドスゲルズはすっとんきょうな声を上げたとき、すでにリンクは剣を振りかざしていた。
「ハァァッ!!」
―バキィン!!―
ジラドスゲルズの額の宝石をくだく。
「グァァァァァアァ…!」
ジラドスゲルズは霧のように消えていった……
直後。
「兄ちゃん…」
ミドが光り輝きながらリンクの前に現れた。
「いや、違うな…リンク。まさかお前が時の勇者だとは考えもしなかったよ…」
リンクは気付く。ミドは、新たな森の賢者なんだと…
「ミド…黙っててごめん。俺は…ハイリア人なんだ」
「そんなん誤んなくていい!それより、俺は新たな森の賢者として、リンクと共に戦える。よろしくな!」
ミドは握手を求めた。リンクも握手をしようとした。
……だが、ミドには触れるコトができなかった。
リンクの片頬に、一筋の涙が通る。
ミドもだった。 
「さあ、うけとりやがれ!俺の力を込めた…森のオーブをなっ!このヤロ…いつのまにか一人前になりやがって…!」
「ミドも一人前だよ…」
リンクがオーブを受け取ったのを見届けると、ミドは消えていった…と同時に、森は元どおりになっていった。ヘレンの力のようだ。
『ミド…ずっと友達だよ』

空を見上げ、リンクはそっと呟く…二人は美しくなった森を後にする…。
次にむかうはデスマウンテン…それを察しないものがいないわけなかった…


第二十二章 かけがえのない友
 2005年5月22日 作者:クレア