- ゼルダの伝説 オリジナル小説 -
第十五章 決死の防御 作者:クレア


「ドドドドドドドドド……」

雪崩はもう目の前にきていた…。
いまさら逃げ出しても範囲が広すぎて逃げられないだろう。
「もう間に合わん!嬢ちゃんたち!わしの陰に隠れるんじゃ!」
そういって守護鳥は翼を大きく広げる…
「うわぁぁぁあ!」
リンク達は雪崩に飲み込まれたと思った。

だが次の瞬間…

「クァルディ!」
「え!?」
クレアの声がと思うと、皆がスッポリと入るぐらいのバリアができた。
「じ、嬢ちゃん!?」
「……すげぇ……!!」
クレアの作ったバリアは雪崩を寄せ付けず、すべて弾いている…!だがよく見れば、クレアの足元がふらついている。クレアはただ一人、雪崩と苦闘している状態だった。
[そうだ、魔法には体に負担がかかるんだ……!]

――頑張れ!!―― リンクは祈った。

しばらくが経った。
…雪崩は徐々にスピードを落としていく…

止まった。雪崩は完全に止まった。

「助かったぁ…!」
リンクが安心したとほぼ同時。
一気にバリアは砕け…クレアは倒れてしまった。
―魔力を使いすぎたんだ!―

「クレア!クレアっ!!」 リンクとナビィは駆け寄る…
最悪の事態がよぎったから……
だが運良く、クレアは気を失っているだけだった。

「嬢ちゃんは無事か!?」
「大丈夫だ…気を失っているだけみたい」
「そうか…」
安堵した表情をする守護鳥。
「だが油断は禁物じゃ。坊や、嬢ちゃんを抱いてわしの背中に乗るがよい…
  ゴロンシティへ向かおうとするかの…
  ダルニアに迷惑をかけたのを誤らなくてはいけんな……君たちにもな」
そういって、守護鳥は再び翼を大きく広げた…

[タース族の大人でさえ、あのようなバリアをつくるのは難しいはずじゃ……なのに嬢ちゃんは作れた…不思議な力を感じるのう………あのヘレンとは違う力じゃな………]


次の日のあさ。
昨夜クレアはしっかり休み、リンクとナビィは宴に参加して楽しんだ。
そして今朝…別れの時がきたのだった。

「さぁ、もってけ!炎の精霊石…ゴロンのルビーをなっ!」
ダルニアは炎の精霊石をリンクに渡した。
「ありがとう、ダルニア!昨日は楽しかったよ」
「おうとも!じきこのデスマウンテンも守護鳥様の力で寒波がきえさるからな…またこいよ、リンクにクレア、そしてナビィ!!皆俺たちのキョーダイだ!!」
「ああ!さようなら!」
「バイバイ、ダルニアさん!」

リンク達は歩きだす……

「あ、まっとくれ!」
守護鳥が呼び止めた。
「次はゾーラの里までいくんじゃろ?
  老いぼれを助けてくれた礼じゃ。近くまでおくってやろう!」
「ほんとですか!?」
「本当だとも。さ、遠慮せず背に乗りなさい!」
そして皆がのると…大空に向かって守護鳥は飛び出した。


「うわぁ〜!すんげぇ絶景だなぁ」
デスマウンテンから離れると…
下には、ハイラル平原が限りなく広がっていた。
「綺麗だね…ハイラルって」
クレアは呟いた。
「そうだ、嬢ちゃん。話があるんじゃ」
「?」 クレアは首を傾げる。
「嬢ちゃん、わしはな、君にとてつもなく膨大なる不思議な力があると思うんじゃ。
 まだ君は気付いてないだろうな…。
 おそらくこれから先、嬢ちゃんはとても苦闘するじゃろう…
 だかな、負けてはいけんぞ。もちろん坊やもな」

クレアは一瞬考え込んで…すぐに笑顔となって頷く。

「はい!わかりました!リンク、これからも一緒に頑張ろう!よろしくね☆」
リンクの目に、そのクレアの笑顔はしっかりと焼き付いたのは言うまでもなかった。

「僕のマテリグルズ…あの緑のお邪魔虫、潰しておきますか」
ゾーラの里にむかったのはリンク達だけではなかった………



第十五章 決死の防御
 2005年5月1日 作者:クレア