- ゼルダの伝説 オリジナル小説 -
第十三章 山の守護鳥 作者:クレア


三人はダルニアに合う為、デスマウンテンを登っていた。
しかし………

「…ねぇ。デスマウンテンは火山なんでしょ?しかもいま夏だよね?」
「ああ……」
「……寒いよ!?」

当たり前だった。
なぜならデスマウンテンは今、吹雪がふく雪山になっているのだから。

『これも魔物の力なのか…?!まるでスノーヘッドじゃあないか…』
そう思いながらもゴロンシティをめざすリンクとクレアとナビィ。
しかし大量に積もった雪と寒さが行く手をはばむ…。
「クシュン!!」
リンクがくしゃみをして、クレアは考えた。
『このまじゃ私たち凍死しちゃう…!』
そう考えたクレアは杖を握り、願いを込めた。 願いをこめて、適当になにかをつぶやけばそれが魔法になると、 アシェリーから聞いた事があったからだ。

「…ア・シェリ―」
「何?どうしたのクレ……あ!」
鼻水をたらしたリンクにとって、その光景は神がいるかのようだった。
クレアの杖から、黄色い炎がふきだし、クレアの周りがとても暖かくなったのだ。
「やったぁ!始めて魔法が出来たよぉ♪  リンク、そばにきてみて!とっても暖かいよ…」
リンクは近寄り気付いた。この炎はただの炎じゃないと…
「よし!これでゴロンシティまで凍死しないな!早くいこう!」
再びリンク達は進んでいった…


「暖か〜い!」 ゴロンシティについたナビィはいう。
ここは火をたくさん焚いていたのだ。
「よかったよ…ゴロンシティが暖かくて」
リンクがゴロンシティが暖かいと、安心する…その時だった。

「…はぁ……」
クレアの杖から炎が消えると共に、クレアはペタリと座り込んでしまった…。
「クレアっ!?大丈夫か?」
「…ウン、平気…。魔力を使いすぎたから疲れただけだよ…」
クレアは身を持って自覚する…魔法の使いすぎは身が持たないと…
「そうか…無理するなよ」
「わかった」

―初めての魔法にしてはなかなかだなぁ―
そう思いつつ、リンク達はダルニアに会いにいった。

「…よくきたなキョーダイ…じゃねぇ、リンク!
  おめぇは炎の精霊石がいるんだろ?…悪いがここにはねぇんだ…」
「!?なんでなんだ?」
いやな予感がする。しかしリンクは聞いた。
「このデスマウンテンが雪山みてぇになっちまったのを見ただろ?そこで俺はデスマウンテンの守護鳥様にたのんで、精霊石を隠してもらうことにしたんだ…。誰かが盗もうとしてるらしいからな……。だがそれきり…守護鳥様は帰ってこねぇんだ…!」

一同は息を呑む。
「キョーダイ!頼む…この雪山のどこかにいる守護鳥様を助けだしてくれねえか…あの火が」
そういってダルニアは近くの小さな燭台を指差す。
「消えかかってる…あの火は守護鳥さまの心臓と共鳴してる。わかるか?
  今ピンチらしいんだ…!俺が探しにいきたいんだが…
  腰をうっちまって… あるけねぇんだ。…すまねぇ!」
ダルニアは悔しそうに言う…
「…わかった、ダルニア。俺たちでその守護鳥を助けだすよ!」
「そうか…ありがとうよキョーダイ!じゃあこの守護鳥様の羽をもってけ。
  寒さを防ぐ力があるし、何より守護鳥さまが近くにいると震えだす!」
そういい、腕の長さぐらいの羽を渡した。
「ありがとうダルニアさん!それじゃあ、行ってきますね!」
クレアは明るく言った。
「たのんだぜ、キョーダイ……!」

ふたたび雪山にくりだしたリンク達。
ここでまた戦いが始まるとはしらずに……



第十三章 山の守護鳥
 2005年4月24日 作者:クレア