- ゼルダの伝説 オリジナル小説 -
第八章 旅立ち 作者:クレア

「リンク〜〜〜〜〜〜!!」

サリアがリンクにむかって走って駆け寄ると、いきなり抱きついた。
予期せぬ行動にリンクは戸惑う。

「わわわ…サリア、よしてよ、照れるじゃん」
「リンク!よかった、怪我してないのネ」
「え…」
―怪我はしたんだけどな―
「ま…まあね」
リンクはこの際、無傷で戦い終えたことにしようと考え、怪我のコトは黙ることにした。
すると……

「こぉぉぉぉぉらぁぁぁぁぁぁ!」

ミドがすごい形相で駈けてきた。 そしてそのまま…

―ドカァッ!―

リンクに飛び掛かり、飛び蹴りを食らわしたのだ。

「いってぇ!なにすんだ!」

不意打ちにリンクは怒る。

「てんめぇ、何サリアに抱きついてんだよ!」
「ちょっと!リンクは私達を助けてくれたんだヨ!しかも抱きついたのはあ・た・し・か
・ら!ミド、最低!」

ぷいと横を向くサリア。

「そんな…サリアぁ〜」

ちょうどそのとき…

「リンク、ナビィ、サリア!ちょっとボクのとこにきてください!」

デグの樹の子供のこえがした…。

「だって、リンク。」
「う、うん。」
「よし、サリア、リンク!いきましョ!」

三人はデグの樹の子供のもとへ走っていった。 


「くそぉ、なんであいつばっか…」 ミドが負け惜しみを言っているのが
聞こえた……

「「「ガノンドロフが復活しただって!?」」」 三人は声をそろえた。 
「ハイ、間違いないデス。リンク、さっきのウルフォス…あれはガノンドロフの手下が作
り出した魔物でしょう。とてつもなく強かったはずデス」 

確かだった。もしあの人がいなければ…

「デグの樹サマ、さっきのウルフォス、リンクが倒したんじゃないんです。間一髪の時、
ヘレン…というかたが助けてくれたのです」
「ヘレン……!?」

デグの樹の子供は少し考え、重い口を開く。

「リンク…ガノンドロフの目的はまったくわかりませン。ですが、再び闇をハイラルに持
ち込むわけにはいかないのです。あなたはまた、時の勇者として戦ってくれますカ?」

考えなくても答えは出た。

「あたりまえさ!」
「そうよ、今度こそガノンドロフを倒すのよ!」

リンクとナビィは意気込み答える。

「サリア…君は」
「森の賢者として、神殿をまもる。ネ?」
「そのとおりデス。サリア。つらいデスけど、頑張ってください。」
「俺たちはどうすれば…?」
「今…時の女神に選ばれた少女がどこかにいますネ。その子はかならずゼルダ姫に会う前
にあなたと巡り合うでしょう。そのこと共にゼルダ姫にこのことを伝えるのです…そして
コキリのヒスイを渡します。精霊石をかならずゼルダ姫に見せてくださイ」
「…わかった」
 

「リンク、気を付けてね……」
「ああ!サリアも…頑張ってくれよ!」
「ヒヒィン!」
「ハイャッ!!」

リンクはエポナにまたがり、満月にむかって走っていったのだった……………



第八章 旅立ち
 2005年4月3日 作者:クレア