- ゼルダの伝説 オリジナル小説 -
第四章 戦いの敗北 作者:クレア

カキィン!!
リンクの盾とウルフォスの牙がぶつかった。

「そう食われてたまるかよっ!」

ギリギリと力を入れながらウルフォスを突き飛ばす。

「そう?じゃあ私を倒してみなさいよ?」

「くっ!」

自信たっぷりなウルフォスはリンクに遠慮なく飛び掛かってくる…。
確かにここは炎に囲まれて、なかなか自由に動けない。
だからリンクは盾で封じるのが精一杯だった。

―それだけじゃない、ウルフォスが強すぎる…!!―

隙の無い動きでリンクにとびかかる。だから攻撃のチャンスが無い。?

「そうかよ…そっちがそうなら…」

再びウルフォスを弾き飛ばしたリンクは踏み込んだ。
ウルフォスがひるむ…わずかな隙を利用した……

「回転切りっっ!!」

「えっっ!?」??

まわりに炎がある状態で、なかからリンクの回転切りで空気の渦を起こす。
するとリンクの回転切りに炎がまざりあった。

「テャアッ!」

リンクが叫んだ。だが……………


「甘いわね、坊や」



キィィン!
リンクの剣が炎の外に吹っ飛んだ。
そしてリンクの足には深い傷があった。

「うっ…」

ウルフォスが勝ち誇ったような表情をしている……。
信じられないが…ウルフォスが弾き飛ばしたのだ…

「びっくりした?まぁ、あんなのチョロイわぁ♪なかなか見切りやすいもんよ」

「そんな…回転切りが…!」

剣は炎の外。リンクにはもう弓矢しかない。
だが動きの早いウルフォスには効果がないのだ…。

敗北。―負けたのか?―
リンクの頭には、その思いがいっぱいだった。

「そんな……負けた……!?俺が……」

「リンクっ!」

ナビィが叫ぶ。
いままでウルフォスの闇の力が強すぎて近寄れなかったのだ。

「ま、そゆことね♪あーあ、骨が無いやつ…いいわ…
あなたが初めて私に食われる人間の子供よ」

ウルフォスは足がすくんで動けないリンクに飛び掛かってきた。

『みんなを救えなかった…サリア…みんな…ごめん』

目から涙があふれる。
もう終わりだ…負けたんだ……

「リンクーーーーーーーっ!!」

静かな森の中に……ナビィの声が轟いた。

第四章 戦いの敗北
 2005年3月22日 作者:クレア