- ゼルダの伝説 オリジナル小説 -
第三章 邪気の根源 作者:クレア

迷いの森の奥は里とは違い冷気がただよっていた。
ありえないぐらいの殺気もすさまじい。何より…

「邪悪な力だ…私…ガノンドロフを思い出す…!」

「ああ……」

リンクも同感だった。
だがガノンドロフはもう賢者の力で闇の狭間に封印された…いるわけがない。



かつてスタルキッドと出会った切り株。
あの時はいたスタルキッドはいない。
いつも森のなかを照らしてくれた小さな妖精達。
その妖精もいない。
森はしんと静まり返り……孤独感を漂わせるところとなってしまっていた。

―前はもっと活気があったのに―

ただ…               ガサッ

「リンク…!!」

「なんかさっきから変だとは思ってたけど…!」

リンクは剣に手をかける。
…するとだった。

―ヒュン!!―

「!!?」

一瞬、紫をまとった何かがリンクの横を横切った。そして…

「おわっっ!?」

「ほっ…炎!?」

リンクのまわりに炎がでていた。
リンクは完全に炎のなかに取り残された状態となってしまった。

「おやおや…コキリの里にはいませんでしたね…?」

横切ったのはウルフォスだった。
だが普通のウルフォスとはまったくちがう…
尾が四本にわかれていて、尾の先に紫の炎がちらちらと燃えていた。
目は不気味なほど赤く…額には赤い宝石があった。

「ハイリア人ですね…つまり……」

「リンクね(だ)」
リンクとウルフォスが同時にいった。

「サリアや他の仲間はどうするつもりだ?お前がリーダーだろ?」

「あらまぁ、賢い坊やだわ…よくわかりましたね?」

気味が悪いほどウルフォスは笑った。

「ふふふ………!教えてあげるわ。サリアは私たちの…主人に献上するのよ。
取って食うのはほかのやつ」

リンクは怒りが込み上げてきた。
…こんなやつらにサリアを…みんなを渡してたまるか!!

「主人はだれだ!そしてなぜ俺の名前を知ってるんだ!」  

怒りを込めながら聞いた。だが、同時に背筋に寒気が走った。

「教えないわ。はい、話は終わり。さて、どうしましょ…そうね…石もなかった事だし…」

というないなや、リンクにとびかかってきた。   

「クソっ!」

間一髪のところで避けた。

「なかなか美味しそうだわ…あなた。先に食べちゃいましょ!」

「リンク、気を付けて!シャレにならないぐらいつよいワ…!」

「わかった!」
勝負は始まった。 …この敵の強さも知らずに…

第三章 邪気の根源
 2005年3月21日 作者:クレア