- ゼルダの伝説 オリジナル小説 -
第一章 再び迫る闇 作者:クレア


「走れっっ!!」

緑の衣を着、金髪に蒼い目をした少年・・・・・リンク。そして愛馬のエポナ。

彼がムジュラの仮面を倒し、タルミナの世界から抜け出したのはおよそ一ヵ月後の事だった。

リンクは予想より時間を食ってしまったと焦り・・・かつての相棒、ナビィを探し回る。

そしてとある日、森の中に入ったときだった・・・

 

「ここは・・・・コキリの森?」

リンクは直感する。この懐かしい匂い・・・・・・この懐かしい木々の様子。間違いなかった。

「帰ってきた!帰ってこれたよ、エポナ!」

喜びに胸を躍らせるリンク。

・・・ナビィと出会った場所になら、またナビィに会えるかも・・・

「エポナ、少し待っててくれよ。俺はナビィを探してくる!」

そういいながらエポナを木につなぐ。

そしてリンクはコキリの里に向かって走りだした。

だが・・・・・・・・・・・・・・

 

 

一方その頃。時の神殿に三人の人がいた。一人はあの黒い男・・・・もう一人は赤い目をした少年・・・。もう一人は・・・・・なんと半透明の姿の美しい女性。だが、その女性には恐怖の色があった。

「相変わらずだな・・・・女神の力を持つはずの、時の巫女ヘレン」

「っ!!ガノンドロフにガブリエル!?」

ガノンドロフと呼ばれた男は微笑を含む。

「貴様には感謝するぞ・・・・お前は女神の力を持ってない。だが、女神の力を持つ奴が目覚めてきたのだろう?

「・・・・・!!」

図星らしい反応だった。

「じゃああんたに用はないよ。さっさと消えてね」

赤い目をした少年は、ヘレンに向けて魔法を放った。

「やめなさい!ガブリ・・・・・・」

しかし遅かった。ヘレンはあっという間に青い魔方陣の中に引き込まれていった・・・・・・・

そして時の神殿には・・・あの邪悪な笑い声がこだましていた・・・・・・

今、このハイラルは再び闇が迫りつつあった。


第一章 再び迫る闇
 2005年3月13日 作者:クレア