- ゼルダの伝説 オリジナル小説 -
第四話 白きハイラル・ニルクの帰郷・・  作者: NIGHTMARE

    
その日の朝はとてつもなく冷え込んだ・・。足がスッ
ポリ埋るくらい積もった雪がそれを物語ってい
る・・。ニルクは思わず毛布をぎゅっと握って自分を
包み込んだ。しばらくすると窓に何か白い物がぶつけ
られた・・。窓を開けると冷たい風がひゅっとふきこ
んできた。思わず「寒っ・・!」と言って肩を抱い
た。すると下で声がした。「おーいニルクちゃん!下
来て雪合戦でもしないー?」とレイアが笑顔で言っ
た。ニルクは「どうせ王が戻られるまでヒマだし遊ん
じゃおうか!良いですよーしばらくしたらそっち行き
ますー!」と言って、廊下を通って階段を駆け下り食
堂へ向かった。
 
 食堂のテーブルにはフランスパン二つとホットコー
ヒー、ハムエッグとソーセージに野菜サラダが並んで
いた。ニルクがパンをほおばっていると、ラルフが降
りてきた。そしてニルクの顔を見るなり微笑んで「お
はよう、ニルク。」と言って椅子に座った。ニルクは
あわてて、返事をした。「あ、おはようございます。
ラルフ殿下。今起床なされたんですか?」するとラル
フは笑って言った。「あはは、そんなに慌てなくても
良いのに、それに僕は敬語使われるの苦手だって言っ
たでしょ。もっとフレンドリーにいこうよ☆普通にラ
ルッチで良いから。ね?ニルク?」「あー・・・・ハ
イ・・。」ニルクは苦笑いして言った・・。
ラルフと二人で話していると、ふとラルフが言った。
「そういえば今日、王はハイラルに復興の視察にいっ
たって。ゼルダ姫が是非君に御会いしたいらしいよ?
何でもお願いがあるんだって。あとで行ってあげな
よ・・。レディーの前でのエチケット忘れずにね☆」
ニルクは食べようとしたパンを止めた。「えっ、ゼル
ダ姫が僕に・・・?どんなごようでしょか・・・。」
ニルクは意外そうな顔をして言った。それに対してラ
ルフは「さてねぇ、どうやらただ事ではないみたい
よ・・・?ま、御会いしたらわかるさ!さて、下の奴
等といっちょ遊んでこようかな。運動不足は体に良く
ないからね・・たまには運動しなきゃ体が鈍っちゃっ
て・・・。ニルクもおいでよ!こんな遊べる日は今日
だけよ。さぁそうと決まったら着替えてレッッゴー
☆!」ニルクは食べ終えてすぐに部屋に戻って着替え
始めた。今日は下にベージュの母手編みのセーターの
上にいつもの緑の服、セーターと同じ色の長い厚手ズ
ボンに茶色いベルトを締めた。後は両腕に篭手を巻い
て首に薄い茶色のマフラーを巻いて外へ出た。
 
「お、やっとお出ましですか。それじゃ遠慮な
く・・・。」サファイアがそう言って右手にあった雪
の玉を勢いよく投げた。それはちょうどニルクの後ろ
頭に直撃した。「よーし、じゃあ・・ヤロォォ
ッ・・・。っつー痛いですよサファイアさん!お返し
ーーー!オりゃーーー!」とニルクは雪を固めて投げ
つけた。「よーし皆でニルク集中攻撃やー!奇襲かけ
るでー!くらえ雪爆弾。」レイアが言った。

 そうこうしているうちに王が城に戻ってきた。思っ
たよりも早かったらしい。帰ってくるなり王は3人を呼
び出した。3人は急いで大広間へ向かった。するとそこ
には一人かなり美人な女がいた。金髪に青い瞳、雪の
ように色の白い人で、ピンクのドレスが良く似合って
いた。よく見るとドレスにはハイラル王家の紋章
が・・。そう、この人こそゼルダ姫である・・。
 
 王は「時がきた、お前達には今日ハイラルへ行って
もらう。とうとう魔王が完全復活した!それでだ!ニ
ルク、サファイア、レイア!お前達にある物を捜して
きてほしい、それは・・・」と言った。するとゼルダ
が低い声で言った。「聖剣 マスターソードと勇気の
トライフォース継承者をお探しください。なぜなら聖
剣は勇気のトライフォース継承者にのみ扱える物だか
らです。封印の剣・神の剣・・それが聖剣 マスター
ソード。それがあれば必ずや魔王を封印出来ます。で
すが・・・今回魔王を復活させようとする悪しき物が
その封印を破ってしまったのです・・・。その者の力
でマスターソードは破壊され・・、神殿をことごとく
破壊し・・・賢者も殺されてしまったのです・・・。
今では聖地すら恐ろしき魔物の巣窟となってしまった
わけです・・・。ですがまだ希望はあります!私は夢
で声を聞きました。「まだ希望はついえておらぬ!い
ずれ勇気のトライフォース継承者が神の剣をてにこの
世を光に導く」と。それは貴方達です。私には見てわ
かりました。特にニルクさん、貴方がハイラルを救う
カギとなる御方なのです。」
 王はゼルダをさして言った。「彼女ハイラル王国の
ゼルダ姫様だ。しばらくの間こちらで保護させてもら
っている。しばらくはこちらにおられる。よろしく
な。さぁ、時間が無い!今日の夕方には出てくれ!ま
ずは港に行って船で入国すると良い。それまでに急い
で準備しておけ!私は今からまた外出する。幸運を祈
るぞ!」王はそのまま大広間を出て行った・・・。
ゼルダはニルクの手を握って言った。「どうかお願い
します。ハイラルを助けられるのは貴方方だけなので
す!どうか・・・。」「わかってますよ!姫様!僕ら
に任せてください!このまま奴等の好きにはさせませ
んよ!絶対にマスターソードを見つけてきます!」
ニルクはそう言って大広間を他の二人とゆっくりと出
て行った。
 
 それからもう2時間が過ぎた。今は船の上で3人とも
眠っている・・・。ニルクの故郷旧リッコイ村のすぐ
近くまで来ていた・・・。いっそう吹雪が激しくなっ
ている・・・。城下町の港ももう目の前だ・・・。



第四話 白きハイラル・ニルクの帰郷・・
 2005年11月12日  作者: NIGHTMARE