リンクは唖然と口を開け、目の前に広がる光景を見つめていた。
そこには、モンスターの死骸と、少し奇妙な形をした剣をもったシットがいた。
それは、二人が謎の本についてはなしあっていた時のこと、
2体のウルフォス(狼の魔物)とラギ・ゴブリン(ゴブ
リンの強化番で、剣と盾をもち、体は鎧につつまれて
いる。)が1体でてきたのだ。
リンクが剣を抜こうとした時、シットが
「待て。俺に任せとけ。」
リンクは反対したが、「今のお前の体じゃ無理だと思うがな。」
といい、腰にあった剣・・・らしきものを引き抜き、
変な体制になり、 足で土をけり、ジャンプしたかと思うと、
シットの姿が突風と共に消え二秒後位にモンスターの
後ろにシットが現れて、シットが奇妙な形の剣をしま
うとその三匹のモンスターは倒れて消えてしまった。
驚きの顔をしているリンクにシットが「ん?何驚いて
るんだ?」といった。
「何って・・・。その技とその剣・・・。」誰もが始
めてみれば驚くであろうそのことをシットは普通だと
思っているらしい。 そして、リンクはこう思った。
「(常識知らずだ・・・。)」
その考えを流すかのようにシットはリンクの疑問に答えた。
「ああ。先ず、この剣。これは、東洋の剣で“刀”っ
ていうんだが、細いが切れ味抜群でなおかつ軽いのが
特徴だ。こいつの名は名刀 雷月。数百年前のものらしい。
で、さっきの技は居合い切り。超高速で近づき、超高
速で急所をつくという技だ。
強力な技だが、覚えるまでに1年以上かかるし、体力を
だいぶ消耗するからいざって時にしか使わないけどな。」
「・・・」
リンクはあまりの驚きに言葉もでないほどだった。
「まぁ、今日はゆっくり休もう。もう夜遅いし。」
「えっ?・・・」リンクはあたりを見回すとあたりは
もうすでに暗かった。
「(全然気付かなかった。)」そう心の中で、言い、
心の中で、顔をゆがめた。
「・・・じゃぁ、また明日な。」
そういうとシットは眠りについた。
リンクも数分後深い眠りに付いた。
“リンク・・・”
「ううっ・・・。また貴方ですか・・・。」
“済まない。だが、これは君の人生を変える大きなこ
とだ、よく聞いてくれ。・・・今より強くなり、今あ
る疑問を解きたいのなら
〜チロル神殿を目指せ〜・・・・・・。
チロル神殿でも新たな疑問が浮かぶだろうが、疑問と
は永遠に続くものではない。とても短いものもあれ
ば、科学者が100年考えても解けないものもあるが、永
遠に解けない、永遠に続くものはないのだ。」
リンクはまったく意味がわからなかった。
今より強くなるにはとてつもなく興味をもったが、次
の「今ある疑問を解きたいならば〜」にはあまり意欲
がわいてこなかった。
とにかく、今より強くなるの後の言葉を解決するため
に、「それはどういうことですか?」
ときこうとした時、リンクの意識は遠のいていった。
最後にリンクが聞こえたのは、こんな言葉だった。
“・・・このハイラル、いや、この世界全ての運命は
君に掛かっている。・・・”
「おい!リンク!起きろ!もうすぐ昼だぞ!」
「えっ!?もうそんな時間!?」
前回と似た形で起こされたリンクは、もうそんな時間
かと驚いていた。
しかし、シットはおもって見ればみたいな顔をしてま
じめにいった。
「まぁ、その傷だ。しかたないか。」
「・・・・。」何も言い返せないリンクだった。
しかし、リンクもシットも時間のことより、あの謎の
本と本の表紙にある“聖なる石”とやらが気になって
しかたなかった。
「そんなことより、お前が起きるまでにその“聖なる
石”のことを考えたんだが全く見当が付かなかった。
お前はどうだ?」
リンクは、あの夢のことを半信半疑のまま、簡単に話した。
「時の勇者リンク!?何言ってるんだ?
お前・・・。」
リンクは夢の中にでてくる“時の勇者リンク”らしき
人物と、話をした内容についてもっと詳しく話した。
「なるほど・・・。もしかして、お前は・・・・。」
シットは深く考え込んだ。
それを見たリンクは不安になった。
しかし、シットは考えるのやめ、その話題を消した。
「いや、なんでもない。・・・まぁ、ここでずっと考
え込んでいてもしかたないから、
そのチロル神殿にいくとするか。おもしろそうなとこ
ろだしな。」
次にリンクが見た時、シットの真剣な顔は消え、いつ
もの陽気(?)なシットに戻っていた。
それに一瞬戸惑ったが、シットの言うとおりだったの
で、「そうですね。」と応えた。
「場所はわかるのか?」
「ええっと、昔、父親に聞いた話だと、チロル町の裏
山を越えたところのチロル山の頂上付近にあるという話です。」
「ふぅん・・・。じゃぁ、このチロル川をたどってい
けばチロル山につくから、
数日はチロル川をたどる旅になりそうだな。」
「はい。」
そういうと、リンクは荷物の整頓をはじめた。
そして、五分が経過して、シットが荷物を確認すると
二人はチロル山へ行くためチロル川の上流を目指した。
だが、この二人は、これが冒険のはじまりとは全く思わなかった・・・。
第4章「チロル神殿へ」
2005年5月22日 作者:バッタ
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