- ゼルダの伝説 オリジナル小説 -
第3章 二つの出会い 作者:バッタ


“起きろ、リンクよ・・・。”

そのどこかで聞いたことのある声に起こされたリンク
は起きて辺りを見回した。

すると、左側に自分と全く同じ・・・
いや、少し顔つきも体型、それと“何か”違う何者かがいた。
その人物が誰か知りたかったリンクに“その人”はこういった。
“私が誰か知りたいようだな。”
リンクは困惑した顔でこういった。
「何故、わかったんですか?」
“読心術・・・みたいなものと思ってくれればいい。”
「わかりました。・・・ところで、あなたは?」
“その人”は少し考えた後
“私は、゛時の勇者゛とよばれた者”と言った。
その言葉を聞けば、ハイラル中のひとびと誰もが驚く言葉だった。
「時の勇者・・・・?! 時の勇者リンクですか!?」
「その通りだ。」と即答で答えた。
それに関して少し疑問を持ったリンクはこんな質問をしてみた。
「・・時の勇者が何故こんなところに。」
“君にあいさつをしにね。”これも即答だった。
「僕に?何故?」
“それは、また今度話そう。今の君ではあまり話す時間が無い。”
「時間が?今の僕?・・・・」
次の瞬間、リンクから力がどんどんと抜け、その場に
倒れこみ、気を失った。

「・・・お・・・ず。・・おい・・・うず・・きてるか・・!?おい、坊主!生きてるか!?」
「えっ・・・!?」その声に起こされたのかはわから
ないが、急に目が覚め、リンクは起きあがった。
「ふぅ、生きてるみたいだな。」その声の元を辿ると
背はリンクより少し高く、髪の色は真っ黒で、頭に白
いねじりはちまきを巻いている男の人が居た。
まずはお礼をいい、名前を聞くのが礼儀というのがこ
のあたりの常識だったが、状況が状況だったため(なのか?)
場所のことを聞いてしまった
「こ、ここは・・・?」
それに対し、この男は、この辺りの人ではないのか、
それか、常識知らずなのかわからなかったが、
気軽に 「チロル川の下降の方だ。」と応えてくれた。
普通の人間ならば先の礼儀のことに関して後々、「まずい」とか
「どうしよう」とか気にかけるところだったが、
リンクはまったく気に掛けなかった。
そんなことより、今の状況が把握したかったからだ
(そうでなくても気にしないが)。
そんなことはお構い無しに「つまり、・・・カカリコ村の近くですか・・・。」
とリンクは少し考えていった。
この男はカカリコ村からチロルにむかっていたのか、
リンクが言い終わると即答した。
「そういうことだ。・・・それと、これが近くに落ちてあった。」
そういうと、男は後ろにおいてあった剣をリンクに差し出した。
「あっ、それは僕のです。」
「ああ・・・やはり、・・・そうか・・・。」
男は少し残念そうな顔をして剣を手渡した。
リンクは今の行動に変な感じがした。
それに気付いたのか、男は急に話を出した。
「ところで、君の名前は?」
リンクは変な気持ちを押さえ、無理に笑顔を使ってそ
れに応えた「リンクです。」
「リンクか・・・。時の勇者の名前をとったのか?。」
「そうらしいですね。・・・それで、あなたの名前 は?」
聞き返されると想定していなかった男は少し迷った。
「えっ?ああ。俺はシット。シット・リースだ。」
「シットさんですか。」
「さんはいらないよ。・・・ん?・・・リンク、お前の腹についている本は何だ?」
「えっ?」
リンクが自分の腹を覗き込むとガントツ爺さんに無理
やり預けられた分厚い本がピッタリくっついていた。
リンクは少し驚いて、少し手で払うと、その本は直ぐに落ちた。
「ちょっと見せてくれ。」と、シットが本に手を触れると
「いてっ!」
ビリリッ と言う音と共に電気がシットの手に流れた。」
「なんだこりゃ・・・。リンク、お前なら触れるのか?」
「さぁ・・・。やってみます。」
リンクが恐れつつもゆっくり手を近づけていくと、
すんなりと本をとれた。
「変な本だな。」シットは腕を組みながら言う。」
「開けてみます。」
リンクは本を開けようと力をいれたが、どれだけ力を
入れても本はびくともしない。
「あきません・・・。」リンクは困った顔をしてシットを見た。
その視線と顔に“触れない俺にいわれても”みたいな感じの顔をした。
シットはどう対応するべきか迷ったがあるものを見つけたので
そんな気持ちは吹っ飛んだ。
「ん?なんだそれ・・・。」
シットは表紙に書いてある文字と1つだけある窪みに目をやった。
それに、リンクは急いで本の表紙をみて、文の方を読んだ。
「何々・・・?<ここに聖なる石を置けか・・・。」
その言葉の意味がまったくわからない二人だった。

そして、それから数分、シットとリンクはその本について話あった。
その時、後ろの草むらが動いたことを二人はしらない。


第3章「二つの出会い」
 2005年5月6日 作者:バッタ