- ゼルダの伝説 オリジナル小説 -
第二章「チロルで・・・<中編> 作者:バッタ


途中でリンクはモンスターに出会った。
ゴブリンというモンスターで、それほど強くなく
ハイラル中の兵士が絶対倒せるだろう。
だが、一対一の話ならだ。ゴブリンは群れで行動しており
住処から出る際は絶対に4匹以上で行動するのが常識だ。
リンクが出会ったのは3匹だったが、おそらく途中で仲間を殺されたのだろう。
リンクは剣を抜き、先ず先頭にいる一体に突きで倒し、
後ろにいる二匹の内、リンクから見て左に居るほうに盾を投げつけ、
そいつがひるんでいる隙に、右のゴブリンを斬り、
さらに、残りのひるんでいたやつをジャンプ斬りで蹴散らした。

 「ふぅ・・・。ん?」
リンクが一息つきながら盾を拾って、前を見ると兵士
約20人がこちらに向かって走ってきていた。
その理由は直ぐにわかった。
兵士の後ろから数え切れないほどの数のゴブリンがこちらに向かってきているからだ。
こちらに向かっている兵士の中にリンクの父もいた。

 「父さんのチロル防衛隊か・・・。」
リンクは走る準備をすると、逃げてきた兵士が過ぎた瞬間に走り出し、
父親の横についた。
 「父さん、門はどうなったの?」
と、リンクは気軽に話しかけた。
いきなりあらわれたのと、あまりの気軽さにガントは、
 「お、おまえ!なんでここに!」
リンクは少し苦笑いをしつつごまかした
 「後で話すからさ、・・・それより門は?」
するとガントは、顔を少し下に下げた。
 「残念だが・・・モンスターの手に落ちた・・・。」
さすがのリンクも予想はしていたものの同様を隠せなかった。
 「そんな・・・。じゃぁ、この町は・・・?」
ガントはさっきの表情とは反対に、顔を上げて笑いと
も悲しみとも付かない顔で、
 「おそらく1日と持たないだろう。」といった。
それを聞いたリンクは、当然の質問を投げかけた。
 「じゃぁ、どうするの!?町の人たちの非難は!?」
それを予想していたかのように、ガントは即答した。
 「既に町民の避難は完了したはずだ。町で誰か見かけたか?」
リンクは、ここまでの道で見たものを思い出しながら言った、
 「あ、そういえば誰も見ていないな・・・。」
ガントは、話を続けた。
 「町民の避難の時間稼ぎのために、我々は門を守っていた。
  ・・・だが、多くの兵士を失ったがな・・。」
再びガントの顔は曇った。
 「・・・」
何も返す言葉は見つからなかった。
思いつかなかったのもあるが何もいわないほうがいいとリンクは思った。
さらに、ガントは付け足して、
 「・・・物資輸送隊10個の内8個はハイラル町に残りはカカリコ村に行くように
   なっている。町民の七割がハイラル町に向かった。」
といった。
そして、残ったものがほぼ100%聞くであろう質問を命を捨てて
戦った兵士のかわりにリンクが聞いた・・・
 「で、俺たちはこれからどうするだ?」
その答えも既にあった。
  「町庁にある秘密のルートから逃げる。町民や輸送隊もそこから逃げた。」
 「そうなのか。わかった(何かほとんど読まれてた様な気が・・・)。」

しかし、そんなことを考えている暇はあまりなかった。
とにかく、できるだけ速く逃げるためにリンクとチロル防衛隊は町庁に急いだ。



第二章「チロルで・・・<中編>
 2005年4月23日 作者:バッタ