- ゼルダの伝説 オリジナル小説 -
第二章「チロルで・・・<前編> 作者:バッタ


「う、・・・ううっ・・・・」

リンクが目を覚ますと、そこは自分の家で、
家には誰も居ない代わりに外がとても騒がしかった。
リンクは起き上がり横にあった剣を取って家を出た。
すると、そこには目を疑う後継が広がっていた。
なんと、町の北西の方向(チロル町とハイラル平原に続く道を結ぶ門がある方角 )
から火のてが上がっていたのだ。

リンクが、愕然としていると、そこへ兵士数人がやってきた。
その兵士のリーダーらしき人がリンクの家をチラッと見てから、リンクに話しかけた。

「ガント兵長は家に居ますか?」
「いえ、居ませんが・・・。」
「どこへいったか知ってりませんかね?」

その兵士はとても困っている様子だった。

「知りません」
「そうですか。」
その兵士はがっくりと顔を落として逆の方向へ歩き出した。
数歩歩いた時、その兵士が思い出したようにこっちを見て言った、
「・・・どうも、失礼しました。」

去ろうとした兵士にリンクは声をかけた。
「あの、すみません。」

兵士はガントの居場所のことしか頭に無かったらしく
少しビクッとしてこっちを向いた。
「なんですか?」

疑問はいくつもあるが、忙しそうだったので一つだけ聞くことにした。
一番気になる疑問を・・・、

「あの火の手ですが、火事か何かですか?」
「確かに火事ですが、モンスターの襲撃での火事です・・・。」
と兵士は再度顔を落とした。

「なんですって!?・・・・ついにここも・・・。」
少しビックリしたが、リンクは直ぐに冷静になった。
思ってみればいつ襲われてもおかしくはなかったからだ。

それを言い終わると、“早く探さないと”と言わんばかりの顔で、
「・・・では、我々は行きますので。」

それに気付いたリンクも礼をいった、
「わざわざ呼び止めてすみませんでした。」

その兵士は一回礼をすると、残りの兵士に合図をして走り去っていった。
少し考えると、リンクは家に置いてあった。
「ハイラル の盾」を取って、火の手が上がっている方へと走り出した。


第二章「チロルで・・・<前編>
 2005年4月17日 作者:バッタ