ガントツ爺さんの家まで一本道だが、曲がりくねっていて1km以上あった。
それをリンクは剣欲しさに自分の最高速度で走りぬけ、約5分でたどり着いてしまった。
「はぁ、はぁっ、ガ、ガントツ爺さん!剣の材料を届けに来たよ!」
リンクがそういうと、木造で築数十年は経とうかという家の中から、
顔も体もとてもガッチリしていて、とても70歳とは思えない老人がでてきました。
「おお、リンク、待っておったぞ。ささっ、早くこちらへ。」
リンクは早歩きでガントツ爺さんに近づき、剣の材料を渡して、待ちました。
「ほぉっ、中々いい素材だな。」
ガントツ爺さんは、素材を眺めながら家に向かって歩き始めた。
「あ、あの・・・。ガントツ爺さん、剣と盾を・・・。」
リンクは遠慮気味に聞いた。
「えっ・・・・・?・・・・あ。・・・ああ、わかっ るよ。直ぐ持ってくる。」
「(絶対、忘れてた・・・。)」
それから5分と立たないうちに、ガントツ爺さんは外見はシンプルな剣と、
ハイラルでは、何処でも見る盾を持ってきた。
「これがわしの作った剣じゃ。外見は普通だが、
ハイラル城防衛隊の使っている剣の1、5倍はよくる。
・・・それと、この盾は、見てとおりハイラルの兵士が一般に使ってるハイラルの盾だ。」
「やったー!ありがとう!」
“「ガントツの剣」を手に入れた!外見は普通だが、よく切れる!刃こぼれ無し!”
“「ハイラルの盾」を手に入れた!
少々重たいが防御力抜群!絶対壊れない・・・・わけはない”
リンクは礼をいうと来た道を大急ぎで下っていった。
その頃、ハイラルの北端(ハイラル城よりも北)にある山に囲まれ、
黒雲に覆われている場所にある黒い塔の天辺にて・・・
「時の勇者リンクの生まれ変わりよ・・・。その実力、見せてもらおう・・・。クククッ・・・。」
リンクが町の入り口にたどりつこうとした時だった。
いきなり地面から人間の形をしているが骨だけの剣士スタルフォスが飛び出してきた。
「なっ・・・!?」
3匹のスタルフォスが一斉にジャンプ切りを繰り出すが、
リンクはあっさりかわして見せた。
「体はめいいっぱい訓練してあるからね。体術とスタミナには自身があるぜ!!」
その言葉どおり、スタルフォスの連携攻撃も容易くかわした。
だが、リンクは体は鍛えていても、剣術は本でしか読んだことが無かった。
「くそっ、このままじゃ体力が尽きてやられちま!・・・本のとおりにやってみるか!」
リンクはよけつつ本の通りに剣を振ってみた。
すると、スタルフォスを腹から上下真っ二つにしてしまった。
「よし、この調子で2体ともやってやる!」
リンクが、敵の攻撃を避けつつ、チャンスをうかがっていると、
さっき倒したはずのスタルフォスの残骨が合体し元通りになってしまった。
「なにっ!?・・・くっ、時間が経つと復活するのか!
じゃぁ、どうやって倒せばいいんだよ!」
そう言うと、何処からとも無く声が聞こえてきた
−倒した奴が、復活しない内に倒すんだ−
「えっ・・・?」
リンクは、幻覚だと思い頭を振った。
それから1分ほど、リンクは攻撃を避け続けた。
「くっ・・・、体力が・・・なくなってきた。」
そういい、リンクが一瞬気を抜くとスタルフォスの剣が腹を掠った。
「うっ・・・!!」
それほどダメージはなかったが、リンクの集中力を少しなくしてしまう結果となった。
その後も、数分間敵の攻撃を避け続けたが、
ついに力尽きその場に倒れ込んでしまった。
スタルフォスの一体が近づき、止めを刺そうとしたとき、
リンクはふっと立ち上がり盾を捨て、
そのスタルフォスに「ジャンプ斬り」をくらわし、縦に真っ二つにした。
だがリンク自身、何故こんなことができるのか、
何故こんなことをしているのか、全くわけがわからなかった。
力を抜いているのに体が勝手に動いているのだ。
さらに、リンクでないリンクはこういった。
「・・・手助けするしか、無いようだ。」
その言葉を言い切ると、残りの2体はリンク目掛けて突っ込んできた。
リンクが、「突き」の体勢に入り、気を集中させると、
目にも留まらぬ速さで連続で「突き」を繰り出した。
おそらく、普通の人間が見れば剣がいくつにも分身しているように見えるだろう。
リンクが一回ため息をつき、剣をしまうとスタルフォスの体は粉々に砕け散り、
縦に真っ二つにされたスタルフォスも紫色の光を放ったかと思うと
一瞬光って姿を消した。
スタルフォスを撃退するとリンクはすぐに力が抜けその場に倒れ込んだ。
その後、リンクはパトロール隊に発見され、救助されることとなる。
このスタルフォスを送り込んだのは、
先ほどの塔にいる黒いフードをかぶった男だった。
「フッ、さすがにこれでは無理か。まぁ、これで死なれては困るがな・・・。
では、次の作戦はどうかな?」
黒いフードの男は笑みを浮かべるとその場を後にした。
第1章「裏山の戦い」
2005年4月9日 作者:バッタ
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