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「よみうり教育メール」抜粋集 2001


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   2学期制導入の県立高校32校中13校に  (山梨)   2001/04/12

県立の全日制高校で、前、後期の「二学期制」を導入する高校が増えている。今年度からは山梨高校が新たに導入し、三十二校のうち十三校が二学期制に移行した。移行を検討している高校も多く、今後は二学期制が主流になりそうだ。

 二学期制は、一年間の授業を三学期に分けるのではなく、大学と同じように前期(四月一日―九月三十日)と後期(十月一日―三月三十一日)に分ける。春、夏、冬休みは従来のまま。学期が減るため、定期試験や始業式、終業式が減った分を授業時間に充てられるほか、前、後期のいずれかで集中的に授業を行って単位を認定するなど、カリキュラムを柔軟にできるメリットがある。

 県立学校管理規則の改正で導入可能になった一九九七年度は、甲府西、甲府城西、甲府南が移行。九八年度には、日川、身延、上野原、九九年度には巨摩、市川、昨年度は甲府東、甲府昭和、白根、都留が相次いで移行し、今年度の山梨を加えて計十三校になった。

 山梨高校の飯島昭三校長は移行に踏み切った理由について、「来年度からの完全学校週五日制をにらみ、授業時間の確保が第一。また、留学した生徒も後期からスムーズに復学できる」と説明。試験と式の削減分で、年間十日を授業に充てられたという。後期に切り替わる時期の十月一日と二日は休校にした。「授業日数が増え、進度もゆとりを持たせることができる。来年度は前、後期集中の授業も取り入れたい」としている。

 一方、二学期制には、試験までの期間が長くなって出題範囲が広くなってしまうことや、三学期制を基準に組まれる運動部の大会と試験日が重複しやすいなどの難点もある。ある高校長は「ゆとりを生むための授業日数確保が、受験準備に利用されている面もある」と指摘する。これに対し、数野強教育長は「前、後期ごとの集中授業だと生徒の進路変更にも対応できる。二学期制はさらに広がるのでは」とみている。







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   民間出身校長たちの新学期  (東京)   2001/04/30
教員免許を持たない校長が各地で就任し、今月から学校で仕事を始めた。校長になるための条件が昨年四月に緩やかになり、民間出身者や県職員が「特色ある学校」「開かれた学校」などの実現のため、学校経営の先頭に立てるようになったためだ。学校の外からスカウトされた「非免許校長」たちの新学期を探った。(川上 修)

 都立高島高(板橋区)では新学期から、いつでも生徒が入れるように校長室のドアは開けっ放しになっている。着任したばかりの内田睦夫校長(55)の考えだ。内田校長は日立製作所と系列企業で三十二年間勤め上げた。

 「生徒と接する機会を多く作る」。その信条は明快だ。十三日には生徒会役員十三人と校長室で昼食を一緒にし、学校行事や身だしなみなどを話し合った。今後は五十一人の教員全員と面談して意見交換し、風通しの良い学校を目指す。

 放課後の部活動でも、生徒とのスキンシップに励む。ストレッチで体をほぐす陸上部員に近づくと、ジャージーの胸にある名前を目ざとく見つけて話しかけた。部員に「百メートルは何秒で走るんですか」と問われ、「昔は10秒8で走ったよ」。驚く部員に、身振りで走り方を手ほどきしてみせた。 「顔の見える校長」を心がける姿に、硬式テニス部三年の川村侑加さん(17)は「すごく接しやすい。生徒のことを考えてくれている感じがする」と歓迎する。

 もっとも、本人は校務の進め方に、民間と異なり合意を重んじる学校流の「壁」を感じることが多い。幹部教職員を集めた十一日の企画調整会議で、教務や生徒指導などの担当主任八人に情報交換のため週報を毎週出すよう提案した。だが、主任側から「後日開かれる職員会議で話を通してほしい」と言われ、その場は保留になった。

 野志兼夫教頭は「物事を決めるにも、決めた後の動きも早い」と内田校長を評するが、本人にすれば「日立が新幹線なら、学校は鈍行並みだ」と感じている。 普通科から学科転換して二年目の埼玉県立芸術総合高(所沢市)では、新任の益子幸雄校長(54)が学校運営に知恵を絞る。あさひ銀行OBだ。

 「今まで以上に地域や社会に開かれた学校を目指していきたい」。今月九日の入学式のあいさつでは、この言葉に特に力を込めた。「社会にどう見られているかという事に、学校や教師はむとんちゃくだ」と思えるからだ。

 「白鳥の中に黒鳥が一羽いるだけで、その群れは緊張する。文化と文化がぶつかれば新しいものが生まれるはず」。そう考える益子校長は、民間で培った発想が学校現場に刺激を与えられればと期している。

 今後のアイデアは次々とわいている。

 所沢で開くPTAの会合に保護者が全員参加できるよう、県内を四地区に分けて説明に出向く。生徒のボランティア活動も一日だけの行事にせず、ボランティア団体との対話を一年間続けて理解を深めるようにする。通学に便利な地域のピアノ教室などを重点的に回り、生徒の確保に努める――。益子校長の目は、学校の外へ向いている。

 広島県でも有数のマンモス校、黒瀬町立黒瀬中は生徒数九百三十六人、教職員は五十人に上る。了安峻校長(54)はマツダを早期退職して新天地に飛び込んだ。

 了安校長は「世間が考える教師像と違い、教師はよく働く」と驚く。午後十時までの残業も珍しくない。就任式や始業式、入学式などを経て、学校での儀式の大切さも肌で感じた。

 学校の良さは率直に認める。民間人登用への批判には「長野県知事も行政経験はなくても県民の支持を受けた。分からない事は聞けばいい」と受け流す。

 広島県は地域との交流を深めようと「学校へ行こう」週間を設けている。そこで、了安校長は「学校が町へ出よう」運動と題し今年度、ブラスバンドの演奏会を町内で開き、保護者らに部活参観をしてもらうことなどを考えている。







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   民間人校長への期待と警戒  (東京)   2001/04/30

校長になるにはこれまで、教員免許を持ち、「教育に関する職」五年以上の経験が必要だった。それが、昨年四月の学校教育法施行規則の改正で、免許なしでもふさわしい資質があれば校長になれる道が開けた。

 免許を持たない民間出身の公立学校長は、東京都で高校二人、埼玉県で同一人、広島県で小、中、高に一人ずつ。開校準備中の都立高の一人を除き今月から着任している。大阪府も二〇〇三年度からの導入を検討しており、各地で追随する動きが出ている。また、昨年度に千葉県立養護学校で、今年度は広島の県立高で、教育行政に長く携わった職員が着任した。

 学外から人材を登用する背景には、児童、生徒や地域の事情に合わせた「特色ある学校づくり」を目指す流れがある。文部科学省初等中等教育企画課は「リーダーシップを発揮して機動的な運営ができる能力が、校長に求められる時代」と説明する。

 また、「開かれた学校づくり」の上でも、校長は今後、学校活動のあり方を保護者や地域社会に理解を深めてもらい、時には交渉する力を問われる。そんな時、民間で培った経験や視点が生きるというわけだ。

 しかし、教育現場を知らない人材の登用に懸念を表明する動きもある。愛知県犬山市は、今年度から学習指導法などが専門の大学教授を校長にと検討したが、任命権を持つ県教委が反対して立ち消えた。

 県教委教職員課は「教育課程論などに詳しい人なので、市教委事務局で市全体の教育を指導してもらう方がいいと判断した。民間登用自体には反対していない」と説明する。

 この校長候補者は、今年度から市教委の学校教育客員指導主幹として市内の小、中学校を巡り、少人数学級などの運営に協力している。県の主張をのんだ格好だが、犬山市教委は「民間人校長は時代の流れで断念したわけではない。逆に、新しいものを取り入れようとしない県の古い体質が明らかになった」と話す。

 民間人校長を導入した広島県でも慎重論がある。同県高校教職員組合の秋光民恵委員長(54)は「子供と接点がなく、子供の思いに即して考える訓練をしていない人が、どんな風に子供を見るか」と懸念を隠さない。

 組合側は「従来の慣行にとらわれない民間校長が我を押し通して専制君主になるのでは」と警戒する。「会社はトップダウンでも、学校は子供から学ぶボトムアップの世界。民間のやり方の押しつけは困る」と秋光委員長はくぎを刺す。

 だれが校長のイスに座るにせよ、これからの校長は学校管理という「守り」に加え、学外との折衝や学校経営の戦略を練る「攻め」のうまさも問われる。

 初等中等教育局教職員課は「校長を対象にした研修で、資格要件の緩和を含む教育改革について触れることになるだろう」という。学校を取り巻く状況の変化について、校長の自覚を促す方針だ。






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   高校のカリキュラム変更 狭い学力を問う  (東京)   2001/05/14

進学校タイプの公立高校で学力問題への取り組みが目立ってきたのは、「個性尊重」が「安易な選択」になりがちな高校教育への見直し機運が背景にある。

 高校普通科の学習指導要領は今、最低八十単位を卒業に必要としており、そのうち必修科目は三十八単位に過ぎない。生徒が自分で進路や関心に応じて科目を選ぶことを期待してのことだ。一方で国立大学は受験科目を削減し続けてきた。

 教育の個性化を目指した措置は、しかし、高校生が少ない受験科目だけを履修する結果を招き、狭い範囲の学力しか身に着けていないという批判を呼んだ。

 このため、国立大学協会は、昨年末、国立大学は原則的に二〇〇四年度から、センター試験で五教科七科目を課す方針をまとめた。

 高校で共通の科目履修を重視する傾向が出てきたのは、こうした学力問題を意識してのことだ。「生徒に任せていると、おいしいものばかり食べる。まずいものも食べさせなくては栄養のバランスがとれない」と、都立高校長の一人は科目選択を食物の好みに例えて話す。

 また、公立高校では来年度から学校五日制が完全実施になり、卒業単位を少なくした新学習指導要領が再来年度から実施される。二学期制や六十五分授業は以前から単位制高校などでは行われていたが、それが普通科高校にも及んできたのは、授業時間の減少に歯止めをかけるためだ。

 だが、授業時間の増加、共通履修の重視が実情に合わない高校も少なくない。高校ごとの違いま目立ってきた。「公立高校は今後、国立大学受験も視野に入れた進学高校、私大や専門学校への進学中心、就職中心の高校と三極化していくだろう」と予想する関係者もいる。

 幅広い科目の履修には教員の配置などが問題になる。今、生徒の履修希望の少ない科目が設置されなかったり、複数校掛け持ちで担当したりするケースが出ている。通学できる高校が限られる地域では、幅広い履修のできる措置が講じられないと、生徒の進路を狭めることにもなる。

 「考える力、知力の低下があってはならない」。国立大学協会がまとめた冊子「国立大学の入試改革ー大学入試の大衆化を超えて」には、そう記されている。その狙いが達成されるには、高校現場への分厚い支援体制が求められる。







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   公立高校で二学期制や共通履修重視  (東京)   2001/05/14

「進学校」とされる公立高校で、学力の維持・向上のためのカリキュラム変更が活発になってきた。二学期制や六十五分授業などの導入が各地で続き、共通科目の履修を重視する傾向学校も出てきている。学校五日制の完全実施による授業時間の削減、受験科目中心の高校生の科目履修への批判、国立大学のセンター試験五教科七科目実施などに対応しようとするものだ。様々な論議を呼んでいる高校生の学力問題に、具体的な取り組みを始めた学校の実情を探った。

     (勝方 信一)

 埼玉県立蕨高校普通科三年の深山顕君(17)は、二年前に入学した後しばらく、「学校に合わせるのが大変だ」と感じていた。同校はその年、一年間を三学期に分けていたカリキュラムを、四−九月、十−翌年三月の二学期制に改めた。深山君は中学のとき、もちろん三学期制だった。

 秋に行われるはずの運動会が春になったのに、まず「あれっ」と思った。期末試験は年に二回しかなく、一学期の期末試験は九月末。「手を抜いていては駄目」と、夏休みも試験を意識して勉強した。

 深山君の学年は、二年から文系、理系の類型に分かれた。大学では機械科でエンジン設計を学びたいを考えている深山君は理系を選んだ。今、理科は化学と物理を履修している。地学部長も務めている。

 同高二年の小林久美子さん(17)はもう一つ、驚きを味わった。小林さんたちから二年までは共通履修で、三年だけ三つの類型に分かれることになった。それまで文系の生徒は二年で数学を履修しないでもすんだのが、全員が学ぶことになった。

 小林さんは数学は得意ではない。「二年から文系理系に分かれ、数学を履修しない方がいいな」と考えていたが、一年のときの数学教師に「二年でも頑張ろう」と励まされ、やる気になった。

 文学部志望の小林さんは今「数学って面白い」と思っている。ただ、大学受験科目にするつもりはない。

.さらに同校は来年度から、現在の五十分授業を六十五分授業に変更する。現行学習指導要領では、五十分授業が標準だ。

 二学期制にすれば中間、期末試験、始業、終業式などの回数が減り、年間十日程度、授業日数を増やせる。六十五分授業五校時制にすれば、五十分授業六校時制より、一日二十五分、授業時間を多くできる。

 内田雅彦校長は「授業時間を確保し、学校行事もなくさない方法を考えた。行事は一学期に集め、二学期は勉強に集中できるようにしている。二年までの共通履修は、大学入試で受験しない科目を早い段階で捨てる傾向に歯止めをかけるため。基礎教科をきちんと学ぶことは、生徒の将来のためにも大切だ」と語る。

 二学期制の導入は各地で続いている。岐阜県では昨年度、県立全日制高校七十三校のうち四十校で実施、静岡県では、百三校中十一校で実施している。

 一、二学期で履修科目を違える高校も出てきた。静岡県立静岡東高校では今年度から、三年の一学期に世界史、日本史、地理から一科目、二学期は十二科目から一科目を生徒が選ぶようにした。二年までに英数国を重点的に学び、三年で選択科目を拡大するための工夫だ。

 四十五分授業七校時制を敷く高校も出てきた。やはり授業時間を確保するのが狙いだ。都立日比谷高校は来年度から実施する。今春、独自入試を行った同校が取り組む学力向上策の一環だ。休みの土曜日に学校開放し、PTAが中心になって、卒業生が生徒の自習を手伝うサポート・ティーチャー制も行う予定だ。

 蕨高校のような三年への繰り下げは、まだ多くはない。しかし、多数の国立大学が二〇〇四年度から、センター試験で五教科七科目を課そうとしている。高校生に幅広い科目を履修してもらうためだ。埼玉県の別の高校教師は「共通履修を重視せざるを得ない。校内で改革案を検討している」と打ち明ける。







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   心病む教師 休職者増加  (東京)   2001/06/04

学級崩壊、不登校、いじめ――多くの問題を抱える教育現場で、心を病む教師が増えている。病気休職する教師のうち、精神疾患を原因とするケースは四割を超えた。悩める教師の実態や背景、支援のあり方を探った。(藤田 勝)

 東京都内の中学に勤務する英語教師、三十代後半の男性Aさんは、睡眠導入剤を飲んで不眠症を治療している。七年前から毎月、東京・御茶ノ水にある都教職員互助会三楽病院の精神神経科に通い、薬をもらう。

 職場でのAさんは、教科はもちろん、進路や生活面、部活動の指導にも全力でぶつかる熱心な教師だ。

 二十九歳にして進路指導主任になると、その後、毎年のように生活指導主任や学年主任など、責任ある仕事を次々任された。

 「周囲の期待は重圧半分、うれしさ半分。あおられてしまった感じ」と、自身を振り返る。

 進路指導主任になった時は、帰宅しても「だれか進学できない子が出たらどうしよう」と不安が頭を離れない。一方、生活指導主任は、いわゆるツッパリと正面からぶつかる先兵の役だ。出張先まで「タバコをくわえた他校の生徒が集団で来て、生徒を下校させられない」と連絡が入り、あわてて戻ったこともあった。

 これらを担任の仕事と並行してこなし、土日は運動部の指導で出勤。Aさんは英語教師として、自分の英語力を伸ばす必要を痛感していたが、多忙のあまりそんな余裕もなく、自責の念ばかり強まっていった。

 親とのトラブルにも悩んだ。携帯電話でいたずらを繰り返す生徒の親に、電話を取り上げるように言っても聞く耳を持たない。呼び出しにも応じず、Aさんはノイローゼ状態になった。

 卒業文集の作文を書かせた時は、Aさんの熱心さが裏目に出た。全く書けない生徒がいたため、母親の了解を得て残して仕上げさせた。卒業文集に一人だけ載せなかったら問題になると思ったからだ。遅くなったため車で生徒を送ると、父親が「子どもが何か悪いことをしたのか」と怒り出し、結局、A先生はわび状を書かされた。「なぜ自分が……」。割り切れない思いだけが残った。

 こんな毎日が続くうちに、ついに不眠症を発症。家で飲む酒の量も増えた。一睡もしないで通勤する日も多くなった。家族も心配して、同病院に。医師の助言を受け、ずいぶん気持ちは楽になった。不眠症は改善したものの、今も悩みの種がつきることはない。

 文部科学省の調査では、九九年度、病休した教員は四千四百七十人。そのうち精神疾患によるものは43%。在職者五百人に一人の割合だ。

 同病院精神神経科に新規受診する教師も三年前から急増、昨年度は年間三百人に達した。同科の中島一憲医師によると、その七割の症状は、気力が出ない、不眠、食欲の低下などの抑うつ状態。

 数回の診察で終わる例が半数近く、休職に至るケースは多くはない。しかし同医師は「休職者や通院者の背後に、大量の“予備軍”がいる。健康に見えても全体の二、三割が軽い抑うつ状態という調査結果もある」と警鐘を鳴らす。

 その予備軍を支援しようという民間団体もある。教育関係者有志で二年前に設立した「教師を支える会」は、個人やグループでの面接、電話やファクス、電子メールでの相談など様々な方法で支援活動を行っている。代表の諸富祥彦・千葉大助教授は「教育委員会などの相談窓口や病院は気楽に行けない。匿名性に配慮した方法で、民間団体主導で支援した方がいい」と話す。

 実際、東京都教育庁の「こころの健康相談」窓口には、本人単独よりも、校長など関係者同伴、または本人ぬきで来るケースが多いのだ

。同会のホームページには、「寝る時間を確保するのがやっと」「教師にどこまで要求すれば気がすむのか」「とにかく疲れる。対生徒というより、対保護者、対管理職、対地域、対同僚」「荒れ始める生徒に手も足も出ない」と、悲痛な声がつづられている。







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   岡谷市の中学校,女子生徒にスラックス義務化  (長野)   2001/11/05)

岡谷市の市立岡谷北部中学校(伊藤敏夫校長・生徒数475人)は1日から、女子生徒全員にスラックスの着用を義務づけた。県教委の義務教育課では「スラックスだけというのはあまり聞いたことがない」としている。

 この中学校では、これまでスカートとスラックスの両方が制服として認められていたが、外見上の理由から実際はスカートを着用する例がほとんどだった。しかし、同校によると厳寒期に最低気温が氷点下15度にも下がる真冬には、体調を崩して保健室を訪れる生徒が急増するという。

 このため学校側が昨年12月ごろから検討を始め、PTAの了解も得て、この冬からスラックスの着用義務化に踏み切った。

 この日は学校側の指導が徹底したこともあって女子生徒全員が濃紺のスラックスを着用して登校したが、3年生のある女子生徒は「着てみたけどやっぱり格好悪い。せめて卒業式の時だけでもスカートをはかせてほしい」と不満を訴える。その一方で、2年生のある女子生徒は「これまではスラックスをはきたいと思ってもみんなの視線が気になって着られなかった。温かいし、これでいいと思う」と話す。

 同校の征矢野達彦教頭は「時代の流れに反するようだが、生徒の健康を守るためには必要なこと。生徒たちにも理解してもらえると思う」と話している。