母は母である前に一人の人間 君は京女生である前に一つのいのち |
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「お茶にする?」って 声が聞こえる 家に住みたいね |
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本日は、お忙しい折にもかかわらず、中学2年生第一回授業参観・クラス懇談会にご参加くださりありがとうございます。新学期が始まってから一カ月程しかたっておりませんが、新入生を迎えて「先輩」になったことで、生徒たちの様子は大きく変わりかけています。その変化の様子とこれからの課題について、全体会の場でいくつかお話しさせていただきます。 @ しっかりした子が増えてきました何をするにしても初めてでオロオロしてばかり、指示が出るまでトロトロしているばかりだった一年前と比べ、自分が置かれた状況を自分で判断し、少しばかり先を読みながら行動できる子が増えてきました。先日の花祭りでも、教員が教室の見回りに行った時には、全員が教室を出て講堂に向かっていました。授業の始まりに当たっても、ちゃんと授業の準備をそろえて机に座っていられる子が増え、議長が「起立」の号令を掛ける前に自分の判断で立ってあいさつの姿勢を取れる子も増えてきました。 一時間、落ち着いて授業に参加できる子が増え、いちいちノートに書きなさいと言われなくても自発的にメモを取り、授業の後で質問に来る子が増えてきました。 ホームルームの話し合いでも、自分の意見を言うだけではなく人の意見を聴きながら参加できる子が増え、掃除の手順も覚えて教師が細かに指示をしなくても段取りよく片付けられる子が増えてきました。 幼稚な悪ふざけや過度の自己アピールが減り、周りへの気遣いができ、大人に対しても適当な距離と礼儀をもって接することのできる子が増えました。 A 不安定な子、無気力な子が目立ってきました思春期に突入して、今までとは違った目で自分自身を見つめ始め、他人との関わりについて悩み、ゴチャゴチャモヤモヤした思いをどうしてよいか分からずにいる子が目に付いてきました。授業中ボンヤリあらぬ方向を見ている子、前を向いたまま口を開けて寝ている子、始業の挨拶が終わった後でロッカーに教科書を取りに行く子、教科書もノートも出さずにいて注意されるとふてくされたように言い訳する子が目に付きます。 声を掛けたり面談したりしても大事なことははぐらかし、対話を避けてやり過ごそうとする子もいれば、妙に甘えた物言いをしてみたり、サラッと人の気を惹いてみたりする子がいます。 クラブを辞めてしまってエネルギーの発散の場所や生活の支えとなる場を失い、フラフラ所在なさげにしている子が目に付きます。 京女で学び続ける目的や自分の将来について考えては見るものの、簡単には答えが見つけられず、イライラしたりグズグズしている子が目に付きます。 人との関わりに自信を無くして、自分から関わりを絶とうとしてみたり、何とか結び目を見つけようと行きつ戻りつしている子が目に付きます。 B 保護者のみなさまへのお願い@ 家庭で果たすべき役割を示してあげてくださいひょっとしたらうちの子は自分の力の無さが情けなく、自己嫌悪にさいなまれているのではないか?友達や姉妹との間で劣等感を抱きながら暮らしているのではないか?人との関わりに自信を無くしているのではないか?と思い当たられるならば、どうか彼女の身の丈に合った役割を家で与えてあげてください。「あなたがいてくれるだけでいい」と心底思っていて下さっているかもしれません。しかし、誰しも自分がいる場所で、自分の価値を実感したいものです。家の中で何らかの役割を果たし、ちょっとしたことでも「ありがとう」って言ってもらえるだけで、心が休まり元気が出ることがあるのは、大人も同じでしょう。 A グチは黙って聞いてあげてください何かちょっと愚痴っただけで、それはドウなのコウなのと根掘り葉掘り問い詰められたり、アアしろコウしろと意見されたらげんなりするもの。その上、頼みもしないのにアレコレされたらたまりません。嫌なこと辛いことがあっても誰かに聞いてもらえただけで気が楽になり、「大変だね」って受け止めてもらえたらそれだけで頑張れることも多いはず、なのは大人でも同じでしょう。 B 夢にケチをつけないでください13歳の時に夢見たことをそのまま抱き続けて実現している大人が100人中何人いるでしょう。そもそも、アンナふうになりたい、コンナふうにしていきたいって願いをはっきり口に出せる人の方が少ないかもしれません。大切なのは挑戦する意欲とやり遂げる粘り。命にかかわる危険なことでもない限り、大人の目から見てそれが子供じみていようと、非現実的であろうと、否定することは百害あって一利なし。それを実現する方法を一緒に考えてあげてください。それが何であれ、意欲的に取り組む力が養われれば、それは別の道に進んだ時にも役立つものだという経験を、大人は持っているはずです。 C 管理するのではなく自己管理の手伝いをしてあげてください朝、親がたたき起こさないと起きられない。親がそばについていないと宿題一つやらずにダラダラしている。四六時中携帯をいじっていて、親が取り上げないと止めない。そんなこんなで毎日イライラのスパイラルに陥ってお悩みのご家庭もおありのようです。自分で起きられるようにするには生活改善の工夫が必要。勉強するにはそれなりの動機付けが必要。携帯をいじり続けるにはそれなりの訳があるはず。 いま彼女が課題を克服するためには何をどう変えていくことが必要なのか、一緒に考えてあげてください。何べん言っても言うことを聞かないのは、言ってるだけだからだめなのか、言ってる中身がずれているのか、そこに思い至るゆとりが大人には必要ですよね。 D 守ってあげるべき秘密と見抜いてあげるべき秘密あるクラスで授業中にこんな話をしました。「お母さんが自分のプライバシーを侵害したり、親の願いを無理やり押し付けてくるようなことがあったら、静かにお母さんの目を見て教えてあげなさい。『お母さん、もうへその緒は切れてるのよ。知らなかった?』って。」自立の第一歩は親に秘密を作ること。その一方で、親に気付いてもらえない辛さを抱えている子もいるはず。バレたら怖いし知られたくないことだけど、親が気付いて何とかしてあげないといけないこともあるはずです。その一つがネットの世界と学校の行き帰り。 我が子を見守る目を、一つでも多く持つ工夫を大人同士で見付けたいものですね。 |
物の値打ち、人の値打ちって 何で測ったらいいんだろうね |
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いのちに気付こう いのちを燃え立たそう |
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あれから一年、 これからの一年、 同じではいられない |
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