星降る地上で |
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2005.12.06 |
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一粒のメール | ||||
君が一人で引越しして ちょうど一年経った朝 君が残していった携帯を解約するように 上の息子に頼みました。 自分でそれをしに行くのは やっぱり今日も嫌だったから 君の小さな家に向かう道 信号待ちの車から 君の病室に通っていたあの頃のように 短いメールを打ちました。 解約された携帯には 着信しないと知っていたから
君の小さな石の家に着くと 露に濡れた石畳に 君がむかし教材にしたような ドングリ一粒光っていました。 君ならきっとそうするように そっとつまんでくちづけしました。 |
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2005.10.29 | ||||
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季節を越えて |
去年の春風光る朝 君はベッドの上にいて 窓を見上げて歌ってた 去年の夏の昼下がり 君は柩の中にいて 目を閉じたまま黙ってた 私に季節が巡っても 君に巡る季節はない 今年の桜散る道で 私が振り向く一年に 二人の春は残ってた 今年の紫陽花咲く庭で 私が振り向く一年に 二人の夏は探せない 私が季節を重ねたら 二人の季節は遠ざかる きょう暮れなずむ夕闇に 金木犀が香っても 君に巡る秋はない あした霜置く石肌の 銀の化粧を直すたび 二人の冬は遠ざかる 君と重なることのない 一人の季節は軽すぎる 私は季節を飛び越えて 二人の空に舞い降りる |
2005.10.01 |
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闇の見送り |
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2005.05.13 |
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春の歌三首 |
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