石川啄木の山羊の歌 | ||
金子みすゞの山羊の詩 | ||
井伏鱒二の山羊の詩 | ||
まど・みちおの山羊の詩 | ||
山本純子の山羊の詩 | ||
山村暮鳥の山羊の詩 | ||
立原道造の山羊の詩 | ||
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寒い夜の自画像 きらびやかでもないけれど この一本の手綱をはなさず この陰暗の地域を過ぎる! その志明らかなれば 冬の夜を我は嘆かず 人々の焦燥のみの愁(かな)しみや 憧れに引廻される女等の鼻唄を わが瑣細(ささい)なる罰と感じ そが、我が皮膚を刺すにまかす。 蹌踉(よろ)めくままに静もりを保ち、 聊(いささ)かは儀文めいた心地をもつて われはわが怠惰を諌(いさ)める 寒月の下を往きながら。 陽気で、坦々として、而(しか)も 己(おのれ)を売らないことをと、 わが魂の願ふことであつた! 「日本詩人全集22 中原中也/『山羊の歌』」新潮社より |