石川啄木の山羊の歌 |
空色の壜より 山羊の乳をつぐ 手のふるひなどいとしかりけり 『日本詩人全集8 石川啄木』新潮社 一握の砂 手套を脱ぐ時より |
金子みすゞの山羊の詩 |
風 空の山羊(やぎ)追ひ 眼にみえぬ。 山羊は追はれて ゆふぐれの、 曠野(ひろの)のはてを 群れてゆく。 空の山羊追ひ 眼にみえぬ。 山羊が夕日に 染まるころ、 とほくで笛を ならしてる。 『新装版 金子みすゞ全集U 空のかあさま』JULA出版局より |
井伏鱒二の山羊の詩 |
雨滴調 川原の風景 去年の水害に 流されそこねた 川土手のひとかたまり あたりは一面の小石原 誰いひ出したともなく敗戦島と呼ぶ けふはその島に山羊がゐる 一株の ひょろひょろの梅の木に なぜか山羊は癇症に頭をこすりつけ 梅の花を散らしてゐる 初出 昭和23年5月河出書房刊 『詩と随筆』 『厄除け詩集』 講談社文芸文庫より |
山村暮鳥の山羊の詩 |
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立原道造の山羊の詩 |
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