Top Pageへ戻る

児童福祉法  抜粋
公布:昭和2年12月12日法律第164号
施行:昭和23年1月1日
改正:平成14年2月8日法律第1号
施行:平成14年2月8日
  目次

 第一章 総則  (第一条−第三条)

  第一節 定義  (第四条−第七条)
  第二節 児童福祉審議会等  (第八条−第十条)  
省略
  第三節 児童福祉司  (第十一条−第十一条の三)  省略
  第四節 児童委員  (第十二条−第十四条)  省略
  第五節 児童相談所、福祉事務所及び保健所  (第十五条−第十八条の三)  省略

 
第二章 福祉の措置及び保障  (第十九条−第三十四条の二)    第三章 事業及び施設  (第三十四条の三−第四十九条)  省略
   第四章 費用  (第四十九条の二−第五十六条の五)  省略
   第五章 雑則  (第五十六条の六−第六十二条の二)  省略
   附則  省略

                       (全文はこちらでどうぞRONの六法全書 on LINE 児童福祉法

法律集にもどる 法律リンク集へいく
使用上の注意
ここで掲載した憲法・法律・条約文等の内容については、( )付きで部分的に補足してあります。
また、文字化け、遺漏等がないとは限りませんので、その内容、正確性についての保証はいたしません。
必要に応じて、六法全書等でご確認下さい。
なお、このページに掲載された情報をコピー、引用することによって生じた一切のトラブルについて、管理人はなんらの責任を負いません。




















第一章 総則

第一条 
1  すべて国民は、児童が心身ともに健やかに生まれ、且つ、育成されるよう努めなければならない。
2 すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない。

第二条
 国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う。

第三条
 前二条に規定するところは、児童の福祉を保障するための原理であり、この原理は、すべて児童に関する法令の施行にあたつて、常に尊重されなければならない。

目次にもどる



第一節 定義

第四条
 この法律で、児童とは、満十八歳に満たない者をいい、児童を左のように分ける。
 一 乳児 満一歳に満たない者
 二 幼児 満一歳から、小学校就学の始期に達するまでの者
 三 少年 小学校就学の始期から、満十八歳に達するまでの者

第五条
 この法律で、妊産婦とは、妊娠中又は出産後一年以内の女子をいう。

第六条
 この法律で、保護者とは、親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護する者をいう。

第六条の二 
1  この法律で、児童居宅生活支援事業とは、児童居宅介護等事業、児童デイサービス事業、児童短期入所事業、障害児相談支援事業及び児童自立生活援助事業をいう。

2 この法律で、児童居宅介護等事業とは、第二十一条の十第一項の措置に係る者につきその者の家庭において同項の厚生労働省令で定める便宜を供与する事業をいう。

3 この法律で、児童デイサービス事業とは、第二十一条の十第二項の措置に係る者を同項に規定する市町村長が適当と認める施設に通わせ、その者につき同項の厚生労働省令で定める便宜を供与する事業をいう。

4 この法律で、児童短期入所事業とは、第二十一条の十第三項の措置に係る者を同項の厚生労働省令で定める施設に短期間入所させ、その者につき必要な保護を行う事業をいう。

5 この法律で、障害児相談支援事業とは、地域の身体に障害のある児童又は知的障害のある児童の福祉に関する各般の問題につき、主として居宅において日常生活を営むこれらの児童及びその保護者からの相談に応じ、必要な情報の提供及び助言を行うとともに、第二十六条第一項第二号及び第二十七条第一項第二号の規定による指導を行い、併せてこれらの者と市町村、児童相談所、児童居宅生活支援事業を行う者、児童福祉施設等との連絡及び調整その他の厚生労働省令で定める援助を総合的に行う事業をいう。

6 この法律で、児童自立生活援助事業とは、第二十七条第九項の措置に係る者につき同項に規定する住居において同項に規定する日常生活上の援助及び生活指導を行う事業をいう。

7 この法律で、放課後児童健全育成事業とは、小学校に就学しているおおむね十歳未満の児童であつて、その保護者が労働等により昼間家庭にいないものに、政令で定める基準に従い、授業の終了後に児童厚生施設等の施設を利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、その健全な育成を図る事業をいう。


第七条
 この法律で、児童福祉施設とは、助産施設、乳児院、母子生活支援施設、保育所、児童厚生施設、児童養護施設、知的障害児施設、知的障害児通園施設、盲ろうあ児施設、肢体不自由児施設、重症心身障害児施設、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設及び児童家庭支援センターとする。

目次にもどる



第二章 福祉の措置及び保障

第十九条 
1  保健所長は、身体に障害のある児童につき、診査を行ない、又は相談に応じ、必要な療育の指導を行なわなければならない。

2 保健所長は、疾病により長期にわたり療養を必要とする児童につき、診査を行い、又は相談に応じ、必要な療育の指導を行うことができる。

3 保健所長は、身体障害者福祉法(昭和二十四年法律第二百八十三号)第十五条第四項の規定により身体障害者手帳の交付を受けた児童(身体に障害のある十五歳未満の児童については、身体障害者手帳の交付を受けたその保護者とする。以下同じ。)につき、同法第十六条第二項第一号又は第二号に掲げる事由があると認めるときは、その旨を都道府県知事に報告しなければならない。

目次にもどる


第二十条
1 都道府県は、身体に障害のある児童に対し、生活の能力を得るために必要な医療(以下「育成医療」という。)の給付を行い、又はこれに代えて育成医療に要する費用を支給することができる。

2 前項の規定による費用の支給は、育成医療の給付が困難であると認められる場合に限り、これを行なうことができる。

3 育成医療の給付は、次のとおりとする。
 一 診察
 二 薬剤又は治療材料の支給
 三 医学的処置、手術及びその他の治療並びに施術
 四 居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
 五 病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護
 六 移送

4 育成医療の給付は、厚生労働大臣又は都道府県知事が身体障害者福祉法第十九条の二第一項の規定により指定する医療機関(以下「指定育成医療機関」という。)に委託してこれを行うものとする。

目次にもどる


第二十一条
 指定育成医療機関は、厚生労働大臣の定めるところにより、育成医療を担当しなければならない。


第二十一条の二
 指定育成医療機関の診療方針及び診療報酬は、健康保険の診療方針及び診療報酬の例による。
2 前項に規定する診療方針及び診療報酬によることができないとき、及びこれによることを適当としないときの診療方針及び診療報酬は、厚生労働大臣が定めるところによる。

第二十一条の三
1 都道府県知事は、指定育成医療機関の診療内容及び診療報酬の請求を随時審査し、かつ、指定育成医療機関が前条の規定によつて請求することができる診療報酬の額を決定することができる。

2 指定育成医療機関は、都道府県知事が行う前項の決定に従わなければならない。

3 都道府県知事は、第一項の規定により指定育成医療機関が請求することができる診療報酬の額を決定するに当たつては、社会保険診療報酬支払基金法(昭和二十三年法律第百二十九号)に定める審査委員会、国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)に定める国民健康保険診療報酬審査委員会その他政令で定める医療に関する審査機関の意見を聴かなければならない。

4 都道府県は、指定育成医療機関に対する診療報酬の支払に関する事務を社会保険診療報酬支払基金、国民健康保険団体連合会その他厚生労働省令で定める者に委託することができる。

5 第一項の規定による診療報酬の額の決定については、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による不服申立てをすることができない。


第二十一条の四
1 都道府県知事(厚生労働大臣が指定した指定育成医療機関にあつては、厚生労働大臣又は都道府県知事とする。次項において同じ。)は、指定育成医療機関の診療報酬の請求が適正であるかどうかを調査するため必要があると認めるときは、指定育成医療機関の管理者に対して必要な報告を求め、又は当該職員をして、指定育成医療機関について、その管理者の同意を得て、実地に診療録その他の帳簿書類を検査させることができる。

2 指定育成医療機関の管理者が、正当な理由がなく、前項の報告の求めに応ぜず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の同意を拒んだときは、都道府県知事は、当該指定育成医療機関に対する都道府県の診療報酬の支払を一時差し止めることを指示し、又は差し止めることができる。

3 厚生労働大臣は、前項に規定する都道府県知事の権限に属する事務(都道府県知事が指定した指定育成医療機関に係るものに限る。)について、児童の利益を保護する緊急の必要があると認めるときは、都道府県知事に対し同項の事務を行うことを指示することができる。


第二十一条の五
 第二十条第一項の規定により支給する費用の額は、第二十一条の二の規定により指定育成医療機関が請求することができる診療報酬の例により算定した額のうち、本人及びその扶養義務者(民法(明治二十九年法律第八十九号)に定める扶養義務者をいう。以下同じ。)が負担することができないと認められる額とする。


第二十一条の六
1 市町村は、身体障害者手帳の交付を受けた児童に対し、盲人安全つえ、補聴器、義肢、装具、車いすその他厚生労働大臣が定める補装具を交付し、若しくは修理し、又はこれに代えて補装具の購入若しくは修理に要する費用を支給することができる。

2 前項の規定による費用の支給は、補装具の交付又は修理が困難であると認められる場合に限り、これを行うことができる。

3 第一項に規定する補装具の交付又は修理は、補装具の製作若しくは修理を業とする者(以下「業者」という。)に委託してこれを行い、又は市町村が自らこれを行うものとする。


第二十一条の七
 前条第三項の規定により補装具の交付又は修理の委託を受けた業者が市町村に対して請求することができる報酬の額の基準は、厚生労働大臣がこれを定める。


第二十一条の八
 第二十一条の六第一項の規定により支給する費用の額は、前条の規定により業者が請求することができる報酬の例により算定した額のうち、本人及びその扶養義務者が負担することができないと認められる額とする。


第二十一条の九
1 都道府県は、骨関節結核その他の結核にかかつている児童に対し、療養に併せて学習の援助を行うため、これを病院に入院させて療育の給付を行うことができる。

2 療育の給付は、次のとおりとする。この場合において、第一号の医療に係る給付に関しては、第二十条第三項(第四号を除く。)の規定を準用する。
 一 医療
 二 学習及び療養生活に必要な物品の支給

3 前項第一号の医療に係る療育の給付は、厚生労働大臣又は都道府県知事が次項の規定により指定する病院(以下「指定療育機関」という。)に委託して行うものとする。

4 厚生労働大臣は、国が開設した病院についてその主務大臣の同意を得て、都道府県知事は、その他の病院についてその開設者の同意を得て、第二項第一号の医療を担当させる機関を指定する。

5 前項の指定は、政令で定める基準に適合する病院について行うものとする。

6 指定療育機関は、三十日以上の予告期間を設けて、その指定を辞退することができる。

7 指定療育機関が第五項の規定に基づく政令で定める基準に適合しなくなつたとき、第八項において準用する第二十一条の規定に違反したとき、その他指定療育機関に第二項第一号の医療を担当させるについて著しく不適当であると認められる理由があるときは、厚生労働大臣が指定した指定療育機関については厚生労働大臣が、都道府県知事が指定した指定療育機関については都道府県知事が、その指定を取り消すことができる。

8 第二十一条の規定は、指定療育機関について、第二十一条の二から第二十一条の四までの規定は、第二項第一号の医療に係る療育の給付について準用する。この場合において、第二十一条中「育成医療」とあるのは、「第二十一条の九第二項第一号の医療」と読み替えるものとする。


第二十一条の十
1 市町村は、身体に障害のある児童又は知的障害のある児童であつて日常生活を営むのに支障があるものについて、必要があると認めるときは、政令で定める基準に従い、その者の家庭において入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活を営むのに必要な便宜であつて厚生労働省令で定めるものを供与し、又は当該市町村以外の者に当該便宜を供与することを委託する措置を採ることができる。

2 市町村は、身体に障害のある児童又は知的障害のある児童について、必要があると認めるときは、政令で定める基準に従い、その者を家庭から当該市町村の設置する当該市町村長が適当と認める施設に通わせ、日常生活における基本的な動作の指導、集団生活への適応訓練その他の厚生労働省令で定める便宜を供与し、又は当該市町村以外の者の設置する当該市町村長が適当と認める施設に通わせ、当該便宜を供与することを委託する措置を採ることができる。

3 都道府県は、保護者の疾病その他の理由により家庭において介護を受けることが一時的に困難となつた身体に障害のある児童又は知的障害のある児童について、必要があると認めるときは、政令で定める基準に従い、その者を肢体不自由児施設、知的障害児施設その他の厚生労働省令で定める施設(以下この項において「肢体不自由児施設等」という。)に短期間入所させ、必要な保護を行い、又は当該都道府県以外の者の設置する肢体不自由児施設等に短期間入所させ、必要な保護を行うことを委託する措置を採ることができる。

4 市町村は、日常生活を営むのに支障がある身体に障害のある児童又は知的障害のある児童について、その福祉を図るため必要があると認めるときは、日常生活上の便宜を図るための用具であつて厚生労働大臣が定めるものを給付し、若しくは貸与し、又は当該市町村以外の者にこれを給付し、若しくは貸与することを委託する措置を採ることができる。


第二十一条の十一 市町村は、児童の健全な育成に資するため、第六条の二第七項に規定する児童の放課後児童健全育成事業の利用に関し相談に応じ、及び助言を行い、並びに地域の実情に応じた放課後児童健全育成事業を行うとともに、当該市町村以外の放課後児童健全育成事業を行う者との連携を図る等により、当該児童の放課後児童健全育成事業の利用の促進に努めなければならない。

目次にもどる



第二十二条
1 都道府県、市及び福祉事務所を設置する町村(以下「都道府県等」という。)は、それぞれその設置する福祉事務所の所管区域内における妊産婦が、保健上必要があるにもかかわらず、経済的理由により、入院助産を受けることができない場合において、その妊産婦から申込みがあつたときは、その妊産婦に対し助産施設において助産を行わなければならない。ただし、付近に助産施設がない等やむを得ない事由があるときは、この限りでない。

2 前項に規定する妊産婦であつて助産施設における助産の実施(以下「助産の実施」という。)を希望する者は、厚生労働省令の定めるところにより、入所を希望する助産施設その他厚生労働省令の定める事項を記載した申込書を都道府県等に提出しなければならない。この場合において、助産施設は、厚生労働省令の定めるところにより、当該妊産婦の依頼を受けて、当該申込書の提出を代わつて行うことができる。

3 都道府県等は、第二十五条の二第三号又は第二十六条第一項第四号の規定による報告又は通知を受けた妊産婦について、必要があると認めるときは、当該妊産婦に対し、助産の実施の申込みを勧奨しなければならない。

4 都道府県等は、第一項に規定する妊産婦の助産施設の選択及び助産施設の適正な運営の確保に資するため、厚生労働省令の定めるところにより、当該都道府県等の設置する福祉事務所の所管区域内における助産施設の設置者、設備及び運営の状況その他の厚生労働省令の定める事項に関し情報の提供を行わなければならない。

目次にもどる


第二十三条
1 都道府県等は、それぞれその設置する福祉事務所の所管区域内における保護者が、配偶者のない女子又はこれに準ずる事情にある女子であつて、その者の監護すべき児童の福祉に欠けるところがある場合において、その保護者から申込みがあつたときは、その保護者及び児童を母子生活支援施設において保護しなければならない。ただし、やむを得ない事由があるときは、適当な施設への入所のあつせん、生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)の適用等適切な保護を加えなければならない。

2 前項に規定する保護者であつて母子生活支援施設における保護の実施(以下「母子保護の実施」という。)を希望するものは、厚生労働省令の定めるところにより、入所を希望する母子生活支援施設その他厚生労働省令の定める事項を記載した申込書を都道府県等に提出しなければならない。この場合において、母子生活支援施設は、厚生労働省令の定めるところにより、当該保護者の依頼を受けて、当該申込書の提出を代わつて行うことができる。

3 都道府県等は、前項に規定する保護者が特別な事情により当該都道府県等の設置する福祉事務所の所管区域外の母子生活支援施設への入所を希望するときは、当該施設への入所について必要な連絡及び調整を図らなければならない。

4 都道府県等は、第二十五条の二第三号又は第二十六条第一項第四号の規定による報告又は通知を受けた保護者及び児童について、必要があると認めるときは、その保護者に対し、母子保護の実施の申込みを勧奨しなければならない。

5 都道府県等は、第一項に規定する保護者の母子生活支援施設の選択及び母子生活支援施設の適正な運営の確保に資するため、厚生労働省令の定めるところにより、母子生活支援施設の設置者、設備及び運営の状況その他の厚生労働省令の定める事項に関し情報の提供を行わなければならない。

目次にもどる


第二十四条
1 市町村は、保護者の労働又は疾病その他の政令で定める基準に従い条例で定める事由により、その監護すべき乳児、幼児又は第三十九条第二項に規定する児童の保育に欠けるところがある場合において、保護者から申込みがあつたときは、それらの児童を保育所において保育しなければならない。ただし、付近に保育所がない等やむを得ない事由があるときは、その他の適切な保護をしなければならない。

2 前項に規定する児童について保育所における保育を行うこと(以下「保育の実施」という。)を希望する保護者は、厚生労働省令の定めるところにより、入所を希望する保育所その他厚生労働省令の定める事項を記載した申込書を市町村に提出しなければならない。この場合において、保育所は、厚生労働省令の定めるところにより、当該保護者の依頼を受けて、当該申込書の提出を代わつて行うことができる。

3 市町村は、一の保育所について、当該保育所への入所を希望する旨を記載した前項の申込書に係る児童のすべてが入所する場合には当該保育所における適切な保育の実施が困難となることその他のやむを得ない事由がある場合においては、当該保育所に入所する児童を公正な方法で選考することができる。

4 市町村は、第二十五条の二第三号又は第二十六条第一項第四号の規定による報告又は通知を受けた児童について、必要があると認めるときは、その保護者に対し、保育の実施の申込みを勧奨しなければならない。

5 市町村は、第一項に規定する児童の保護者の保育所の選択及び保育所の適正な運営の確保に資するため、厚生労働省令の定めるところにより、その区域内における保育所の設置者、設備及び運営の状況その他の厚生労働省令の定める事項に関し情報の提供を行わなければならない。

目次にもどる


第二十五条
 保護者のない児童又は保護者に監護させることが不適当であると認める児童を発見した者は、これを福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない。ただし、罪を犯した満十四歳以上の児童については、この限りでない。この場合においては、これを家庭裁判所に通告しなければならない。


第二十五条の二
 福祉事務所長は、前条の規定による通告又は次条第一項第三号の規定による送致を受けた児童及び相談に応じた児童、その保護者又は妊産婦について、必要があると認めたときは、次の各号のいずれかの措置を採らなければならない。

 一 第二十七条の措置を要すると認める者並びに医学的、心理学的、教育学的、社会学的及び精神保健上の判定を要すると認める者は、これを児童相談所に送致すること。

 二 児童又はその保護者をその福祉事務所の知的障害者福祉法(昭和三十五年法律第三十七号)第十条第一項に規定する知的障害者福祉司(第二十七条第一項第二号において「知的障害者福祉司」という。)又は社会福祉主事に指導させること。

 三 助産の実施、母子保護の実施又は保育の実施(以下「保育の実施等」という。)が適当であると認める者は、これをそれぞれその保育の実施等に係る都道府県又は市町村の長に報告し、又は通知すること。

目次にもどる


第二十六条
 児童相談所長は、第二十五条の規定による通告を受けた児童、前条第一号又は少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第十八条第一項の規定による送致を受けた児童及び相談に応じた児童、その保護者又は妊産婦について、必要があると認めたときは、次の各号のいずれかの措置を採らなければならない。

 一 次条の措置を要すると認める者は、これを都道府県知事に報告すること。
 二 児童又はその保護者を児童福祉司若しくは児童委員に指導させ、又は都道府県以外の者の設置する児童家庭支援センター若しくは都道府県以外の障害児相談支援事業を行う者に指導を委託すること。
 三 前条第二号の措置が適当であると認める者は、これを福祉事務所に送致すること。
 四 保育の実施等が適当であると認める者は、これをそれぞれその保育の実施等に係る都道府県又は市町村の長に報告し、又は通知すること。
2 前項第一号の規定による報告書には、児童の住所、氏名、年齢、履歴、性行、健康状態及び家庭環境、同号に規定する措置についての当該児童及びその保護者の意向その他児童の福祉増進に関し、参考となる事項を記載しなければならない。

目次にもどる


第二十七条
1 都道府県は、前条第一項第一号の規定による報告又は少年法第十八条第二項の規定による送致のあつた児童につき、次の各号のいずれかの措置を採らなければならない。

 一 児童又はその保護者に訓戒を加え、又は誓約書を提出させること。
 二 児童又はその保護者を児童福祉司、知的障害者福祉司、社会福祉主事、児童委員若しくは当該都道府県の設置する児童家庭支援センター若しくは当該都道府県が行う障害児相談支援事業に係る職員に指導させ、又は当該都道府県以外の者の設置する児童家庭支援センター若しくは当該都道府県以外の障害児相談支援事業を行う者に指導を委託すること。
 三 児童を里親(保護者のない児童又は保護者に監護させることが不適当であると認められる児童を養育することを希望する者であつて、都道府県知事が、適当と認める者をいう。以下同じ。)若しくは保護受託者(保護者のない児童又は保護者に監護させることが不適当であると認められる児童で学校教育法に定める義務教育を終了したものを自己の家庭に預かり、又は自己の下に通わせて、保護し、その性能に応じ、独立自活に必要な指導をすることを希望する者であつて、都道府県知事が適当と認めるものをいう。以下同じ。)に委託し、又は乳児院、児童養護施設、知的障害児施設、知的障害児通園施設、盲ろうあ児施設、肢体不自由児施設、重症心身障害児施設、情緒障害児短期治療施設若しくは児童自立支援施設に入所させること。
 四 家庭裁判所の審判に付することが適当であると認める児童は、これを家庭裁判所に送致すること。

2 都道府県は、第四十三条の三又は第四十三条の四に規定する児童については、前項第三号の措置に代えて、国立療養所その他政令で定める医療機関であつて厚生労働大臣の指定するもの(以下「指定国立療養所等」という。)に対し、これらの児童を入所させて肢体不自由児施設又は重症心身障害児施設におけると同様な治療等を行うことを委託することができる。

3 都道府県知事は、少年法第十八条第二項の規定による送致のあつた児童につき、第一項の措置を採るにあたつては、家庭裁判所の決定による指示に従わなければならない。

4 第一項第三号又は第二項の措置は、児童に親権を行う者(第四十七条第一項の規定により親権を行う児童福祉施設の長を除く。以下同じ。)又は未成年後見人があるときは、前項の場合を除いては、その親権を行う者又は未成年後見人の意に反して、これを採ることができない。

5 第一項第三号の保護受託者に委託する措置は、あらかじめ、児童の同意を得、かつ、一年以内の期間を定めて、これを採らなければならない。

6 都道府県は、委託の期間が満了したときは、さらに、児童の同意を得、かつ、一年以内の期間を定めて、児童の保護を保護受託者に委託することができる。

7 都道府県知事は、第一項第二号若しくは第三号若しくは第二項の措置を解除し、停止し、若しくは他の措置に変更し、又は前項の措置を採る場合には、児童相談所長の意見を聴かなければならない。

8 都道府県知事は、政令の定めるところにより、第一項第一号から第三号までの措置(第三項の規定により採るもの及び第二十八条第一項第一号又は第二号ただし書の規定により採るものを除く。)若しくは第二項の措置を採る場合、第一項第二号若しくは第三号若しくは第二項の措置を解除し、停止し、若しくは他の措置に変更する場合又は第六項の措置を採る場合には、都道府県児童福祉審議会の意見を聴かなければならない。

9 都道府県は、義務教育を終了した児童であつて、第一項第三号に規定する措置のうち政令で定めるものを解除されたものその他政令で定めるものについて、当該児童の自立を図るため、政令で定める基準に従い、これらの者が共同生活を営むべき住居において相談その他の日常生活上の援助及び生活指導を行い、又は当該都道府県以外の者に当該住居において当該日常生活上の援助及び生活指導を行うことを委託する措置を採ることができる。


第二十七条の二
1 都道府県は、少年法第二十四条第一項第二号の保護処分の決定を受けた児童につき、当該決定に従つて児童自立支援施設に入所させる措置(保護者の下から通わせて行うものを除く。)又は児童養護施設に入所させる措置を採らなければならない。

2 前項に規定する措置は、この法律の適用については、前条第一項第三号の児童自立支援施設又は児童養護施設に入所させる措置とみなす。ただし、同条第四項及び第八項(措置を解除し、停止し、又は他の措置に変更する場合に係る部分を除く。)並びに第二十八条の規定の適用については、この限りでない。


第二十七条の三 都道府県知事は、たまたま児童の行動の自由を制限し、又はその自由を奪うような強制的措置を必要とするときは、第三十三条及び第四十七条の規定により認められる場合を除き、事件を家庭裁判所に送致しなければならない。

目次にもどる


第二十八条
1 保護者が、その児童を虐待し、著しくその監護を怠り、その他保護者に監護させることが著しく当該児童の福祉を害する場合において、第二十七条第一項第三号の措置を採ることが児童の親権を行う者又は未成年後見人の意に反するときは、都道府県は、次の各号の措置を採ることができる。

 一 保護者が親権を行う者又は未成年後見人であるときは、家庭裁判所の承認を得て、第二十七条第一項第三号の措置を採ること。

 二 保護者が親権を行う者又は未成年後見人でないときは、その児童を親権を行う者又は未成年後見人に引き渡すこと。ただし、その児童を親権を行う者又は未成年後見人に引き渡すことが児童の福祉のため不適当であると認めるときは、家庭裁判所の承認を得て、第二十七条第一項第三号の措置を採ること。

2 前項の承認は、家事審判法の適用に関しては、これを同法第九条第一項甲類に掲げる事項とみなす。

目次にもどる


第二十九条
 都道府県知事は、前条の規定による措置をとるため、必要があると認めるときは、児童委員又は児童の福祉に関する事務に従事する吏員をして、児童の住所若しくは居所又は児童の従業する場所に立ち入り、必要な調査又は質問をさせることができる。この場合においては、その身分を証明する証票を携帯させなければならない。

目次にもどる


第三十条
1 四親等内の児童以外の児童を、その親権を行う者又は未成年後見人から離して、自己の家庭(単身の世帯を含む。)に、三月(乳児については、一月)を超えて同居させる意思をもつて同居させた者又は継続して二月以上(乳児については、二十日以上)同居させた者(法令の定めるところにより児童を委託された者及び児童を単に下宿させた者を除く。)は、同居を始めた日から三月以内(乳児については、一月以内)に、市町村長を経て、都道府県知事に届け出なければならない。ただし、その届出期間内に同居をやめたときは、この限りでない。

2 前項に規定する届出をした者が、その同居をやめたときは、同居をやめた日から一月以内に、市町村長を経て、都道府県知事に届け出なければならない。

3 保護者は、経済的理由等により、児童をそのもとにおいて養育しがたいときは、児童相談所、福祉事務所、児童福祉司又は児童委員に相談しなければならない。


第三十条の二
 都道府県知事は、里親、保護受託者及び児童福祉施設の長並びに前条第一項に規定する者に、児童の保護について、必要な指示をし、又は必要な報告をさせることができる。

目次にもどる


第三十一条
1 都道府県等は、第二十三条第一項本文の規定により母子生活支援施設に入所した児童については、その保護者から申込みがあり、かつ、必要があると認めるときは、満二十歳に達するまで、引き続きその者を母子生活支援施設において保護することができる。

2 都道府県は、第二十七条第一項第三号の規定により児童養護施設、知的障害児施設(国の設置する知的障害児施設を除く。)、盲ろうあ児施設、情緒障害児短期治療施設又は児童自立支援施設に入所した児童については満二十歳に達するまで、同号の規定により国の設置する知的障害児施設に入所した児童についてはその者が社会生活に順応することができるようになるまで、引き続きその者をこれらの児童福祉施設に在所させる措置を採ることができる。

3 都道府県は、第二十七条第一項第三号の規定により肢体不自由児施設に入所した児童又は同条第二項の規定による委託により指定国立療養所等に入所した第四十三条の三に規定する児童については満二十歳に達するまで、第二十七条第一項第三号の規定により重症心身障害児施設に入所した児童又は同条第二項の規定による委託により指定国立療養所等に入所した第四十三条の四に規定する児童についてはその者が社会生活に順応することができるようになるまで、引き続きその者をこれらの児童福祉施設に在所させ、若しくは第二十七条第二項の規定による委託を継続し、又はこれらの措置を相互に変更する措置を採ることができる。

4 都道府県は、第二十七条第九項の措置を採つた児童については、満二十歳に達するまで、引き続きその者に援助を行い、又は同項に規定する委託を継続する措置を採ることができる。

5 前各項に規定する保護又は措置は、この法律の適用については、母子保護の実施又は第二十七条第一項第三号、第二項若しくは第九項に規定する措置とみなす。

6 第二項又は第三項の場合においては、都道府県知事は、児童相談所長の意見を聴かなければならない。

目次にもどる


第三十二条
1 都道府県知事は、第二十七条第一項、第二項又は第九項の措置を採る権限の全部又は一部を児童相談所長に委任することができる。

2 都道府県知事又は市町村長は、第二十一条の六第一項若しくは第二十一条の十第一項、第二項若しくは第四項の措置を採る権限又は保育の実施等の権限並びに第二十三条第一項ただし書及び第二十四条第一項ただし書に規定する保護の権限の全部又は一部を、それぞれその管理する福祉事務所の長に委任することができる。

目次にもどる


第三十三条
1 児童相談所長は、必要があると認めるときは、第二十六条第一項の措置をとるに至るまで、児童に一時保護を加え、又は適当な者に委託して、一時保護を加えさせることができる。

2 都道府県知事は、必要があると認めるときは、第二十七条第一項又は第二項の措置をとるに至るまで、児童相談所長をして、児童に一時保護を加えさせ、又は適当な者に、一時保護を加えることを委託させることができる。

3 前二項の規定による一時保護の期間は、当該一時保護を開始した日から二月を超えてはならない。

4 前項の規定にかかわらず、児童相談所長又は都道府県知事は、必要があると認めるときは、引き続き第一項又は第二項の規定による一時保護を行うことができる。


第三十三条の二
1 児童相談所長は、一時保護を加えた児童の所持する物であつて、一時保護中本人に所持させることが児童の福祉をそこなう虞があるものを保管することができる。

2 児童相談所長は、前項の規定により保管する物で、腐敗し、若しくは滅失する虞があるもの又は保管に著しく不便なものは、これを売却してその代価を保管することができる。

3 児童相談所長は、前二項の規定により保管する物について当該児童以外の者が返還請求権を有することが明らかな場合には、これをその権利者に返還しなければならない。

4 児童相談所長は、前項に規定する返還請求権を有する者を知ることができないとき、又はその者の所在を知ることができないときは、返還請求権を有する者は、六箇月以内に申し出るべき旨を公告しなければならない。

5 前項の期間内に同項の申出がないときは、その物は、当該児童相談所を設置した都道府県に帰属する。

6 児童相談所長は、一時保護を解除するときは、第三項の規定により返還する物を除き、その保管する物を当該児童に返還しなければならない。この場合において、当該児童に交付することが児童の福祉のため不適当であると認めるときは、これをその保護者に交付することができる。

7 第一項の規定による保管、第二項の規定による売却及び第四項の規定による公告に要する費用は、その物の返還を受ける者があるときは、その者の負担とする。


第三十三条の三
1 児童相談所長は、一時保護を加えている間に児童が逃走し、又は死亡した場合において、遺留物があるときは、これを保管し、且つ、前条第三項の規定により権利者に返還しなければならない物を除き、これを当該児童の保護者若しくは親族又は相続人に交付しなければならない。

2 前条第二項、第四項、第五項及び第七項の規定は、前項の場合に、これを準用する。


第三十三条の四
 都道府県知事、市町村長、福祉事務所長又は児童相談所長は、次の各号に掲げる措置又は保育の実施等を解除する場合には、あらかじめ、当該各号に定める者に対し、当該措置又は保育の実施等の解除の理由について説明するとともに、その意見を聴かなければならない。ただし、当該各号に定める者から当該措置又は保育の実施等の解除の申出があつた場合その他厚生労働省令で定める場合においては、この限りでない。
 一 第二十一条の十、第二十五条の二第二号、第二十六条第一項第二号並びに第二十七条第一項第二号及び第九項の措置 当該措置に係る児童の保護者
 二 助産の実施 当該助産の実施に係る妊産婦
 三 母子保護の実施及び保育の実施 当該母子保護の実施又は保育の実施に係る児童の保護者
 四 第二十七条第一項第三号及び第二項の措置 当該措置に係る児童の親権を行う者又はその未成年後見人


第三十三条の五
 第二十一条の十、第二十五条の二第二号、第二十六条第一項第二号若しくは第二十七条第一項第二号若しくは第三号、第二項若しくは第九項の措置を解除する処分又は保育の実施等の解除については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第三章(第十二条及び第十四条を除く。)の規定は、適用しない。


第三十三条の六
 児童の親権者が、その親権を濫用し、又は著しく不行跡であるときは、民法第八百三十四条の規定による親権喪失の宣告の請求は、同条に定める者のほか、児童相談所長も、これを行うことができる。


第三十三条の七
 児童相談所長は、親権を行う者及び未成年後見人のない児童について、その福祉のため必要があるときは、家庭裁判所に対し未成年後見人の選任を請求しなければならない。


第三十三条の八
 児童の未成年後見人に、不正な行為、著しい不行跡その他後見の任務に適しない事由があるときは、民法第八百四十六条の規定による未成年後見人の解任の請求は、同条に定める者のほか、児童相談所長も、これを行うことができる。

目次にもどる


第三十四条
1 何人も、次に掲げる行為をしてはならない。

一 身体に障害又は形態上の異常がある児童を公衆の観覧に供する行為

二 児童にこじきをさせ、又は児童を利用してこじきをする行為

三 公衆の娯楽を目的として、満十五歳に満たない児童にかるわざ又は曲馬をさせる行為

四 満十五歳に満たない児童に戸々について、又は道路その他これに準ずる場所で歌謡、遊芸その他の演技を業務としてさせる行為

四の二 児童に午後十時から午前三時までの間、戸々について、又は道路その他これに準ずる場所で物品の販売、配布、展示若しくは拾集又は役務の提供を業務としてさせる行為

四の三 戸々について、又は道路その他これに準ずる場所で物品の販売、配布、展示若しくは拾集又は役務の提供を業務として行う満十五歳に満たない児童を、当該業務を行うために、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和二十三年法律第百二十二号)第二条第四項の接待飲食等営業及び同条第六項の店舗型性風俗特殊営業に該当する営業を営む場所に立ち入らせる行為

五 満十五歳に満たない児童に酒席に侍する行為を業務としてさせる行為

六 児童に淫行をさせる行為

七 前各号に掲げる行為をするおそれのある者その他児童に対し、刑罰法令に触れる行為をなすおそれのある者に、情を知つて、児童を引き渡す行為及び当該引渡し行為のなされるおそれがあるの情を知つて、他人に児童を引き渡す行為

八 成人及び児童のための正当な職業紹介の機関以外の者が、営利を目的として、児童の養育をあつせんする行為

九 児童が四親等内の児童である場合及び児童に対する支配が正当な雇用関係に基づくものであるか又は家庭裁判所、都道府県知事又は児童相談所長の承認を得たものである場合を除き、児童の心身に有害な影響を与える行為をさせる目的をもつて、これを自己の支配下に置く行為

2 児童養護施設、知的障害児施設、知的障害児通園施設、盲ろうあ児施設、肢体不自由児施設又は児童自立支援施設においては、それぞれ第四十一条から第四十三条の三まで及び第四十四条に規定する目的に反して、入所した児童を酷使してはならない。


第三十四条の二
 この法律に定めるものの外、福祉の措置及び保障に関し必要な事項は、政令でこれを定める。

目次にもどる