道徳教育を進めるに当たっては,教師と児童生徒及び児童生徒相互の人間関係を深めるとともに,家庭や地域社会との連携を図りながら,ボランティア活動や自然体験活動などの豊かな体験を通して児童生徒の内面に根ざした道徳性の育成が図られるよう配慮しなければならない。その際,中学部においては,生徒が人間としての生き方についての自覚を深めるよう配慮する必要がある。

3  学校における体育・健康に関する指導は,学校の教育活動全体を通じて適切に行うものとする。特に,体力の向上及び心身の健康の保持増進に関する指導については,小学部の体育科及び中学部の保健体育科の時間はもとより,特別活動,自立活動などにおいてもそれぞれの特質に応じて適切に行うよう努めることとする。また,それらの指導を通して,家庭や地域社会との連携を図りながら,日常生活において適切な体育・健康に関する活動の実践を促し,生涯を通じて健康・安全で活力ある生活を送るための基礎が培われるよう配慮しなければならない。

4  学校における自立活動の指導は,障害に基づく種々の困難を改善・克服し,自立し社会参加する資質を養うため,学校の教育活動全体を通じて適切に行うものとする。特に,自立活動の時間における指導は,各教科,道徳,特別活動及び総合的な学習の時間と密接な関連を保ち,個々の児童又は生徒の障害の状態や発達段階等を的確に把握して,適切な指導計画の下に行うよう配慮しなければならない。

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第2  内容等の取扱いに関する共通的事項

1  第2章以下に示す各教科(中学部においては,必修教科とする。2において同じ。),道徳,特別活動及び自立活動の内容に関する事項は,特に示す場合を除き,いずれの学校においても取り扱わなければならない。
  学校において特に必要がある場合には,第2章以下に示していない内容を加えて指導することもできるが,その場合には,第2章以下に示す各教科,道徳,特別活動及び自立活動並びに各学年,各分野又は各言語(知的障害者を教育する養護学校においては,各教科,道徳,特別活動及び自立活動)の目標や内容の趣旨を逸脱したり,児童又は生徒の負担過重となったりすることのないようにしなければならない。

2  第2章以下に示す各教科,道徳,特別活動及び自立活動並びに各学年,各分野又は各言語の内容に掲げる事項の順序は,特に示す場合を除き,指導の順序を示すものではないので,学校においては,その取扱いについて適切な工夫を加えるものとする。

3  盲学校,聾学校及び肢体不自由者又は病弱者を教育する養護学校の小学部において,学年の目標及び内容を2学年まとめて示した教科の内容は,2学年間かけて指導する事項を示したものである。各学校においては,これらの事項を地域や学校及び児童の実態に応じ,2学年間を見通して計画的に指導することとし,特に示す場合を除き,いずれかの学年に分けて指導したり,いずれの学年においても指導したりするものとする。

4  知的障害者を教育する養護学校においては,各教科(小学部においては各教科の各段階)に示す内容を基に,児童又は生徒の知的発達の遅滞の状態や経験等に応じて,具体的に指導内容を設定するものとする。

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第3  選択教科の内容等の取扱い

1  盲学校,聾学校及び肢体不自由者又は病弱者を教育する養護学校の中学部における選択教科については,次のとおり取り扱うものとする。
(1)  各学校においては,学校や生徒の実態を考慮し,必修教科や総合的な学習の時間などとの関連を図りつつ,選択教科の授業時数及び内容を適切に定め,選択教科の指導計画を作成すること。
(2)  選択教科の内容については,第2章の各教科に示すように課題学習,補充的な学習や発展的な学習など,生徒の障害の状態や特性等に応じた多様な学習活動が行えるよう各学校において適切に定めること。その際,生徒の負担過重となることのないようにしなければならない。
(3)  生徒に履修させる選択教科の数は,第2学年においては1以上,第3学年においては2以上とし,生徒の障害の状態,特性等を十分考慮して,それぞれの生徒に適した選択教科を履修させること。
(4)  各学校において開設することができる選択教科の種類は,各学年とも第2章に示す各教科とすること。

2  知的障害者を教育する養護学校の中学部における外国語については,学校や生徒の実態を考慮し,必要に応じて設けることができる。

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第4  総合的な学習の時間の取扱い

1  総合的な学習の時間においては,各学校は,地域や学校の実態,児童又は生徒の障害の状態や発達段階等に応じて,横断的・総合的な学習や児童又は生徒の興味・関心等に基づく学習など創意工夫を生かした教育活動を行うものとする。

2  総合的な学習の時間においては,次のようなねらいをもって指導を行うものとする。
(1)  自ら課題を見付け,自ら学び,自ら考え,主体的に判断し,よりよく問題を解決する資質や能力を育てること。
(2)  学び方やものの考え方を身に付け,問題の解決や探究活動に主体的,創造的に取り組む態度を育て,自己の生き方を考えることができるようにすること。

3  各学校においては,2に示すねらいを踏まえ,例えば国際理解,情報,環境,福祉・健康などの横断的・総合的な課題,児童又は生徒の興味・関心に基づく課題,地域や学校の特色に応じた課題などについて,学校の実態に応じた学習活動を行うものとする。

4  各学校における総合的な学習の時間の名称については,各学校において適切に定めるものとする。

5  総合的な学習の時間の学習活動を行うに当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1)  自然体験やボランティア活動などの社会体験,観察・実験,見学や調査,発表や討論,ものづくりや生産活動,交流活動など体験的な学習,問題解決的な学習を積極的に取り入れること。
(2)  グループ学習や異年齢集団による学習などの多様な学習形態,地域の人々の協力も得つつ全教師が一体となって指導に当たるなどの指導体制,地域の教材や学習環境の積極的な活用などについて工夫すること。
(3)  小学部において,国際理解に関する学習の一環としての外国語会話等を行うときは,学校の実態等に応じ,児童が外国語に触れたり,外国の生活や文化などに慣れ親しんだりするなど小学部段階にふさわしい体験的な学習が行われるようにすること。

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第5  重複障害者等に関する特例


1  障害の状態により学習が困難な児童又は生徒について特に必要がある場合には,次に示すところによるものとする。

(1)  各教科の目標及び内容に関する事項の一部を取り扱わないことができること。
(2)  各教科の各学年の目標及び内容の全部又は一部を,当該学年の前各学年の目標及び内容の全部又は一部によって,替えることができること。
(3)  中学部の各教科の目標及び内容に関する事項の全部又は一部を,当該各教科に相当する小学部の各教科の目標及び内容に関する事項の全部又は一部によって,替えることができること。
(4)  幼稚部教育要領に示す各領域のねらい及び内容の一部を取り入れることができること。

2  当該学校に就学することとなった障害以外に他の障害を併せ有する児童又は生徒(以下「重複障害者」という。)を教育する場合には,次に示すところによるものとする。

(1)  盲学校,聾学校又は肢体不自由者若しくは病弱者を教育する養護学校に就学する児童又は生徒のうち,知的障害を併せ有する者については,各教科又は各教科の目標及び内容に関する事項の一部を,当該各教科に相当する第2章第1節第2款若しくは第2節第2款に示す各教科又は各教科の目標及び内容の一部によって,替えることができること。なお,この場合,小学部の児童については,総合的な学習の時間を設けないことができること。
(2)  重複障害者のうち,学習が著しく困難な児童又は生徒については,各教科,道徳若しくは特別活動の目標及び内容に関する事項の一部又は各教科若しくは総合的な学習の時間に替えて,自立活動を主として指導を行うことができること。

3  障害のため通学して教育を受けることが困難な児童又は生徒に対して,教員を派遣して教育を行う場合については,上記1又は2に示すところによることができるものとする。

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第6  授業時数等の取扱い

1  小学部又は中学部の各学年における総授業時数は,小学校又は中学校の各学年における総授業時数に準ずるものとする。この場合,各教科,道徳,特別活動(学級活動(学校給食に係るものを除く。)に限る。5及び7において同じ。)及び自立活動の目標及び内容並びに総合的な学習の時間のねらいを考慮し,それぞれの年間の授業時数を適切に定めるものとする。

2  小学部又は中学部の各学年の自立活動の時間に充てる授業時数は,児童又は生徒の障害の状態に応じて,適切に定めるものとする。

3  小学部又は中学部の各学年の総合的な学習の時間に充てる授業時数は,児童又は生徒の障害の状態や発達段階等を考慮して,盲学校,聾学校及び肢体不自由者又は病弱者を教育する養護学校については,小学部第3学年以上及び中学部において,知的障害者を教育する養護学校については,中学部において,それぞれ適切に定めるものとする。

4  重複障害者,療養中の児童若しくは生徒又は教員を派遣して教育を行う場合について,特に必要があるときは,実情に応じた授業時数を適切に定めるものとする。

5  小学部又は中学部の各教科,道徳,特別活動,自立活動及び総合的な学習の時間(以下「各教科等」という。)の授業は,年間35週(小学部第1学年については34週)以上にわたって行うように計画し,週当たりの授業時数が児童又は生徒の負担過重にならないようにするものとする。ただし,各教科等(中学部においては,特別活動を除く。)や学習活動の特質に応じ効果的な場合には,これらの授業を特定の期間に行うことができる。なお,給食,休憩などの時間については,学校において工夫を加え,適切に定めるものとする。

6  特別活動の授業のうち,小学部の児童会活動及びクラブ活動,中学部の生徒会活動並びに学校行事については,それらの内容に応じ,年間,学期ごと,月ごとなどに適切な授業時数を充てるものとする。

7  小学部又は中学部の各教科等のそれぞれの授業の1単位時間は,各学校において,児童又は生徒の障害の状態や発達段階及び各教科等や学習活動の特質を考慮して適切に定めるものとする。

8  各学校においては,地域や学校,児童又は生徒の実態,各教科等や学習活動の特質に応じて,創意工夫を生かし時間割を弾力的に編成することに配慮するものとする。

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第7  指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項

1  各学校においては,次の事項に配慮しながら,学校の創意工夫を生かし,全体として,調和のとれた具体的な指導計画を作成するものとする。

(1)  各教科等及び各学年相互間の関連を図り,系統的,発展的な指導ができるようにすること。
(2)  盲学校,聾学校及び肢体不自由者又は病弱者を教育する養護学校の小学部において,学年の目標及び内容を2学年まとめて示した教科については,当該学年間を見通して,地域や学校及び児童の実態に応じ,その障害の状態や発達段階を考慮しつつ,効果的,段階的に指導するようにすること。
(3)  各教科の各学年,各分野又は各言語の指導内容については,そのまとめ方や重点の置き方に適切な工夫を加えるとともに,教材等の精選を図り,効果的な指導ができるようにすること。
(4)  小学部においては,児童の実態等を考慮し,指導の効果を高めるため,合科的・関連的な指導を進めること。
(5)  重複障害者の指導に当たっては,個々の児童又は生徒の実態を的確に把握し,個別の指導計画を作成すること。
(6)  開かれた学校づくりを進めるため,地域や学校の実態等に応じ,家庭や地域の人々の協力を得るなど家庭や地域社会との連携を深めること。また,学校相互の連携や交流を図ることにも努めること。特に,児童又は生徒の経験を広めて積極的な態度を養い,社会性や豊かな人間性をはぐくむために,学校の教育活動全体を通じて,小学校の児童又は中学校の生徒及び地域の人々などと活動を共にする機会を積極的に設けるようにすること。


2  以上のほか,次の事項に配慮するものとする。

(1)  学校の教育活動全体を通じて,個に応じた指導を充実するため,指導方法や指導体制の工夫改善に努めること。その際,児童又は生徒の障害の状態や学習の進度等を考慮して,個別指導を重視するとともに,授業形態や集団の構成の工夫,教師の協力的な指導などにより,学習活動が効果的に行われるようにすること。
(2)  学校生活全体を通して,言語に対する関心や理解を深め,言語環境を整え,児童又は生徒の言語活動が適正に行われるようにすること。
(3)  各教科等の指導に当たっては,体験的な学習や問題解決的な学習を重視するとともに,児童又は生徒の興味・関心を生かし,自主的,自発的な学習が促されるよう工夫すること。
(4)  教師と児童生徒の信頼関係及び児童生徒相互の好ましい人間関係を育てるとともに児童生徒理解を深め,生徒指導の充実を図ること。また,中学部においては,生徒が自らの生き方を考え主体的に進路を選択することができるよう,学校の教育活動全体を通じ,計画的,組織的な進路指導を行うこと。
(5)  小学部の各教科等の指導に当たっては,児童が学習課題や活動を選択したり,自らの将来について考えたりする機会を設けるなど工夫すること。また,中学部においては,生徒が学校や学級での生活によりよく適応するとともに,現在及び将来の生き方を考え行動する態度や能力を育成することができるよう,学校の教育活動全体を通じ,ガイダンスの機能の充実を図ること。
(6)  海外から帰国した児童又は生徒などについては,学校生活への適応を図るとともに,外国における生活経験を生かすなど適切な指導を行うこと。
(7)  各教科等の指導に当たっては,児童又は生徒がコンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段に慣れ親しみ,それを積極的に活用できるようにするための学習活動の充実に努めるとともに,視聴覚教材や教育機器などの教材・教具の適切な活用を図ること。なお,児童又は生徒の障害の状態や特性等に即した教材・教具を創意工夫し,それらを活用して指導の効果を高めるようにすること。
(8)  学校図書館を計画的に利用しその機能の活用を図り,児童又は生徒の主体的,意欲的な学習活動や読書活動を充実すること。
(9)  児童又は生徒のよい点や進歩の状況などを積極的に評価するとともに,指導の過程や成果を評価し,指導の改善を行い学習意欲の向上に生かすようにすること。
(10)  学校医等との連絡を密にし,児童又は生徒の障害の状態に応じた保健及び安全に十分留意すること。
(11)  家庭,児童福祉施設,医療機関等との連携を密にし,指導の効果をあげるよう努めること。
(12)  地域の実態や家庭の要請等により,障害のある児童若しくは生徒又はその保護者に対して教育相談を行うなど,各学校の教師の専門性や施設・設備を生かした地域における特殊教育に関する相談のセンターとしての役割を果たすよう努めること。

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第2章  各  教  科


第1節  小  学  部  (省略)

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第2節  中  学  部


第1款  盲学校,聾学校及び肢体不自由者
      又は病弱者を教育する養護学校


1  各教科の目標,各学年,各分野又は各言語の目標及び内容並びに指導計画の作成と内容の取扱いについては,中学校学習指導要領第2章第1節から    第9節までに示すものに準ずるものとする。
  指導計画の作成と内容の取扱いに当たっては,生徒の障害の状態や特性等を十分考慮するとともに,第2章第1節第1款において特に示している事項に配慮するものとする。

2  学校教育法施行規則第73条の8第3項のその他特に必要な教科は,地域や学校の実態及び生徒の特性等を考慮して,特に必要がある場合に設けることができる。この場合においては,各学校が,名称,目標,内容などについて適切に定めるものとする。

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第2款  知的障害者を教育する養護学校 


第1  各教科の目標及び内容

[国  語]

1  目  標
  日常生活に必要な国語についての理解を深め,表現する能力と態度を育てる。

2  内  容
(1)  話の内容を大体聞き取る。
(2)  見聞きしたことなどを相手に分かるように話す。
(3)  簡単な語句,文及び文章などを正しく読む。
(4)  簡単な手紙や日記などの内容を順序立てて書く。

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[社  会]

1  目  標
  社会の様子,働きや移り変わりについての関心と理解を深め,社会生活に必要な基礎的な能力と態度を育てる。

2  内  容
(1)  集団生活に慣れ,自分の意見を述べたり,相手の立場を考えたりして,互いに協力し合う。
(2)  社会生活に必要ないろいろなきまりがあることを知り,それらを守る。
(3)  日常生活に関係の深い公共施設や公共物などの働きが分かり,それらを利用する。
(4)  日常生活で経験する社会の出来事に興味や関心をもち,生産,消費などの経済活動に関する初歩的な事柄を理解する。
(5)  自分が住む地域を中心に,我が国のいろいろな地域の様子や社会の移り変わりに関心をもつ。
(6)  外国の様子や世界の出来事などに興味や関心をもつ。

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[数  学]

1  目  標
  日常生活に必要な数量や図形などに関する初歩的な事柄についての理解を深め,それらを扱う能力と態度を育てる。

2  内  容
(1)  初歩的な数量の処理や計算をし,日常生活の中で使う。
(2)  長さ・重さなどの単位が分かり,測定する。
(3)  図形の特徴や図表の内容を理解し,作成したりする。
(4)  金銭や時計・暦の使い方に慣れる。

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[理  科]

1  目  標
  日常生活に関係の深い自然の仕組みや働きに関する初歩的な事柄についての理解を図り,自然を愛する豊かな心情を培う。

2  内  容
(1)  人の体の主なつくりや働きに関心をもつ。
(2)  身近な生物の成長及び活動の様子に関心をもつ。
(3)  身近な事物や機械・器具の仕組みと扱いについての初歩的な知識をもつ。
(4)  自然の事物・現象についての興味を広げ,日常生活との関係を知る。

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[音  楽]
1  目  標
  表現及び鑑賞の能力を培い,音楽についての興味や関心を深め,生活を明るく楽しいものにする態度と習慣を育てる。

2  内  容
(1)  いろいろな音楽を楽しく聴く。
(2)  音楽を聴いて感じたことを動作で表現したり,リズムに合わせて身体表現をしたりする。
(3)  打楽器や旋律楽器を使って,自由に演奏したり,合奏や独奏をしたりする。
(4)  歌詞やリズムなどに気を付けて,独唱,斉唱,簡単な輪唱などをする。

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[美  術]

1  目  標
  造形活動によって,表現及び鑑賞の能力を培い,豊かな情操を養う。

2  内  容
(1)  経験や想像をもとに,計画を立てて,かいたり,つくったり,飾ったりする。
(2)  いろいろな材料や用具などの扱い方を理解して使う。
(3)  自然や造形品の美しさに親しみをもつ。

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[保健体育]
1  目  標
  適切な運動の経験や健康・安全についての理解を通して,健康の保持増進と体力の向上を図るとともに,明るく豊かな生活を営む態度を育てる。

2  内  容
(1)  体つくり運動,簡単なスポーツ,ダンスなどの運動をする。
(2)  きまりや簡単なルールなどを守り,互いに協力して安全に運動をする。
(3)  自分の発育・発達に関心をもったり,健康・安全に関する初歩的な事柄を理解したりする。

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[職業・家庭]
1  目  標
  明るく豊かな職業生活や家庭生活が大切なことに気付くようにするとともに,職業生活及び家庭生活に必要な基礎的な知識と技能の習得を図り,実践的な態度を育てる。

2  内  容
(1)  働くことに関心をもち,働く喜びを味わい,作業や実習に参加する。
(2)  職業に就くためには,基礎的な知識と技能が必要であることを理解する。
(3)  道具や機械の使い方などが分かり,安全に作業や実習をする。
(4)  自分の役割を理解し,他の者と協力して作業や実習をする。
(5)  産業現場等における実習を通して,いろいろな職業や職業生活,進路に関心をもつ。
(6)  家族がそれぞれの役割を分担していることを理解し,楽しい家庭づくりをするために協力する。
(7)  家庭生活に必要な被服,食物,住居などに関する基礎的な知識と技能を身に付ける。
(8)  職業生活や家庭生活で使われる情報機器等の初歩的な扱いに慣れる。
(9)  余暇を有効に過ごすための方法を知り,生活に生かす。

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[外国語]

1  目  標
  外国語に親しみ,簡単な表現を通して,外国語や外国への関心を育てる。

2  内  容
英  語
(1)  アルファベットや簡単な語に興味や関心をもつ。
(2)  簡単な英語の表現に興味や関心をもつ。
(3)  簡単な英語を使って表現する。

その他の外国語
  その他の外国語の内容については,英語に準ずるものとする。

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[その他特に必要な教科]
  学校教育法施行規則第73条の8第3項のその他特に必要な教科は,地域や学校の実態及び生徒の特性等を考慮して,特に必要がある場合に設けることができる。この場合においては,各学校が,名称,目標,内容などについて適切に定めるものとする。

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第2  指導計画の作成と各教科全体及び各教科の内容の取扱い

1  指導計画の作成に当たっては,生徒の知的発達の遅滞の状態や経験等を考慮しながら,実際に指導する内容を選定し,配列して,効果的な指導を行うことができるよう配慮するものとする。

2  各教科,道徳,特別活動及び自立活動の全部又は一部を合わせて指導計画を作成するに当たっては,個々の生徒の実態に即して,生活に結び付いた学習活動が展開できるよう配慮するものとする。

3  生徒の実態に即して学習環境を整えるなど,安全に留意するものとする。

4  家庭等との連携を図り,生徒が学習の成果を実際の生活に生かすことができるよう配慮するものとする。

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第3章  道    徳

  小学部の道徳の目標,内容及び指導計画の作成と各学年にわたる内容の取扱いについては小学校学習指導要領第3章,中学部の道徳の目標,内容及び指導計画の作成と内容の取扱いについては中学校学習指導要領第3章に示すものに準ずるほか,それぞれ次に示すところによるものとする。

1  児童又は生徒の障害に基づく種々の困難を改善・克服して,強く生きようとする意欲を高め,明るい生活態度を養うとともに,健全な人生観の育成を図る必要があること。

2  各教科,特別活動,自立活動及び総合的な学習の時間との関連を密にしながら,経験の拡充を図り,豊かな道徳的心情を育て,広い視野に立って道徳的判断や行動ができるように指導する必要があること。

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第4章  特別活動

  小学部又は中学部の特別活動の目標,内容及び指導計画の作成と内容の取扱いについては,それぞれ小学校学習指導要領第4章又は中学校学習指導要領第4章に示すものに準ずるほか,次に示すところによるものとする。

1  学級活動においては,適宜他の学級や学年と合併するなどして,少人数からくる種々の制約を解消し,活発な集団活動が行われるようにする必要があること。

2  児童又は生徒の経験を広めて積極的な態度を養い,社会性や豊かな人間性をはぐくむために,集団活動を通して小学校の児童又は中学校の生徒及び地域の人々などと活動を共にする機会を積極的に設けるようにする必要があること。その際,児童又は生徒の障害の状態や特性等を考慮して,活動の種類や時期,実施方法等を適切に定めること。

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第5章  自立活動


第1  目    標
  個々の児童又は生徒が自立を目指し,障害に基づく種々の困難を主体的に改善・克服するために必要な知識,技能,態度及び習慣を養い,もって心身の調和的発達の基盤を培う。

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第2  内    容

1  健康の保持
(1)  生活のリズムや生活習慣の形成に関すること。
(2)  病気の状態の理解と生活管理に関すること。
(3)  損傷の状態の理解と養護に関すること。
(4)  健康状態の維持・改善に関すること。

2  心理的な安定
(1)  情緒の安定に関すること。
(2)  対人関係の形成の基礎に関すること。
(3)  状況の変化への適切な対応に関すること。
(4)  障害に基づく種々の困難を改善・克服する意欲の向上に関すること。

3  環境の把握
(1)  保有する感覚の活用に関すること。
(2)  感覚の補助及び代行手段の活用に関すること。
(3)  感覚を総合的に活用した周囲の状況の把握に関すること。
(4)  認知や行動の手掛かりとなる概念の形成に関すること。

4  身体の動き
(1)  姿勢と運動・動作の基本的技能に関すること。
(2)  姿勢保持と運動・動作の補助的手段の活用に関すること。
(3)  日常生活に必要な基本動作に関すること。
(4)  身体の移動能力に関すること。
(5)  作業の円滑な遂行に関すること。

5  コミュニケーション
(1)  コミュニケーションの基礎的能力に関すること。
(2)  言語の受容と表出に関すること。
(3)  言語の形成と活用に関すること。
(4)  コミュニケーション手段の選択と活用に関すること。
(5)  状況に応じたコミュニケーションに関すること。

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第3  指導計画の作成と内容の取扱い

1  自立活動の指導に当たっては,個々の児童又は生徒の障害の状態や発達段階等の的確な把握に基づき,指導の目標及び指導内容を明確にし,個別の指導計画を作成するものとする。その際,第2に示す内容の中からそれぞれに必要とする項目を選定し,それらを相互に関連付け,特に次の事項に配慮して,具体的に指導内容を設定するものとする。
(1)  個々の児童又は生徒について,長期的及び短期的な観点から指導の目標を設定し,それらを達成するために必要な指導内容を段階的に取り上げること。
(2)  児童又は生徒が興味をもって主体的に取り組み,成就感を味わうことができるような指導内容を取り上げること。
(3)  児童又は生徒が,障害に基づく種々の困難を改善・克服しようとする意欲を高めることができるような指導内容を重点的に取り上げること。
(4)  個々の児童又は生徒の発達の進んでいる側面を更に伸ばすことによって,遅れている側面を補うことができるような指導内容も取り上げること。

2  指導計画の作成に当たっては,各教科,道徳,特別活動及び総合的な学習の時間の指導と密接な関連を保つようにし,組織的,計画的に指導が行われるようにするものとする。

3  個々の児童又は生徒の実態に応じた具体的な指導方法を創意工夫し,意欲的な活動を促すようにするものとする。

4  重複障害者のうち自立活動を主として指導を行うものについては,全人的な発達を促すために必要な基本的な指導内容を,個々の児童又は生徒の実態に応じて設定し,系統的な指導が展開できるようにするものとする。

5  自立活動の時間における指導は,専門的な知識や技能を有する教師を中心として,全教師の協力の下に効果的に行われるようにするものとする。

6  児童又は生徒の障害の状態により,必要に応じて,専門の医師及びその他の専門家の指導・助言を求めるなどして,適切な指導ができるようにするものとする。

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