ストーリー 16世紀。一座を逃げ出し漢陽へとたどり着いた、旅芸人のチャンセンとコンギルは、暴君と噂される王ヨンサングンを揶揄する芝居をして評判になるが、王の側近にそれを見られ…。
コメント 王を笑わせた凄い「芸」ってなんだろうと思ったら、これがとんでもないシモネタ。 こんな芸で笑う王も王。 映画に入り込めずに中盤までいたのだけど、これからがこの映画の凄い所。 「笑い」によって王がどんどん壊れていく。 なにしろ「芸」を一つ披露するたびに、人が殺されていくのだから。 鬱屈された王の思いがどんなものか、笑いの陰にひそむものが見えてきて、壊れていく王の心もまた痛いほど分かってくるのだ。 と同時にチャンセン。彼の芸ってシモネタばっかりだと思っていたのだが、逆境に陥るほど輝いてくる芸風。権力に対して痛烈に皮肉る。それと同時にコンギルに対する思いがそこで見えてくる。 二人の思いは何だったのだろうか。同性愛なのか、友情なのか。それまで分からずにいたのだが、王の前で最後の芸を披露しているときに「芸の相棒」と言う言葉を聞いて、二人の思いが何であったのか分かるのだ。 チャンセンが芸に対してどれほどの愛情を持っていたか。同時に相方に対する愛情もひしひしと伝わってくる。 命を賭けた綱渡りのシーンは涙、涙。さすが韓国映画は「ツボ」を心得ている、と思った。
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