あるがままに・そのままに

—鬱陶しい亭主の場合—

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第87話 これをこうすればあれはそうなる

第87話 これをこうすればあれはそうなる
 
 これをこうすればあれはそうなる。預金を引き出せば通帳の残高が減るように誰もが認める因果律だ。とはいえお金の出し入れのように乾燥しきった単純なことはともかくとして何事か結果に影響する諸般の条件のすべてを把握できるかというと水気が多い複雑な世界でそれは至難。厳しい。
 だからこれをこうすればあれはそうなるはずだったのにそうなってくれてなくてボクちゃんはほとほと困っちゃったにゃあ・・・・ってことになりがち。
 期待と結末が違うなんてことは人生の中において日常茶飯事。いくらでも経験があることなのにそれでも期待外れの結末を迎えると怒ったり悲しんだり疲れ果てたりというのが人の性でもありますな。いったい何をしに生まれてきたのかよくわかりませんよ。
 先日のことPCに新規デバイスを追加しようとして悪戦苦闘すること丸二日。大のオトナがチマチマと何やってんでしょうねぇと見えるようなことをしてたわけですがそれも道楽だからしょうがないです。
 取り付けようとしていたデバイスはデスクトップPCにノートパソコンでよく使われるPCカードを扱わせようとするもの。それがうまく動かない。まったく動かないならさっさと初期不良返品なのだがまともに動いたその次に動かなかったりするから運の尽き。どこかおかしなところが解消されれば常にまともに動くはず・・・・って期待してしまった。
 思いつくだけ・できるだけの手を打ってやった。それでどうなったかというと結局のところそのデバイスの挙動不審は解消できずに取り外すことになってしまった。
 PC本体はどうなったかというとOSの再インストールまでやってしまったので真っ白な状態になってしまった。すべてのアプリケーションもドライバもデータも入れ直すはめになった。
 自分が所有するPCに対してこういうことをするのは当然ながら自己責任だ。そして自分のPCに対してそれをするもしないも判断するのは自分しかいないので決断力なり抑制力なりを働かせる自己管理も必要だ。
 しかし。ここが肝心だ。
 自己責任なり自己管理なりは詰まるところ失敗のおそれを暗黙の大前提にしているのだろうが失敗を確実に予期できるほどの諸条件をあらかじめ知ることは冒頭に書いたとおり困難だ。すなわち失敗から学んだ何事かを自己責任や自己管理の名の下に将来の糧とすることはあるべき姿であるように見えて実は絵空事にも近い難事なのだ。
 というわけで最終的に私はPCの買い替えを決意したよ。もう仕様そのものが古いわ。鼻歌交じりで始めたデバイスの取り付け一つでよもやPC買い替えに突き進むなんて思いもしなかったよ。
 今度のはNECの水冷のパソコンにする。前々から気になってはいたがいろいろな意味でまだまだ早過ぎるだろうという気分だったところ今回の一件で強く背中を押された。
 ほいでもって今度のマシンにはPCカードスロットが最初から付いてるでやんの。PCカードスロットの取り付けなんぞで苦労しちゃったボクちゃんは大バカじゃん。まったく先が見えてないよ。でもこれでまた通帳の残高が減るよ。それだけは確実だよね。
 

2004/08/26