あるがままに・そのままに

—鬱陶しい亭主の場合—

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第69話 因果なミミズの新年会は年末ジャンボで安泰か

第69話 因果なミミズの新年会は年末ジャンボで安泰か
 
 何となく気の早い忘年会が続いてます。少々栄養が付き過ぎました。
 しかしまあよくもこんなに世の中食糧がありますねぇ。しかも毎日毎日よくも食べ続けてますねぇ。毎日食べているのに食べることによくも飽きないもんです。大したもんですよ。本当に。
 さて。
 動物は単純に見れば一本の管であるという話があります。口から入ったものを消化して排泄する一本の管である。身近な生き物だとミミズが典型的でしょうか。
 おそらくミミズも地面の下で毎日毎日食べ続けていることでしょう。よくも毎日食べ続けて飽きないもんですね。
 もちろん食べることに飽きたりしませんよね。食べるということは動物が生きて行くための必須の行為ですからこれは何が何でも食べねばなりません。
 空腹をまったく感じないとかいくらでも我慢できるとかになってしまうと生命の持続ができませんからそういうことは生き物の仕組みとしてあり得ないでしょう。何が何でも食べるように駆り立てる力が働いてます。これはとても強い力で大病でも患わない限り食欲がなくなるなんてことはないでしょう。
 そういう意味で我々はミミズと何ら異なることがありませんね。忘年会で飲み食いしているのは人の形をしたミミズだよ。
 ・・・・ごめんなさい。ちょっと強引な引き付け方でした。確かに我々はミミズじゃありません。何がミミズと一番違うかというと「不安」があるってことじゃないでしょうか。
 この世で怖いものの筆頭は「食えなくなる」ってことでしょうか。食えなくなるのは死ぬより怖い。順序が逆のようですがそんなもんでしょう。皆さんも何となく漠然とした不安を抱えていませんか?
 この不安というやつがこれまた厄介でどんなに社会保障制度を整えても解消されることはないだろうと私は思っています。なぜなら不安も生命維持のために人に用意された強力な仕組みの一つだと思うからです。
 人には何が何でも生命を維持し続けようと駆り立てる仕組みが二重三重四重五重に組み込まれているんでしょうね。生命維持の仕組みが屋上に屋を架すようにすこぶる過剰に用意されているってのが人の強みでもあり弱みでもあります。生きるための仕組みに振り回されて生きていることに疲れ果てるときがあるわけですから実に因果なものです。
 で。
 年末ジャンボ宝くじの季節になりました。一攫千金前後賞合わせて夢の三億円! これが一発当たればその人の年齢によっては文字通り死ぬまで食うに困らないでしょうね。
 そんなわけで人の形をしたミミズが年明けに安心して新年会を楽しみたいとなれば年末ジャンボを買いに行こうよってことなわけです。
 もちろん当たる確立なんて極めて小さいでしょうね。そうでなきゃ三億円なんて賞金は用意できないですよ。でももしかしたら・・・・なんて思うところも人の因果なところってわけで。
 

2003/12/08