あるがままに・そのままに

—鬱陶しい亭主の場合—

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第821話 身の振り方なりビジョンなり

第821話 身の振り方なりビジョンなり
 
 先日の成人の日。晴れ着を着付けに出かけたら着物を預けていたお店が夜逃げしていてもぬけの殻。それがわりと大きな企業だったようで。どうしようもなく晴れの日を泣き暮らしたお嬢さんが多数と。そんな報道を目にしました。御気の毒に。せめて前払いしたお金くらいは戻ってくるといいでしょうけど。どうですかね……無理だろうなぁ。
 こんなふうに多数のお客様や取引先様に大迷惑をかけて倒れる企業は多いですよね。一般向けにいちいち報道されていないだけで日常茶飯事。かく言う私も事業をやめた口です。ただし余力のあるうちに廃業しましたからどこにも迷惑をかけませんでした。
 自転車操業の企業を上手にやめるには周到な準備が要ります。しかし周到な準備なんてたいていの場合にしないですよね。そんな準備はしたくないですから。
 我が身のことを振り返っても思いますもの。ここでやめたら今までの苦労や投資が水の泡だって。全部失ってマイナスからやりなおしだって。いずれ事態は好転するかもしれないし。そうなったときに後悔するではないかと。もっと我慢しようと。耐えていこうと――おおよそそんな思いに囚われるものですからたとえ苦しい経営状態でも容易にやめられません。そんなこんなで無理を重ねて踏ん張っているうちに余力なんて使い切ってマイナスになっていて借金まみれで倒れたくても倒れられなくなっていて。それでいよいよ倒れるときは大変なことになっている。やれやれ。
 今回の経営者を擁護しようとはさらさら思いませんが。でも事業のやめどきって難しいものですよ。せめて廃業後の身の振り方なり将来のビジョンなりがあるとすんなりやめられるんですけど。でもその身の振り方なりビジョンなりがね。もうね。それがまた難しいときていますから。
 話が跳んで恐縮ですけど。ああしたいこうありたいといくら願っても条件がうまく揃わないと決して実現しない。これはいやだ勘弁してくれといくら恐れても条件が揃ってしまえば実現してしまう。こちらの力を超えたものを揃えるって無理ですもんね。何もかも因果であり縁起でありますね。つまらん話ですけどご参考までに。
 

2018/01/18

ついでに一言
 
 この世界はすでに何もかも起こり終えて終わっている・過去も未来も見えていないだけで実は目の前にある・私はすでに死んでいる――そう考えますけど見えていないから私は覚者ではないしありきたりの話しかできないのですよ。
 


おまけにもう一言
 
 年末ジャンボは案の定で末等の300円。今年はスタバに行きました。