あるがままに・そのままに

—鬱陶しい亭主の場合—

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第814話 さるべき業縁のもよおせば

第814話 さるべき業縁のもよおせば
 
 築30年のアパートの一室にバラバラ死体が9人分。レザーフェイスかジェイソンか。まるでホラー映画かと思われる事件が報道されています。いろいろとおどろおどろしい事件ですが……ウーン。これは理解はできないかな。つーか理解したくないな。
 無理に理解しようとすれば。自殺志願で殺してもらおうなんて考えて男の部屋に単身で乗り込むのは殺されるおそれがあって危険ですとか……何を言っているのでしょうか。死体の始末は手に余るので事前に入念な準備をしておきましょうとか……ってことになるのですか?
 笑えない話ではありますね。
 で。ふと思い出したのが親鸞さんのお言葉。お弟子さんとの会話。
親鸞さん  「人を百人殺せば極楽往生できるとしたらお前は殺すか?」
お弟子さん 「とても私にそんなことはできません」
親鸞さん  「そうだろう。でも人を殺せないのは自分が良い人だからではない。そうする業縁がないからにすぎない。そうする業縁が来てしまえばどんな非道なこともすることになるだろう」
 
 さるべき業縁のもよおせばいかなるふるまいもすべし
 
 殺された方も殺した方も。その身に来るべきものが来てしまったのですよ。
 殺された方はバカだ迂闊だとか。殺した方はサイコなド畜生だとか。そうかもしれない。けど本質はそうじゃない。どちらにもそうなる未来が来てしまったのですよ。
 そういうことなんだろうねと思わされた事件であります。
 

2017/11/03

ついでに一言
 
 人は未来を選べません。
 


おまけにもう一言
 
 右か左か迷うことさえ自由ではないのです。