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—鬱陶しい亭主の場合—

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第695話 感想 アニメ『KING of THORN いばらの王』

第695話 感想 アニメ『KING of THORN いばらの王』
 
 コミック『いばらの王』を原作とする劇場版アニメーション映画『KING of THORN いばらの王』です。原作のあの仕掛けをアニメがどう料理するか興味がありまして見てみました。結果はまるで別物。ですがこれはこれで良く出来た作品だなと。
 原作の何が凄いかといえば。読者があの仕掛けを誤解していようが理解していようがどちらであってもそれなりに楽しめてしまうことです。あのドヤ顔の見開きラストシーンがそれぞれの読者にどう見えるか。それが原作の仕掛けです。大したものです。
 一方の映画版ですが。原作のあの仕掛けはスッパリと削除。その代わりにいばら姫の物語を基礎に据えて感慨深い映画に仕立てられています。これはこれで良い選択だったと思います。
 いばらの古城から脱出した主人公の女の子と小さな男の子。二人が古城から人の住むところを目指して歩き出すラスト。しかし人類の世界は果たしていつまで続くものでしょうか。そして男の子の手を引いている女の子の正体は……ということですから。二人が歩く道はいばらの道です。なんともしんみりとしたラストです。
 とても良い映画でした。今回も語らせませんでしたけど私の中に住む中学生君もオッサンも満足したようです。
 

2013/06/13

ついでに一言
 
 この映画版の方が物語としてはずっとスッキリしてわかりやすいです。
 


おまけにもう一言
 
 さて。そろそろまた小説に戻りましょうか。