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—鬱陶しい亭主の場合—

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第669話 感想 小説『囮物語』

第669話 感想 小説『囮物語』
 
 『恋物語』の前になる話です。千石撫子(せんごく なでこ)がヘビの神様になって阿良々木を殺そうとするという……頭痛が痛い話です。この次に『恋』が来て貝木が千石を騙そうとするのです。読みやすいですけどね。スカスカと読めます。中身もスカスカですが。それ以上に千石が持つ恋愛観がまるで理解できません。共感もできません。
 一口に言って本作中の千石は物語シリーズのヒロインの中では異物です。エイリアンです。『化物語』の「なでこスネイク」のときとは精神構造が人と昆虫ほども違うような感じです。「なでこスネイク」のオープニングで「恋愛サーキュレーション」を歌っていたあの撫子はいなくなってしまったようです。ひどい扱いもあったものです。
 それから。この『囮』と『恋』がペアになる。何かおかしい感じがします。なんでわざわざ千石なんぞを神様に仕立てて解決に2冊も使うかね。バランスが悪すぎ。これが許されるなら羽川にもう1冊。戦場ヶ原にもう2冊くらい出さないと。
 その戦場ヶ原は神様となった撫子との交渉で殺すなら自分(戦場ヶ原)を最初にしろと言います。これはどう見ても今回は自分が矢面に立ってオマエと戦うという意味になるはず。ならば次回の『恋』では戦場ヶ原が死力を尽くして神様と正面から対決するはず。そして戦場ヶ原は神様を見事に出し抜いて千石も阿良々木も忍も助ける話になったはず。なのに蓋を開けると貝木に丸投げ。へー。
 勘ぐってしまえばセカンドシーズンで物語シリーズは終わるはずが柳の下のドジョウがまだウヨウヨいると見て引き伸ばしを図ったのではあるまいかと。
 ということで。私の中の中学生君もオッサンも口出ししたくないようですので私が語りました。最近こういうのが多いな。
 

2013/01/25

ついでに一言
 
 『囮』と『恋』は2冊ともあまりよろしい出来ではないと感じました。『囮』を是とするなら『恋』がダメ。『恋』を是とするなら『囮』は前フリになってない。そんな感じです。
 


おまけにもう一言
 
 とにかくこれでセカンドシーズン読了ですが。最後にこれを読んで失敗。消化試合みたいな感じでした。