あるがままに・そのままに

—鬱陶しい亭主の場合—

HOME | 201204-201303 | 第644話

第644話 幾万もの分岐を辿って

第644話 幾万もの分岐を辿って
 
 いろいろなことをしてきました。学校にも行きました。就職もしました。結婚もしました。子育てもしました。いずれは親を看取るでしょう。映画のように劇的な人生ではありませんが。けれどそれなりにいろいろなことがありました。
 しかし人生の時間切れもさほど先のことではない今にしてあれこれの思いが脳裏を駆け巡っています。そして知るのです。私は何も知らないのだと。
 そのつどそのつどの課題はやっつけてきました。これこのとおりさほど悲惨なことにもならずに馬齢を重ねています。迫り来るあれこれについて比較的に無難な対応を続けてこられたのだろうと。
 その比較的に無難な対応の連続の末に私は今ここにいるのです。幾万もの分岐を辿ってここに来たのです。しかしその実はそのつどそのつどやっつけてきただけ。何も知らずに。何もわからずに。
 なんだかとっても哀しいなぁと。このごろは哀しみがつくづく心に沁みるのであります。
 

2012/11/23

ついでに一言
 
 哀しいと書くよりも。愛(かな)しいと書くといいのかも。
 


おまけにもう一言
 
 ボサノバでいうサウダージですかね。