あるがままに・そのままに

—鬱陶しい亭主の場合—

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第528話 人知をもっては計り知れない

第528話 人知をもっては計り知れない
 
 このところの東京電力は福島第一原発のメルトダウンを認めたり原子炉内への海水注入の決断時期を明らかにしたりと矢継ぎ早に過去の情報を出してくるようになりました。それにつれて政府の過去の答弁や対応に対する疑問が噴出しているようです。
 これはひょっとして東電の逆襲が始まったのでしょうか。今の政府に対して低姿勢を続けていても悪者にされるばかりで浮かぶ瀬がないと。そのように見たのかもしれません。
 国家権力・政府と地域独占巨大企業・東電とのガチバトルってやつが起きるんですかね。かもしれないの話ではありますが。
 外野で見ている分には面白いことです。でも政府対東電では影響範囲があまりに広すぎます。もしも東京電力管内で経済活動をしているのならまったくの無関係とうそぶける人は稀ではないでしょうか。この私にもどこからどのように流れ弾が飛んでくるか知れたものではありません。何しろこの世のすべては因縁生起の網の目の中にありますから。
 なんてね。上のように書いておいてこの世の事象はどこでどのように関係するか人知をもっては計り知れないと――そのように仏教的な世界観をベースにしてこの先の話を進めると見た目はスマートな文章になるんでしょうね。しかし少々テクニカルに堕する感も否めません。そういう小手先でひねる文章はそろそろ卒業したいもんだわなと。
 そんなことですからこのまま政府と東電の話を続けますが。
 下世話に書けば政府にせよ東電にせよそこで働く人たちはエリート意識が剥き出しなんでしょうね。政府側の人にせよ東電側の人にせよ「アンタはエライ!」と他人に認めさせるために勝った負けたを争う一生を送るのではなかろうかと。今まさに起ころうとしているバトルも互いにそのような生き方をする者の軋轢の中での必然として生じるほんの一例なのかもしれません。
 勝った負けたでキャーキャー大騒ぎすること。それは冷たく言えばサル山の序列を争うおサルさんの生き方なんですけどね。でも人はおサルさんの一種ですから生まれ持った性としてしょうがないことなんですよ。彼らも私もそしてあなたも。誰もが同じ生き物です。目くそ鼻くそ。お互いに程度の差でしかないことであるなぁと――なんてふうに書いてみてあまりにテクニカルに堕しているので我が文章ながらあきれ果てた亭主でございます。
 

2011/05/25

ついでに一言
 
 職場では節電強化です。私のデスクの上の照明は消されてしまいました。
 


おまけにもう一言
 
 これでは真夏が思いやられます。関東は本当に終わるかもしれません。