あるがままに・そのままに

—鬱陶しい亭主の場合—

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第359話 人間に生まれて良かったか

第359話 人間に生まれて良かったか
 
 苦悩はサルを人にする。前回はそう書いてみました。仏教はヒトを人にする教えなのだなぁとこのごろは考えています。仏教は人間をブッダという超人にしようとするものではなくヒトという生物種をまっとうな人にしようとするものだと。
 心理学者のマズローさん。その名前を聞いたことがある人は多いと思います。人事部門の研修なんぞでしばしば耳にする名前です。そのマズローさんは「自己実現」そして「自己超越」という概念を唱えました。その詳細はネットを検索していただきたいのですがマズローさんが考えるには人は成長の欲求を生来持っているものだそうです。そしてその成長の欲求は段階を踏んで満たされ達成されてゆくものだとしています。
 もちろん人生は千差万別です。マズローさんの学説というか成長モデルというかのとおりに人生が順を追って進むとは限らないでしょう。でもマズローさんはとても良いことを言っていると思います。
 ヒトは人になりたい生き物なのです。その成長の欲求を持っていることが畜生とヒトとの違いであると思います。しかしヒトが人になるためにはヒトを乗り越えて行かねばなりません。動物の衝動に振り回されて生きるのみのサルの状態から抜け出す必要があるのです。それはサルであることをやめるという意味です。そこに大変な困難があるのです。のんべんだらりと生きていさえすればサル=ヒトが人になれるというものではありません。
 人間に生まれて良かったか−−この問いに対してはなかなか素直に「良かった」とは答えられないものだと思います。こんなに辛いなら人間なんぞに生まれたくなかった・人生なんぞ糞でもくらえなんて思っているヒトが大部分じゃないでしょうかね。
 私は今はともかくいずれは「人間に生まれて良かった」と真顔で言えるようになると感じています。まだまだ道のりは遠いのですけどね。
 

2009/10/11

ついでに一言
 
 サルに死んで人に生きる・・・・なんのこっちゃ。まあ何はともあれド畜生の境涯からは脱したいなと。
 


おまけにもう一言 
 
 このあたりはいずれもっと整理した形にしたいものです。