あるがままに・そのままに

—鬱陶しい亭主の場合—

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第296話 すごいよおサルさん

第296話 すごいよおサルさん
 
 世の中には分からないことがゴマンとあります。分からないことが分からないままだと気持ち悪いですよね。ですから分からないことはガッチリ分かっていきたいと。それは人情ですわな。
 でもですね。分からないことは無限にあると思うのですよ。一生の間に分かることなど多くはありません。一つ分かったら分からないことがまた一つ。そんな具合でしょう。言ってみれば大木に登ってその木の葉を一枚ずつ調べるようなものでしょうね。いろいろなことが分かるかもしれません。でもそれは大木の上で枝に囲まれて過ごす一生なんじゃないでしょうか。それでいいですか? それではまるでおサルさんじゃないですか。
 とくに悟りとやらに関してその傾向がとても強いと感じます。これは仏教に対する根深い誤解だと思います。仏教はこの世のすべてを分かれなどと求めていません。仏教は離れることを求めているのですから。その大木から降りて離れて遠くから眺めてみよと求めているのですから。
 何も分からなくていいと言っているように聞こえるかもしれません。そうではありません。ご注意ください。
 分からないことを分かろうとする。それは結構なことです。でも真っ先に分からなければならないことを分かろうとしないで木の上に居続けようとする。それはいかがなものでしょうか。この辺りの事情は釈尊の「無記」と呼ばれる態度に学ばせていただくとよろしいかと思います。ご参考までに。
 

2008/12/02 

ついでに一言
 
 ヒトはおサルさんの末裔です。他の者よりも少しでも高い位置に居座りたいのです。すごいですよ。おサルさんは。木の上で一生ですから。地上に降りて人になりたいものです。
 


おまけにもう一言 
 
 私の文章は実に臭いですなぁ・・・・と書いておいて自分の臭さを薄めようとする亭主であります(←よくある言い訳のパターンです。 ←これもよくある)。