あるがままに・そのままに

—鬱陶しい亭主の場合—

HOME | 200507-200807 | 第241話

第241話 まじめな人だったのに

第241話 まじめな人だったのに
 
 実のところ誰も彼もが世間を厭う気持ちは多かれ少なかれあるだろうと考えます。人間という生き物の愚劣さに程度の差はあれお互いにウンザリしながら生きているのが実情だろうと。そしてたいていの場合は酒に逃げるとかギャンブルに走るとか道楽に溺れるとか何らかの方法でいわゆるガス抜きをしながらどうにかこうにかこの不快な世間を生きているだろうと思います。
 しかしそういったガス抜きの方法を学習することができなかった場合。世間を厭う気持ちが野放図に膨れ上がるだけ膨れ上がって許容量を超えてしまったら。その膨張の圧力が向かう先はさほど多くはないと思います。自分に向かえば自傷だの自殺だのになるでしょうし他人に向かえば傷害だの殺人だのになるだろうと思います。
 先日の秋葉原で凶行がありました。「まじめな人だったのに」なんて関係者のコメントと一緒に報道される突然の凶行と呼ばれる類のものはおおよそ上のようなものかなと推測します。
 だからガス抜き対策に大酒飲んで朝までバカ騒ぎしてしまえと言っているのではありません。してもいいですけど。私もそれくらいのことはたまにはしますけど。今日が自分の命日かと思うほど飲むことがありますけど。酒で死んだバカな奴よと思われたらボカぁ心外だなぁなんて思いますけど。
 ・・・・何の話でしたっけ?
 おお。そうでした。その通り魔と世間との関係はどんなものだったのかなと。警察の取り調べ中に「彼女さえいれば云々」と言ったとか。問答無用に許しがたい壮絶な愚かさが垣間見えます。彼女でガス抜きしちゃ彼女が迷惑でしょ? 対人能力が低いのに余計に厄介な問題を背負いこんじゃうでしょ。それにこの世間が女の一人や二人でどうにかなると思っているの? それじゃこの世間に居場所はないでしょうね。彼女もできないでしょうね。
 誰もが我執にまみれてお互いに憎みあい苦々しい思いを誤魔化しながら生きている。それが世間=此岸というものなんだよなと。世間を厭うのであれば赤の他人をナイフで刺したり赤の他人に愛情を期待したりする前に世間から離れるのが正解です。さっさと彼岸へ行きましょう。此岸にいるのが嫌なのですから。
 

2008/06/16

ついでに一言
 
 この世間は秋葉原で人が何人死のうが通り魔が死刑になろうが問題なく動くようにできています。そのくらいのことは知っていてほしいものです。
 


おまけにもう一言
 
 私の昔の友人にもいましたね。恋人に振られて神経症になったってのが。その後そいつは風俗通いに明け暮れてヤクザとトラブルを起こして家業を傾けて・・・・今はどうしてますかね。最後に飲んだときには人の心理はああじゃこうじゃと講釈してましたけど。