あるがままに・そのままに

—鬱陶しい亭主の場合—

HOME | 200507-200807 | 第160話

第160話 文章の力

第160話 文章の力
 
 最近好んでボサノバを室内に流している。流していると書いたようにもっぱらパソコン作業中のBGM。だからボリュームはかなり絞っている。具体性がまるでなくて恐縮だが私はCDに収められた情報の100分の1も聴いていないことだろう。
 これを写真に喩えれば中央に写っている人物の顔だけパッと見てその他は何も見ていないといった見方に近いと思う。ボケ味もグラデーションも粒状性も網膜に映っているはずなのに見たことがないといったふうな。
 人の認識とはそんな程度だと思う。この世界の無限の情報のごくごく一部のみを勝手に切り取ってきて足りない部分は現実の情報に拠らず脳内で勝手に補間・・・・というふうに書いて話を続けて行くといかにもそれらしい高尚な文章になると思いはするがあまりカッコいいことを書いてしまうと自分の文章に溺れてしまうので要注意だ。おそらく私は自分で書いている文章が意味するところさえ十分に把握していないに違いないのだから。
 こういうふうにワヤワヤと書き始めた文章がそれらしい結末に向かって転がって行くのだから文章の力とは恐ろしいもの。文章を書くのが好きな人は先刻承知のことだと思うけれど最初の一撃をうまく叩き出せれば後は文章が勝手に成って行く。
 そしてそれが意味するところは詰るところ何なのか。それを読者の皆様にも考えていただきたいと思いながらこの文章を書いている途中でBGMが邪魔になってCD再生を停止した。やはり私は音楽を聴いているより文章を書いている方がずっと好きだ。
 もっともっともっと筆力が欲しいと思いつつ今回はここまで。
 

2007/02/16

ついでに一言
 
 文章の力と文章力とは似て非なるものですので念のため。
 


おまけにもう一言
 
 言霊(ことだま)はあります。気をつけましょう。