あるがままに・そのままに

—鬱陶しい亭主の場合—

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第130話 「のに」と「から」

第130話 「のに」と「から」
 
 「のに」と「から」。何も知らないのに。何も知らないから。
 この年度末。多忙多忙と言っていてもちっとも暇にならないので多忙と言っても詮無いことではありますがやはり少々気が荒くなる時期ではありました。口に出しては言わないですが腹の底に「馬鹿野郎! この野郎!」といったお下品な言葉を飼う日々が続いたりもしました。
 そんな日々が続くうちに「アレレ?」と思いまして。
 口に出しては言わないものの他人様を罵倒し続けていましたが私は他人様の抱えた事情をほとんど・まったく知らないのですね。それがそうならざるを得な かった事情を知らないのに人を罵倒する。そしてそんな僭越なことをしていたのは自分が何も知らないことを知らなかったからです。
 知らないのに。そして知らないから。自分は無知で覆われていてしかも無知に覆われていること自体に無知なのである。そんなことに思い至ったこの年度末でありました。
 この数年の経験で思いますが自分自身に関して自ら何かに気付くのは至難なことです。その真っ最中にあるうちはそれに気付くことができないという経験を何 度もしてきました。今回書いた「のに」と「から」についても容易なことでは気付かないのではないかと思います。
 私にはまだ知らないことがたくさんあってしかも何を知らないのかまったく知らない。この先何を知ることになるのかもまったく知らない。そして私は今何か の真っ最中にあるとしてもその何かが終わってみないことには自分に何があったのか知ることができないのだろうと思います。
 ではまた。
 

2006/04/01

ついでに一言
 
 多忙な年度末も昨日で終わり。期限があるのは嬉しいことです。少々寒かったですが生ビールで打ち上げ。
 


おまけにもう一言
 
 自分自身というものはわからないものです。