高山市内を散歩すると、街角にだんご屋さんをよく見かける。しょう油の香ばしい香りに食欲をそそられてしまう。香りで商売できるのは、ウナギの蒲焼きとだんご売りくらいである。
 昔から飛騨地方では、みたらしだんごは、しょう油味と決まっている。生まれた頃から、何の疑問も抱かず育ってきた。ところが、名古屋の友人に聞くとむこうの団子は、全て甘いタレ味だという。どうやら、甘いタレ味が日本の主流で、飛騨は異質だとわかった。

高山には、大きい団子製造会社が3社あり、他に家内作業でつくってみえるところもかなりある。団子は、米の粉を蒸して何回もこねて造るわけだが、こねる前に杵でつく作業を加えて粘りをだすなどの特色を出す店もある。

第1の美味しさの秘密は、粉の細かさである。サクサクとした歯触りのだんごは、しょう油も適度になかまでしみこみ、香ばしく焼き上がる。粉の細かいものはすべらかく、粗いとザラザラした感じになる。あまりにもすべらかいものは、小麦粉が多少混じっている。

第2の秘密は、しょう油にある。このしょう油は、味噌を造る際、その上ずみを集めたもので正式には、たまりと呼ぶ。このたまりをつくっているのが高山の日下部醤油店なのだ。だんご専用のしょう油があり、かなり辛い。高山のみたらしだんごの味は、このしょう油でなければだせない。

第3の秘密は、焼き具合である。火加減ができれば一人前と言われるほど難しい。最初は、素焼きといって弱火で、薄くこげめがつく程度に。次にしょう油をつけて、焼く。もう一度しょう油をつけて焼く。しょう油をつけるのは2回まで。これ以上は、辛くなってしまう。
みたらしだんごの由来
御手洗(みたらし)とは、もともと神社詣での際の浄めの泉水のことである。その昔、後醍醐天皇が下鴨の御手洗川で水をすくったところ、泡がひとつ浮き、やや間をおいて四つの泡が浮き上がった。その泡にちなんで指頭大のだんごを竹串の先にひとつ、やや間をおいて四つ続けてだんごをさしたものが御手洗だんごの起源だそうだ。
 一般には、一串5粒だが、関東では一串4粒が多い。昔、五粒で五文だったのが、四文銭ができてから、四粒四文に変わったからとか
飛騨のだんごはどこまで販売されたか?
物産展などの催事があれば、必ず出店していたという。北は北海道から南は九州までほとんどの県へ出かけた。なんと海外 ハワイまで出かけたからすごい。ハワイ最大のアラモショッピングセンターで、獅子舞を披露しながらだんごを売っていた。全盛期にはハワイへ6回も出張販売していたそうだ。平成4年以降バブルがはじけてからは、売り上げが減っている。
飛騨古川の瀬戸川用水沿いにある人気のだんご屋さん