ムダゴト(私立パチンコ学園 その1)

(C)Maruhon(C)M.ESAKA/CW
 ▲液晶右下が今日の話

ここは、日本のどこかにあると言うパチンコの基礎や技術を養成する「私立パチンコ学園」。
生徒1人につき先生1人と言うマンツーマン体制で授業が行われている。
ちなみに、先生も生徒もパチンコが大好きなので、授業は閉店後の夜11時から開始される。

キーンコーンカーンコーン

先生「はい、こんばんは中村くん」

中村『こんばんは』

先生「昨日はCR機の確変の仕組みについて勉強したよね」

中村『はい』

先生「何かわからなかったところはあるかい?」

中村『あのー、今日CREIIIコレクション(マルホン)を打ってみたんですけど』

先生「うん」

中村『単発絵柄が揃って大当りしたはずなのに、大当たり中にいきなり確変に昇格しちゃったんですよ』

先生「ほう、よかったじゃないか」

中村『でも確かに単発絵柄が揃ったのに大当り中に確変ですよ? 意味がわからなくて・・・』

先生「なるほど、それは思い込みだな」

中村『えっ?』

先生「君は確変絵柄が揃ったのを見落としているんだよ」

中村『どういうことですか?』

先生「ここにCREIIIコレクションの写真があるんだが」<今日の写真

中村『は、はい・・・(用意がいいな)』

先生「液晶の左下で”○”が出ているだろう?」

中村『はい、これは電チュー開放用のデジタルですよね』

先生「そうだ」

中村『確変中の止め打ちの為にずっとここばっかり見てましたし、何もおかしくないですよ』

先生「じゃあ、少々見づらいんだが、液晶右下の方に”−”と書かれていないか?」<拡大写真

中村『え・・・っと、あぁ、写真だと端っこで見づらいですけど確かにありますね、6絵柄の右下の方に』

先生「それが大当り絵柄じゃないか」

中村『はっ!?』

先生「今、液晶の上でリーチが展開されているよな?」

中村『・・・えぇ』

先生「そこでアツそうに動いている絵柄はニセモノだ」

中村『えええ!?』

先生「ほら、前に歴史の授業で勉強しただろう、CRFパワフル(三共)を思い出せ」

中村『えーーーと・・・あぁ、あの機種は、液晶とは別に3桁デジタルが右下にあって、それが揃えば液晶も・・・あぁっ!

先生「そういうことだ」

中村『ということは、CREIIIコレクションは液晶右下の1マスが大当たり図柄で、メインの絵柄はニセモノってことなんですね?』

先生「その通り。だから中村くんが単発絵柄が揃ったのに大当り中に確変に昇格したってことは・・・」

中村『そうか、単発絵柄が揃った瞬間、実は右下の本当の大当り表示部分では、確変の絵柄(例えば”7”)が止まっていたからなんだ!!』

先生「そう、本物のミニ大当り図柄では既に確変で当たっていたのだが、再抽選ではなく、大当たり中昇格の演出が選ばれたためにこんな現象が起きたんだ」

中村『そっかー、なるほどなー』

先生「最近はこういうミニ大当り図柄を利用した大当り中やラウンド後に昇格の可能性がある機種が増えているな」

中村『そうですね、CRドレミ天国(大一)やCR猛獣王(サミー)とか・・・』

先生「これらもよく見てみると、液晶の片隅や盤面の隅にデジタルがあるんだ」

中村『あぁ、そう言えばCR笑点(平和)は右の電飾の中にデジタルが置いてあります!』

先生「そう、それが本物の大当り絵柄だ」

中村『なるほどー』

先生「そこで絵柄を表示するのは大当りが確定する一瞬だけでいいんだ」

中村『しかも目立たない絵柄だから、ついつい画面に表示されているニセモノの絵柄を信じてしまうわけなんですね』

先生「そして大当り中昇格で喜ぶというわけなんだ」

中村『元々は自分自身で確変を引いてるのに、ギリギリまで教えてくれないわけなんですね・・・』

先生「嬉しいけど結構気疲れするんだよ」

中村『そうですね、しょっちゅうそんな昇格ばっかりだったら、最初に揃う絵柄が単発ばっかりになっちゃいます』

先生「だから、たまーに驚かす感じの割合で発生させるようにしているんだ、多くのメーカーは」

中村『たしかに20回に1回くらいだったら結構嬉しいかも』

先生「ただよく考えると、迷惑を被っている人もいる

中村『・・・えっ・・・と?』

先生「ラッキーナンバー制のホールの店員だよ」

中村『あ、特定の図柄で大当りしたら出玉を交換しないといけないっていうルールの店ですね』

先生「そう、彼らはこういう機種の正しい意味を憶えておかないといけないんだ」

中村『交換ナンバーで当たったからって必ず交換になるわけじゃないんですね、昇格があるから

先生「では、初回7で大当りなら無制限他の確変絵柄の場合は交換ナンバーの4・9で当たったら全部交換と言うホールがあるとしよう」

中村『初当たりが7じゃない限り無制限にならないホールですか・・・辛いなぁ』

先生「例えば、そこでお客さんが初当たり時に交換ナンバーの4で当たったとする」

中村『はい』

先生「新人の店員さんが”はいはい交換ねー”と交換札を台上に指して、他の業務をしに行く」

中村『えぇ、忙しいですからね』

先生「そして大当りが終わった頃にその台へ戻ってみると・・・初回確変無制限の7に昇格していたとする」

中村『おぉ、ラッキー。初当たり7だから無制限だ』

先生「するとその新人店員はこう言うんだ」

中村『はい?』

先生「”最初に交換ナンバーで当たってたんだからこの確変は無制限じゃないですからねー”」

中村『うわぁ、元々7で当たってるんですけどねぇ・・・』

先生「ちなみに、打ってた客は先生だ

中村『・・・うわ、結局流されちゃったんですか?』

先生「・・・夜、独りで泣いた・・・」

キーンコーンカーンコーン



←前 / 次→

もどる