ムダゴト(確率線までに当たるのってどのくらい?) |
パチンコやスロット台には、1/315.5や1/240.9等、それぞれ当選確率が決められていますよね。 では、その確率分母(上の例では315.5回転や240.9回転)以内で当たること、つまり確率線内で当たるのって一体どれくらいの割合なんでしょう? では、まず上の1/315.5の例で式をたててみましょう。 その前に、「確率線内で当たる」ということは、「確率線内で当たらないこと」の逆ということはお分かりでしょうか? 例えば、サイコロを3回振って「1の目が1回でも出る」ということは全部の確率、つまり、1から「1の目が1回も出ない」という確率、5/6の3乗を引けばいいんです。 3 1 − (5/6) = 0.42129 このことを踏まえて、1/315について考えてみましょう。 先程と同じ考えで式をたてて計算してみます。 今回は314.5/315.5の315.5乗になりますよね。 315.5 1 − (314.5/315.5) = 1 − 0.36730 = 0.63270 大体63%ぐらいですね。 では、1/240.9の方もやってみます。 315.5 1 − (239.9/240.9) = 1 − 0.36712 = 0.63288 あれ? なにやらかなり近い数値が出てきましたね。 これはどう言うことでしょうか? もし、この確率分母をかなり巨大にしてみたらどうなるでしょうか? その分母を「n」と置いて式を作ってみます。 n n 1 − {(n−1)/n} = 1 − {1−(1/n)} ではここからが本題です。「n」を無限大まで大きくしてみましょう。 その前に・・・少し脱線です。 ある数値をある大きさ(小ささ)まで持っていくとき、数学では「limit」という式を使います。 計算式では「lim」と書きます。 例として、hという数値が含まれる式を5まで持って行ってみます。 lim (2h) = 2 x 5 = 10 h→5 そして、hを無限大に持っていくと・・・。 lim (2h) = 2 x ∞ = ∞ h→∞ 無限大に2をかけても無限大ですからね。 ここで、「e」という記号が出てきます。 詳しい説明は避けますが、下の式に当てはまる数値のことを言います。 h e − 1 lim ――――― = 1 h→∞ h そして、「e」の値は・・・。 e = 2.71828・・・ となり、決して割り切れません。 円周率みたいですね。 n n 先ほど作った1−{1−(1/n)}から、{1−(1/n)}だけを取り上げてみます。 とりあえずはこれだけを頭の片隅にいれておいてくださいね。 ところで、「e」には、こんな法則があります。 n lim {1+(1/n)} = e n→∞ この式は変形するとこうなります。 −n lim {1−(1/n)} = e n→∞ あれ?さっき頭の片隅においてあるはずの式にかなり似ていますね。 n乗か−n乗かの違いです。 ・・・ということは・・・。 n lim {1−(1/n)} = 1/e n→∞ となりますよね。 乗数がマイナスということは分母と分子が入れ替わると言う意味なんです。 これでさっき作った、確率分母を無限大にする式の答えがわかります。 n n lim [1−{1−(1/n)}] = 1 − lim {1−(1/n)} n→∞ n→∞ = 1 − 1/e = 1 − 1/2.71828 = 1 − 0.36788 = 0.63212 つまり、確率線内で当たる確率は63.2%となるわけですね。 約3回に2回は当たるはずなんです。 もちろんあくまでも確率が低くなる(分母が大きくなる)ことでこの値に近づくと言うことですが、分母が100を超えればほとんど誤差はありません。 この値を心に刻んでおいてくださいね。 |