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彼女---が二人の前から姿を消して数ヶ月経った
其の日もまた、何時もと変わらない毎日が始まる
唯一つ、が在った場所がぽっかりと穴を空けた日常が
今日も此処、『Devil May Cry』は何の変わり映えも無く運営されていた
運営と言っても客が居る訳でも無く、更に言えば仕事の依頼はずっと滞って居る
ダンテ一人の時はある程度融通が利いていたのだが其れは彼のズボラな性格故であり、
彼の兄であるバージルの其のきっちりとした性格上今の状態が許される筈も無く
既に日課となってしまった朝の小言が今、ダンテに降り掛かって居る訳で
「だぁーかぁーら!仕事が無いんだから仕方ねぇだろ!」
「其れは貴様が選り好みをしているからだろう」
「そりゃ最初はしてたけど…今はどんな下らねぇ仕事だって我慢して引き受けてるだろ!」
ぎゃんぎゃんと喚く声も華麗にスルーしバージルはコーヒーを一口啜る
そしてふと思い出すのはついこの前迄---と言うのはあくまでバージルの中でだが---在った温かな存在
最初はどう接すれば良いのか躊躇っていた其の少女は、こんな己にも優しく微笑みかけてくれた
其の笑みを見て以来、未だバージルは胸の奥に宿り続ける熱い炎に酷く戸惑って居る
其れが一体何なのか、確信を得るのが怖くも有り、此の儘で居るのももどかしい
もう一度其の温もりに触れれば或いは---
其処まで考えてバージルはふと顔を上げる、扉の向こうからけたたましい爆音が聞こえて来た
「ダンテ!何か良い仕事残って無い!?」
勢い良く開かれた扉の向こうに居たのは同じデビルハンター仲間のレディ
今の発言から推測して恐らくは彼女もまた職業難と言う荒波に飲まれて居るのだろう
現にレディは額に青筋を立てつつダンテへと詰め寄って居る
仕事は無いかから始まり今まで借りて居た金の話へと差しかかった頃、
再び事務所の扉が開きバージルは何となく其方へと視線を向けた
そして其処に在る一人の女性に、彼らしくもなく手に持つカップを床へと落としてしまう
地面に叩きつけられたカップは、あの日見た小さな悪魔の様に、砕けて散った
「っ…!」
名を叫ぶと同時、レディと口論を繰り広げて居たダンテがへと駆け寄りきつくしがみ付く
久方振りに感じる其の体温に、ダンテは無意識に頬が緩むのを感じていた
鼻を擽る香りもあの日と変わらない、ふと視線を上げれば其処には何時もと同じ笑顔が在って
胸の奥が締め付けられる、そんな感覚すらも愛しく感じ、
バージルに引き剥がされる迄ダンテはから離れようとはしなかった
「心配したんだぜ、〜」
バージルからの説教とダンテからの質問攻め、そしてレディとの出逢いを無事に果たしたにダンテが口を開く
くたりと己の肩に凭れ掛かって来るダンテにもはふっと笑みを漏らし、
触り心地の良い銀の髪をそっと撫でてやる
何時もは大人ぶっているダンテも今はまるで猫が甘える様にの白く細い其の手に頬ずりする
そんな光景を黙った儘見詰め、バージルは心にぽっかりと空いた穴が埋まるのを感じて居た
綺麗に切り取られて居た其の場所が、によって寸分狂わず埋められる
ふっと笑みが零れ慌てて口許を隠す
と、バチリとダンテと眼が合いダンテの口許がにやりと意地悪く歪められる
「バージルもよぉ、ずっと心此処に在らずでさぁ」
「バージルが?」
「そう、其の所為で仕事が全然来なくって御蔭で今一文無しで…」
「ありもしない事をベラベラ喋るな!其れに金が無いのは俺のせいでは無い!」
珍しく張り上げられたバージルの声にはきょとんと眼を丸くし、
そんな相手に気付き我に返るとバージルは決まりが悪そうに顔を背ける
トコトコと何処か幼さを感じる足音が近づいてくるのを感じつつもバージルは動けずにいた
否、若しかしたら動きたくなかったのかも知れないが
そろりと、頬に触れられ視線をやれば其処には優しげな笑みのが在って
嗚、虚勢等張らず今直ぐに触れたいと
バージルの手が伸ばされた瞬間、レディの無遠慮な声が二人を別つ
「若しかして、最近噂の凄腕デビルハンターって、…!?」
暫しの沈黙の後酷く殺気の籠められた三つの視線がに向けられる
其の殺気の意味を理解できないは唯首を傾げるしか無かった
「噂の凄腕…?」
「そうよ!ここいらの悪魔絡みの仕事ぜーんぶ持ってかれてるの!」
「御蔭で俺達の仕事は激減、ってな」
二人の言葉を聞いていたの顔色がさっと蒼褪めるのを見て黙っていたバージルが小さく溜息を吐いた
どう見てもBINGO!基、JACKPOT!な反応の相手にいっそ関心さえ覚える
が、の性格からして嫌がらせが目的で無い事は明らかで、
どう言う経緯でこうなったのか、と言うバージルの視線に気付きは躊躇いがちに口を開いた
「流石に何時までも此処に居座る訳には行かないし…其れに」
「其れに、何だ」
「…デビルハンターとして少しでも早く復帰したかったから…」
ピタリと、其の言葉にダンテとバージルは一切の動きを止める
そんな二人に気付かないはレディと悪魔狩りの事で話に花を咲かせている
---どの種族はどんな武器が有効か、あの種族の攻撃はどう回避すべきか等、
とても可愛らしい少女二人が話す内容では無いのだが…---
ぽん、と
両の肩に手を乗せられふとが顔を上げれば真剣な顔をした双子と眼が合う
バージルの眼差しは何時もの変わらない、微か鋭ささえ滲む其の瞳なのだが、
ダンテから向けられる真剣な其れは何時もの彼では想像出来ない眼差しで
不覚にもドキリと胸が高鳴るのを感じ思わず視線を背けた
が、肩に置かれた二つの腕がぐいと顔を上向かせ再び二人と視線が絡む
「デビルハンターに復帰するなんて聞いてねぇ」
「言ってないもの」
「何故言わなかった」
其れはあくまで己の私情でと、言い掛けた言葉は呆気無く途切れた
両頬に触れる柔らかで温かな感触にはぽかんと口を開き硬直する
直ぐ傍で感じる二人の吐息が酷く擽ったい
そしてほんのりと、冷たくなり掛けた心が温かくなるのをと、
優しい口付けを送った半魔の双子は感じて居た
嗚、きっと私は、此処に帰りたかったのかも知れないと
無意識に拒絶を恐れ逃げ出したあの日から、ずっとずっと欲して止まなかったのは他でも無い、
此の二つの温もりなのだ
きゅうと、二人の服を握れば包み込むかの様に両方から抱き締められ、
は嬉しさと僅か恥ずかしさで頬をほんのりと赤く染めた
「は此処で、俺の帰りを待ってれば良いんだよ」
「お前が居なくなって以来、元々汚かった此処が更に汚くなった」
「うっせ!だから其れはが居なくなったからで…!」
「が居ないと自分の家一つまともに掃除出来ないのか」
相変わらずの兄弟喧嘩を遠巻きに眺めつつ、はふと思い出す
二人の言葉に段々と暖かくなった心が冷めて行く
『帰りを待って居れば良い』
要するに、簡潔に言えば此の事務所で二人の世話をしろという事だろう
確かに、以前此処に居た時三人で居るだけで楽しかったし、二人の為に毎日食事を作ったり掃除をしたり、
世間一般で言う家事をするのはデビルハンターだった己には凄く新鮮で楽しかった
だが其れと同じくらい、デビルハンターとしての己も誇りに思って居る
だから二人の言葉は嬉しい反面、どうしても首を縦に振る事が出来ずに居た
そんな己に気付いたらしいレディがぎゅう、と肩を抱いてきた
因みに当の双子は未だ喧嘩を---武器を手にしてないだけまだ可愛い方だ---繰り広げて居る
優しく宥めるようなレディの其れに視線を向ければふっと小さく微笑まれた
「寂しかったのよ、ダンテもバージルも」
寂しくて、甘えたくて、そして何よりを愛しく思っている
ちらりと、未だ喧嘩を続ける二人に視線を向ける
ぎゃあぎゃあと---主にダンテが一方的に---口論を続ける二人の表情は何処か柔らかなもので、
其れはが此処へ帰って来た事が嬉しいと物語るかの様で
未だデビルハンターの復帰を諦める事は難しいが、こうした日常も良いかも知れないと
は二人に出逢って以来緩みっぱなしの口許を恥ずかしげも無く緩ませた
「…レディもお昼、食べて行くでしょう?」
「え?ぁ、うん」
にっこりと、今日初めて見せる最高の笑顔の前ではどんな人も魔も首を横には振れなくなる
心の隅でぼんやりとそんな事を考えつつレディもまた首を縦に振るしか出来なかった
「ダンテ、バージル、お昼はパスタで良い?」
パタパタと音を鳴らしながらキッチンへと向かうに今の今迄騒いでいた双子がピタリと黙る
其の顔には満面の---と言ってもバージルは殆んど変らないのだが---笑みが浮かんでおり、
ダンテは元気な返事と共にの後を追う
一方のバージルは暫し二人の背中を見詰めた後ずっと放置されていた割れたカップの事を思い出し、
小さく溜息を漏らしながらテキパキと其れを片付けていた
本当ならばダンテと同じくの背を追いたいのだが、彼の性格が其れを邪魔をする
不機嫌そうに寄せられた皺を見ればレディは危機感を察知し、ダンテ達が居るキッチンへと足を向けた
其れが更に彼の人の機嫌を悪くするとは勿論知らずに
キッチンに入り刹那、は硬直する事となる
確かにダンテが掃除全般苦手なのは知っていたし、
恐らくあのバージルは自分の部屋しか掃除をしないだろうとは想像出来ていた
更に言えば事務所に入って直ぐのデスク上の惨劇を目の当たりにしていたので、
ある程度の事は覚悟の上だったのだが、目の前に広がる光景に唖然としてしまう
「…どう言う生活をしてたの、二人共…」
キッチン自体はとても綺麗だった
否、余りの綺麗さに違和感を感じる程なのだが
そして其の疑惑は冷蔵庫の中を見て一気に晴れる事となる
中に在るのはミネラルウォーターが数本とトマトジュースが一本、
冷凍庫には業務用のストロベリーアイスが所狭しと並べられていた
ふうと、態とらしく大きく溜息を吐きシンクへと軽く腰掛ければダンテへと視線を向ける
眼が合えば何処か気まずそうに視線を泳がせ、観念したとでも言う様に小さく項垂れた
「俺はピザ、バージルは…多分外食じゃねぇか?」
「飽きれた、一緒の家に住んでて食事はバラバラだったの?」
だって、と言い掛けるダンテの言葉を再び吐いた溜息で遮り額を抑える
ダンテがピザを取り其れを良く思わないバージルは一人外で食事をしていたのだろう
今迄二人で暮らしていたのが奇跡の様に思えて来て、は今日何度目かの溜息を漏らした
兎に角此れではパスタどころかダンテの好物であるサンデーすらまともに作れはしない
そう言ったら眼の前の男はアイスだけでも充分だ、なんて軽口を叩くだろうが
「仕方ない…買い出しに行って来る」
其の言葉に俯いていたダンテがばっと顔を上げる
そして直後キッチンへと入って来たバージルもまた何か言いたげにじっと此方を見詰めた
言わずもがな一緒に買い出しへ、と言いたげな其れに傍に居たレディは小さく噴き出す
キラキラと眼を輝かせるダンテと射るようなバージルの視線を浴びは柔く笑みを向ける
薄く開いた其の唇から残酷な迄の言葉が零れ落ちるとも知らずに
人が疎らな昼時には少し遅い時間
女二人は今『Devil May Cry』から少し離れたファーストフード店に来ている、無論昼食を取る為にだ
キッチンにて散々な光景を眼にしたは付いて来たそうにする双子へ、
『帰る迄に店中綺麗に掃除して置かなければ夕食抜き』と言う罰を下した
ブーイングするダンテと不服そうに此方を睨むバージルを尻目にはレディを引き摺り店を出て来たのだった
勿論ながら二人は昼食抜き、で
若しかしたら掃除等投げ出し各々何時もの様に食事をするかも知れない、と
が小さくぼやけば向かいに座るレディがふるりと首を横に振った
「其れは無いと思う、あの二人本当にお金無いらしいし」
「一文無しってのも困るけれど…」
「其れに、あの二人はの言う事ならちゃんと聞くと思うよ?」
倹約とは程遠いダンテとやはり倹約等似合わないバージルの事だ、
レディの情報が確かなら一食分も持ち合わせて居ないかも知れない
そして続く言葉には僅か頬が熱くなる
自分の言う事ならと、茶化す訳でも無く真顔で言われれば何処か嬉しくすら感じ、
照れを隠す様にはレディと同じチーズバーガーを口へと押し込んだ
そうだったらいい、なんて心の何処かで思いつつ
短い間ながら共に暮らした上で、バージルは何となく言う事を聞かない気もしなくは無い
以前あそこで三人で暮らしていた時、初めの内はまともに話も出来なかったのだ
行方を晦ます直前には大分話も通じる様になり、
時たまではあるがあの冷徹な表情が緩むのを見た事もあった
だがだからと言ってダンテの様に慣れてくれるにはまだまだ時間が必要だとは思って居る
…実際は其のお堅い性格故、今更築き上げた己のクールな人物像を崩す事が出来ないだけなのだが
「で、夕食も御馳走になっていいの?」
の奢りのハンバーガーを平らげたレディがコーヒーを啜りながらきょとと首を傾げる
相手の言葉にはにこりと微笑み、己の足元に置かれた買い物袋へと視線をやる
たっぷりと買い込まれた其れは言う迄も無く今夜の夕食の材料で、
双子の顔を思い浮かべればふっと頬が緩んだ
「勿論、三人だけじゃこんなに食べ切れないもの」
ギィ、と
音を立てが店の扉を開けると其処は先程迄とは見違える程綺麗になっていた
実はあの双子の事だから、きっと掃除等半分も終わらず喧嘩でもしているだろうと思ったのだが…
荷物を運び込みながら辺りを見渡すもどうやら一階には二人は居ないらしい
帰った事と、昼食を抜きにした事を謝ろうかと口を開くも、寸でのところで思い止まる
二人の顔を早く見たいとも思ったが、何となく呼んだ後纏わり付かれるであろう事を思いふるりと頭を振った
遅れて中へ入ってくるレディに二人を呼ばないのかと聞かれるも軽く首を横に振り、
手にした食材を再び持ち上げればキッチンへと向かった
キッチンは相も変わらず綺麗な儘だった
否、綺麗なのは元からだが、前よりもキッチン道具が整頓されている
恐らくは此れから毎日料理をするであろう己に対しての敬意の表れだろう
まだまだ足りない物も多いが、短時間で此処まで出来ただけでも良しとしよう
そんな事を考えつつは買って来たものを手際良く片付けて行く
「ね、本当にってずっと此処に住んで無かったの?」
「此処に居たのは三週間、ついでに言うと意識が在ったのは二週間だけ」
特に気にした様子も無く言うの横顔を盗み見しつつレディは改めて双子の順応力の高さに感心した
一度目のテメンニグルの件以来レディは度々此処に訪れている
だがが此処に居る間レディは長期の依頼の為暫し此の地を離れて居た、
故に二人が出逢うのは今日が初めてな訳で
が出て行った後、詳しい話こそ深くは聞けないで居たが彼の出来事を何となく聞いていた
無論彼女、の事も
初めは信じられなかったと言うのが正直な感想だった
何せ敵対していた相手を手厚く介抱し、剰え一つ屋根の下で暮らしていたと言うのだ
信じられないと言い掛けたレディは目の前の二人を見て其の口を閉じた
其処には純粋に、一人の女性に恋する二人の半魔の姿が在ったのだから
(ダンテは兎も角、あのバージル迄もね)
鼻歌混じりに食材を調理し始める相手を見詰め、レディは胸中呟いた
若しかしたらなら、あの荒くれ者共を手懐けられるかもと
考えてはプッと吹き出してしまい、不思議そうに己を見やるに唯何でも無いと言うしか無かった
其の日の夕食は双子が食べ損ねたパスタ---トマト好きのダンテの為にペスカトーレ---だった
レディの言う通り昼食を一切口にしていなかったと言う二人は其れは見事にパスタを完食してくれた
因みに掃除も完璧に終えたらしく、料理中のを引き連れ全ての部屋を見せて廻ったらしい
そして勿論、以前からに充てられた部屋もあの日の儘保たれており
僅か涙ぐむを二人が優しく慰めたのは言うまでも無いだろう
食後酒を口にしつつ、ふとは視線を泳がせる
即席で作られたビリヤードテーブルにクロスを掛けた食卓テーブルに掻き集めた不揃いな椅子
バラバラな食器を見てはふと表情が暗くなる、其れは己が此処に在る事を拒むかの様で
不意に重なる手にピクリと身を揺らしははっと顔を上げる
其処には何時もと同じ、けれど何処か優しげなバージルの顔が在った
「明日、朝から出掛ける…空けておけ」
ぶっきら棒に其れだけ言えば手を退けグラスに手を伸ばす
そんなバージルを見詰めは不思議そうに首を傾げた
何があるのか、問おうとすればダンテがグイと肩を抱いて来る
片手には食後酒の代わりに特別に作ったストロベリーサンデーを持ちながら
「取り敢えずの着替えだろ、其れにの部屋の家具を新調して…」
「キッチンはお前のテリトリーになる、キッチン道具も新調しろ」
「ちょ、ちょっと待った!そんなお金無いんでしょ…!?」
次々と並べられる言葉に半ば眼を回しつつは慌ててストップを掛ける
彼等が職難だと言う事を忘れていない---基忘れたくても忘れられない---ははぁと溜息を吐く
気持は嬉しい、とてつもなく嬉しいのだが、今は食べて行くのも精一杯なのだ
「兎に角、必要最低限の物は私の今迄の稼ぎで揃えるとして…」
「おいおい、俺達此れでも男だぜ?ladyに金出させるなんて恥ずかしくて出来ないね」
残りのストロベリーサンデーを掻っ込みながらダンテが言えば、
何時の間にかバージルが手に持った通帳をひらりとの前に突き出す
其処にはそれなりの数字が書かれており、レディとは眼を見開く
「…な、何でそんなお金が…?」
思いもよらぬ其れに未だ眼を白黒させるにバージルはふんと鼻を鳴らし手に持つ其れをぱたりと閉じる
あれだけの額が在れば今日の昼食なんて贅沢し放題だと言うのに
くしゃりと短めの髪を撫でられは上向く、其処にはにっと悪戯っぽく笑うダンテが居て
少し奥に何時もの無表情の、けれど僅か優しげに此方を見詰めるバージルが居て
「大きなテーブルと三人分の食器も揃えなきゃな」
たった其れだけの言葉で幸せになれる
そんな自分に悔しく思いつつも胸が一杯になり、
は照れた様に笑い手に持つグラスを大きく上に掲げた
「To our happy life in the future...」(これからの私達の幸せな生活に…)
『Bottoms up!』(乾杯!)
09.3.22
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