検事の水上(坪井)が雨の日に拾ったのは、まるで野良犬のような男・大貫(三宅)だった。原作未読。
検事という固い職業なのに、バッヂを付けたまま見知らぬ男をいきなり自宅へたらしこんだり、何も考えずに合鍵を渡したりなど、ありえないほど軽率というか簡単というか、始まり方がとにかく唐突で、その後も元彼が登場したり暴漢が登場したりと、ありがちなエピソード満載なのだが、聴き終ってみれば決して悪くなかった。おそらくキャラだと思う。
まずは水上だが、なかなか正体を明かさない年下の男に気持ちを乱されながらも、ずるずると関係を続けていく中で、大人なくせに妙に可愛い瞬間がいくつも用意されていて、プライドの高いクールビューティー(その上メガネ)なんだけどちょっとおバカさん、みたいな、堅物ゆえの可愛さが魅力的。冒頭に感じた唐突さも、水上自身がもともとゲイであって、性に対しては多少弱く本能的であることを自覚している風もあり、その性急さもなるほどとりたててありえないことでもないかな、と納得できてくるし、何より、理性的でエリート然とした普段の水上が、大貫の前ではなんとも色っぽく艶かしい様子に変貌するのがダイレクトに伝わってきた。
一方、大貫は、自分の欲望に忠実で図々しく横暴な最初の印象が一転、その奔放さすら魅力的な感じで、獰猛な野良犬が人懐こく尻尾を振るワンコに思えてくるから面白い。
更にそれを演じる声の方だが、水上の坪井さんがまたなんとも色気のあるハスキーボイスで。個人的には「ゼーガペイン」でとりこになったシマ指令の声が聴きたくてこの作品を手に取ったわけだが、そういった意味では私的に大成功、大満足だったと言っていい。例えるならば「青の軌跡」のカイ@中原氏を髣髴とさせる美声で、クールな中にも苦悩の滲むハスキーなモノローグがたまらない。そして大貫の三宅さんだが、どうしても任侠っぽさが強くてビジュアルの情報からするとちょっとイメージと違う声な気はするが、終盤はなかなかのワンコっぷりでよかったと思う。もう勝手にやってくれ、なほどの二人のラブラブぶりに口元がゆるむ。
で、Hシーンだが。性描写は結構多く、しかもどれもそれなりにしっかりとした絡みであり、確かに熱演ではあったが、叫び系の坪井さんとフンフン系の三宅さんの絡みがあまりに息も絶え絶えなので(笑)多少聴き辛かったのは事実。しかし、坪井さんは声的には思い切りツボなので、今後に大きく期待してみたい。
最後に、満を持して登場した元カレ君のコヤPだが(笑)思いがけずいい人で終わってしまって、ちょっと拍子抜け。彼の脇役自体、私的には久しぶりに聴いた気がしているのだが、まあ、未遂もまた良し!ってことで。
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