FAREWELL
ごとうしのぶ
角川書店
★★
井上和彦×鳥海勝美 置鮎龍太郎 辻谷耕史
「FAREWELL」から同タイトル作品、「緑のゆびさき」から「Come On A My House」の2作品収録。
原作先読みな場合、評価が厳しくなってしまうのは私の悪い癖だとは思っているが、このタクミくんシリーズに関しては、それが顕著かもしれない。しかし、それも、思い入れの深さ、とご勘弁いただきたい。最初の4作目まで聴き、あまりのミスキャストさ(あくまで個人的に、だが)にがっかりし、それでいったんやめてしまったこのシリーズ。それでも、もし「そして春風にささやいて」からだったら、ここまでの違和感は感じなかったのではないか(多分、「そして春風・・」の方は、それ以前にカセットが出ているので、それゆえだとは思うのだけれど)、そう思えてならないだけに、正直、どうしてこの「FAREWELL」から?と思わずにいられない。とは言え、私は「CANON」から聴いたのだが。(それでも第一印象からかなりダメダメだったけど)
ま、それはさておき、とりあえず「FAREWELL」の感想から。
これは、ファンタジーというかオカルト?的な話で、私の中ではサイドストーリー的な意味合いがかなり強い作品なのだけれど、ていうか、タクミくんシリーズ自体、サイドストーリーの寄せ集め(ものすごく失礼)みたいな印象が強く、慣れるまではそのぶつ切り感に散々悩まされたのだが、この作品は原作自体がそれほど好きではないのと、やはり、どうしてこの話?(しつこいですか?)という思いがあり、個人的には今ひとつ。それなりに原作に忠実だったとは思うが、でもそれだけなんだよね・・すみません。
で、同時収録の「Come On A My House」だが。こちらは時間にして10分足らずの短いもの。時間合わせの短編っぽさが、原作先読みをターゲットにしている印象を強める。いきなり聴いてわかる人っているのかなあ?
あと、古い作品だから仕方がないのだけれど、チャプターがひとつしかないのはキツイ。せめて、タイトル分くらいは分けて欲しかったよね。


2

CANON
ごとうしのぶ
角川書店
★★
井上和彦×鳥海勝美 速水奨×置鮎龍太郎
森川智之×石田彰 辻谷耕史 高木渉
「CANON」から同タイトル作品、「緑のゆびさき」から「七月七日のミラクル」の2作品収録。
「FAREWELL」の方が先にリリースされていたようだが、私が一番最初に聴いた「タクミくんシリーズ」はこれ・・・だったのだけれど。正直、全然ダメでした、キャストがイメージと違いすぎて。メインの二人もそうだったし、何より佐智、かな。佐智はオッキーじゃないんだよね・・ごめんなさい。ていうか、この声でヴァイオリンだと悠季の顔しか浮かばない。ま、それ以前にイメージ自体が違うのだけれど。この「CANON」で、唯一原作とシンクロしたのは、私的に山田聖矢(速水)だけでした。
そして何より、短くまとめなければならなかったのはわかるけれど、あまりに省略されすぎた詳細に、どうしても納得できない気持ちが湧き上がる。特に、あれでは杉谷や吉岡が、ただの悪い人で終わってしまっており非常に残念。このシリーズのいいところを言うならば、どんなに悪役っぽく登場したキャラでも、憎めない弱さなんかを必ず持っていて(確かに救えないキャラもいるにはいるけれど)、人間らしいそれにほっとしたり、温かいエピソードが随所に散りばめられていたりするからで、これは、端折ってはいけない部分だったのではないか、と思わずにはいられない。だいたい、このシリーズに関しては、原作先読みじゃないと、返って楽しめないのではないか、と思えるだけに、原作ファンにはどうかなあ、と、どうしても思ってしまう。
つぎに、同時収録の「七月七日のミラクル」だが。個人的に吉沢×高林は大好物なのだけれど・・なのだけれど・・なのだけれど・・・・うーん、泉は、もっともっと高飛車なんだよね〜、私の中で。どんなにラブラブでも、意地悪でワガママで身勝手で小悪魔的な感じがぷんぷんで、もっとキンキンキャラキャラしていて、でもなんか憎めないかわいらしさを持っているのが泉で。そういった意味合いから、今回は珍しく石田氏に違和感を感じてしまった。こちらも、キャラとシンクロしたのは利久の高木氏のみ。正直、吉沢の森川氏は、ぜんぜん違うと思いました。あああ、ごめんなさいいいいい〜。


3

恋文
ごとうしのぶ
角川書店
★★☆
井上和彦×鳥海勝美 林延年×石川英郎 塩沢兼人
辻谷耕史
タイトル作品、1話収録。
ここに来て、ようやく学園中心なストーリー・・・と思いきや、どうして「恋文」かな?ま、いいけど。(笑)
ストーリー的にはもともと嫌いな話じゃないし、メインのお二人の声にもちょっと慣れてきて、前2作よりは少しいい感じで聴くことができたように思う。でも、「エッチなギイくん」が、どうしてもエロオヤジ化して聴こえてしまい、やはり多少の違和感は否めない。
これは、祠堂学院寮で、唯一どうしても学年違いで同室になってしまう352号室の住人・野沢と駒沢というCPのオハナシ。
いきなりだけれど、私的に、最後の、ギイの意味深な台詞、あれで終わってしまうっていうのはどうなの?というすっきりしない感が、原作を読んだときからずっとあったのだけれど、それはCDになっても同じ。奈良先輩を信じたい、というギイの気持ちはわからなくはないし、ギイらしいといえばギイらしいわけなのだけれど、やっぱり冷たいような気がして、どうしても胸のつかえは取れない。それと、あんな目にあっているにもかかわらず、そのあとの野沢の台詞に耳を疑う。(いや、タクミもそう言ってたけどさ)確かに女と男は違うとは思うけれど、「いいことずくめ」なんていう発想はひどく信じがたく、返ってリアルさに欠けるような気がするのだが。ま、野沢のキャラを物語っている、と言えば物語っているのだけれどね。
キャストだけれど、メインの二人(というか、章三も含め三人なのだが)はともかく、奈良先輩の塩沢氏と野沢の石川氏は、結構はまっていた印象。駒沢の神奈氏は、190センチの猛者にはどうかと思ったが、聴いてみると違和感はなく、非常に雰囲気があった。
で、収録曲の「落ち葉の中の手紙」と「愛が見える」だが。いくら声楽科出身とは言え、原作者本人が歌う曲が2曲も入っているのは非常に珍しいだろう。ていうか、正直どうなの?(笑)
いや、でも、BGMとして時々背景に流れるそれは、とてもいい感じなんだけどね。


4

Sincerely・・・
ごとうしのぶ
角川書店
★★☆
井上和彦×鳥海勝美 辻谷耕史 野島健児 三木眞一郎
中井和哉×石田彰
「Sincerely・・・」から同タイトル作品、「緑のゆびさき」から「My Dear ・・・」の2作品収録。
このシリーズには、時折こういったファンタジー?が織り込まれているわけだが、個人的にはあまり好きではない。原作でも、どちらかといえば初期の作品よりも後期の作品が好きであり、たとえば、私的に「フジミ」シリーズが初期作品の方に思い入れが強い、とするならば、この「タクミくん」シリーズは、まったくの逆だと言える。
それでは本編。人の生死がかかわってくる話はやはり苦手だ。これはせつない、というよりは、悲しいお話、最後の最後まで、重苦しい話で。人間ではない青年、タケル。死なない、タケル。タクミの遭難や優志の家をめぐるサスペンスめいた話はともかく、タケルの登場によるオカルトチックな展開は、正直、いただけない。タケルを主人公にした話があるようだけれど、そちらの方も未読。
2枚組みという特性を生かして(笑)原作にはほぼ忠実ではあるものの、やはりCD化のセレクトに納得がいかない。もっといい話が他にもあるだろ、ていうか、どうすればここまでとんちんかんなチョイスができるのだろう、本当に不思議だ。
キャストだが。メインについては前作までに語ってしまったので今更書くことも特にはないが、ただ、ものすごく皮肉なことに、私が常々「タクミにはこの声」と思っていたひとり、野島弟くんが優志であり、なんだかなあ、と思わずにいられない。
次に、「My Dear・・・」の方。まず吉沢だが、森川氏も全然違ったが、中井氏もちょっと微妙かも、個人的には。たとえば、私は「夏の序章」や「夏の宿題」、「彼と月との距離」が大好きで、吉沢と泉のCPがとても好きなだけに、泉はともかく、吉沢が全部ハズレているのがすごく悲しい。ていうか、このシリーズのキャスティングしてる人、原作読んでるのかしら?作品のセレクトもとんちんかんならば、キャスティングもとんちんかん。ここはひとつ、騙されたと思って私にやらせてくれればいいのに。(笑)
ただ、今回の石田氏だが。これね、前々作の泉と、正直別人です。勝手な憶測をするに、先の作品収録後に原作を読んだのではあるまいか。(笑)
キャラの把握力に定評がある石田氏にしては、珍しく違和感を感じた前々作の泉だったが、今回はちゃんとキンキンキャラキャラした本当の泉で、やっぱりさすがだな、と思いました。これもすごくかわいいお話で、吉沢×高林スキーにはたまりません。


5

美貌のディテイル
ごとうしのぶ
角川書店
★★★☆
置鮎龍太郎×青木誠 森久保祥太郎×石田彰 桐本琢也
松野太紀
タイトル作品、1話収録。
この作品の前に「そして春風にささやいて」と「June Pride−6月の自尊心−」がリリースされているわけだが、なんか今更な気がして、そちらの方は未聴。
まず。この作品から、メインの二人、その他のキャスティングが、がらりと変わっている。やっと慣れたところで(笑)どうなの?という思いはあるが、それはまあいい。ただ、置鮎氏のギイ、やはりしっくりきませんでした、私的に。「CANON」で、佐智はオッキーではなかった、と書いたけれど、それでもいったんついたイメージはなかなか払拭できない、そんなものなのかも。聴くまでは、イメージとして、オッキーの方がギイに近かったのだけれど。
そしてタクミ、青木さんのタクミは、とても爽やかなタクミで、暗くひねくれた部分を微塵も感じさせないところが、それはそれでスゴイ。
三年になり、ギイとお近付きになりたい良家の子息たちをやり過ごすため、しばらくタクミとの距離をとろうと、一人、画策するギイ。そんなギイの態度に傷ついたタクミは、ギイのおかげで完治したかのように見えた「人間接触嫌悪症」を再発する。
出ーたー!!出来過ぎキャラの三洲新君。これを石田彰に演られた日には、何も言えなくなってしまいます。ま、タクミくんのキャスティングについては、思うところがたくさんあり、日ごろの鬱憤はそのうちに晴らすとして(下記参照)、とにかく、ムカつくくらいにカッコいいわけで。皮肉たっぷりの長台詞を「あの」崎義一君ですら二の句を継げなくなってしまうような説得力と容赦ない圧力とで、そりゃもう鳥肌も立つというもの。メガネは、ギイでなく、三洲にこそかけて欲しかった!!と、心から思わずにはいられない。いや、それはそれで萌え死ぬけどね。ただ、やはり、同じシリーズで何役も、となると、多少の戸惑いを拭うことは難しい気がしないでもないが。
そして、真行寺だが。真行寺のおちゃらけたイメージは、森久保くんのおちゃらけとはまた違うような気がして、聴き初めこそ少し違和感があったものの、聴き慣れると、癖になりそうなほどにいい感じで。まさにラファエル様×ミカエル!!ただ、つかみ所がないのは、今度は石田彰の方だけれど。
それはそうと、ジャケットの写真に石田氏だけが写っていないのだが、もしかして別録り!?だとしたら、それはそれで、ある意味すごいと思うけどね。

◆参考日記:「タクミくんにもの申す?」


6

夢の後先
ごとうしのぶ
角川書店
★★★☆
井上和彦×保志総一朗 桐本琢也 森久保祥太郎×石田彰
櫻井孝宏×宮田幸孝 吉野裕行
「美貌のディテイル」より「夢の後先」、1話収録。
これも私的に、やっとギイ×タクミの、本当の?せつなさが聴ける作品の登場、という感じだった。正直、CD化のセレクト、もちろん順番もそうなのだけれど、その意図が今ひとつつかめない私であり、ここでこの作品のCD化、というのは、まさに「やっと」という感じだ。
これは「美貌のディテイル」より前、2年生に遡った話なのだが、原作もそうなので仕方がない。(笑)
実のところ、それまで私は、それほどギイが好きではなくて、というか、メインカップルにあまり興味がないというか。現在のラブラブ振りや、事件らしい事件ばかりがなんとなくクローズアップされていて、ギイの抱えているせつなさみたいなものがあまり見えてこなかったシリーズの中で、初めて、タクミに恋する等身大のギイが見えたようで、私的にはとても好きな作品だ。あまりに魅力的魅力的、と言葉にされるより、こういった、極自然な胸の痛みを当たり前に抱えているギイを、「事件」ではない、「ただの日常」の中にそれを見たかったのだ。そういった意味で、あのギイの「夢の話」は、すっごく、きゅーん、でした。
タクミのキャストは、鳥海さんから青木さんへ、そして今回、保志くんへとスイッチしているわけなのだが、イメージにぴったり、とまでは言わないが、一番安定して聴けたように感じた。
そして、以前、石田氏が演じていた泉を、今回から宮田くんが演じているわけだが、いや、来たー!!って感じ?まさにはまり役、ぴったりです。石田氏の泉ももちろんよかったし、上手さでいけば断然石田彰なのだけれど、声的にはヘリちゃんの方が、全然ハマりです。でも吉沢が・・・・・何でかなあ?どうして吉沢だけはしっくりと来ない人(あああ、大将ファン、ごめんよ〜!!)ばかりがキャスティングされるのだろう、私が変なのだろうか?(笑)
で。このCDには、ラジオドラマ放送時タイトルコールが収録されているわけだが、全6話中、第何話が一番好きですか?私はもちろん、最終回が一番好きです♪(笑)


7

あの、晴れた青空
ごとうしのぶ
角川書店
★★★☆
井上和彦×保志総一朗 森久保祥太郎×石田彰 桐本琢也
野島健児 関俊彦 吉野裕行
ミニ文庫「あの、晴れた青空」より同タイトル作品(または「花散る夜に」より)、1話収録。
ストーリーは、タクミの一番深いところを未だに牛耳っているであろう過去、それを払拭できる唯一の要因であった恋人と、その「特別なこと」をめぐって、展開していく。
まず、冒頭の台詞から「上手いっ!!」と、感嘆してしまうほどの石田氏であり。外出許可申請の件りでは、お節介なのか、それともただ単にギイに貸しを作りたいだけのか、やはり、どこまでもカッコよすぎる三洲新、という感じ。でも、その後のオチは、原作「Pure」の「その後の三洲の食生活が豊かになった」という件りで、しっかりついている。
なんか、どうも三洲中心の(というより石田彰中心の?)感想になりがちだが、彼がキャストにいなければ、多分聴いていなかったであろう私であり、そこら辺は寛容にご容赦願いたい。
前々作のレビューの冒頭にも書いたが、私は「そして春風にささやいて」と「June Pride−6月の自尊心−」の2作品については未聴であり。でも、シリーズで言えば、肝の2作品であると言えよう。もし、原作未読で、これからこのシリーズを聴こう、と思っている人がいるならば(いるのかな、そんな人)、まずは「そして春風にささやいて(「June Pride」も同時収録の2枚組みがあります)」から聴くことをお勧めするし、それを聴いた上で、この作品を聴かれることを推奨する。
様々なエピソードはあれど、「そして春風・・」に始まり、「June・・」を経て、この「あの、晴れた・・」で、私の中のメインCPは、ある程度完結してしまっていたりする。オイシイとこ取りで聴くならば、この3作品を聴けば充分ではないだろうか、とすら思っている。ただ、このシリーズの魅力らしい魅力とは、メインCPにのみあるわけではない。むしろ、脇CPこそが主役、より魅力的である場合も多い。三洲はもちろんのこと、挙げればきりがない。
ただ、原作先読みの方が幸せか、原作未読で聴く方が幸せか、このシリーズに関しては、どちら、と、はっきり明言する自信が、私にはありません、すみません。




ギイがサンタになる夜は
ごとうしのぶ
角川書店
★★★☆
井上和彦×保志総一朗 桐本琢也 森久保祥太郎 石田彰
伊藤健太郎 石川英郎 三木眞一郎 田坂高文 吉野裕行
「彼と月との距離」から「steady」、文庫未収の「夢の途中」、「恋文」から「ギイがサンタになる夜は」の3話収録。
いきなりの余談だが、私はこの「タクミくんシリーズ」の中で、「告白のルール」、まして「デートのセオリー」なんかも大好きなのだが、やはり一番好きなのは「Pure」であり。もちろん、一番CD化して欲しいのもそれ。どうでしょう、角川さん?
閑話休題、そしてそんな三洲の女王さまぶり大爆発な「夢の途中」だが。まず、ブックレットのコメントに、「ぼくはキャラクターのイメージを守るし」と石田彰本人が語っているが、それは冗談抜きで、まさしくその通りだと思う。これ以上ない、という三洲であろう。そして真行寺。もちろん慣れてきたこともあるかも知れないが、まさに真行寺で、せつなくなるには充分な独白であった。
「俺からは行かない。真行寺が来い。」
これは「夢の後先」でも聴けるわけなのだが、この台詞は、私が最も三洲っぽい、と思っている台詞のひとつであり、二人の関係をとても顕著に表している台詞だろう。意図はともかく、それを意味ありげに宣う石田氏がもう、そりゃ色っぽいの何のって、ほんとにたまりません。攻めとか受けとか、そういうことはとりあえず措いておいて、ここまで心くすぐられるキャラも珍しいのではあるまいか。
で「steady」だが。三木氏の斉木、ぽいと言えばぽいよね〜、やっぱりすげー上手いし〜、でもね〜タケルの印象がな〜。(笑)
こういうの、もったいない、って思っちゃうんだよね、私としては。
で、「ギイがサンタに・・」の方。タクミのちょっとした猜疑心や意地っ張りな面を見せつつ、最後はエンターティナーなギイ君に、またも感動のウルル、という、シリーズの基本のようなオハナシ。乙女チックです。章三がね、いいんだよね〜。三洲とはまた違う余裕っぷりが、すごく好き。まったくのヘテロ、というところも、この祠堂にあっては、極めて魅力的に映ってしまうから、あら不思議。(笑)
で、そうそう。この作品のジャケット絵!!もう、家宝にしたいくらいの麗しさです、三洲と真行寺。私的には一番だな〜。


2

バレンタインルーレット
ごとうしのぶ
角川書店
★★★
井上和彦×保志総一朗 桐本琢也 石田彰 櫻井孝宏
宮田幸季 杉田智和 岩田光央 永松寛隆 武内健 清水俊彦
「バレンタインラプソディ」から「バレンタインルーレット」、1話収録。
これ、結構好きです。タネ明かしすれば、どうと言うことのないことを、それぞれの誤解や利己、本能、いたずら・・様々な理由で問題を複雑にしていく彼等。無記名のチョコレートをめぐったドタバタと、その中に、後日、「彼と月との距離」の利久と政史との話しに続くせつない伏線も含まれている。
今回、今までにないくらいにすっきりと聴くことができたのだが、なぜだろう。作品自体が楽しい雰囲気だからだろうか。
それぞれのキャラに合った動揺と狼狽振り(それほど動揺も狼狽しない輩が確かにいるけれど)が面白く、それゆえの各々の行動も非常に興味深い。太田(北沢)の、章三に対する尊敬の念が垣間見える部分だったり、山下(関)のあわてっぷり、吉沢(櫻井)の葛藤、泉(宮田)のまさに泉らしい茶目っ気、三洲の言わずと知れた二面性、野沢(杉田)の案外大雑把な性格や、駒沢(永松)の外見に見合わないロマンティストな一面、そしてそして、これからどうカタチを変えていくのか、とても気になる利久(岩田)と政史(武内)の関係の序章。祠堂寮の祠堂寮らしい一部を堪能でき、作品としては非常に満足。
私的には何より政史の武内くん。某アニメで美人な役どころを美人声で演じていたが、ここでもまた美人声。すごく気になります。


3

美貌のディテイル
ごとうしのぶ
角川書店
★★★☆
井上和彦×保志総一朗 桐本琢也 石田彰 森久保祥太郎
宮田幸季 櫻井孝宏
以前にリリースされた同タイトル作品と、どうしても聴き比べたく、入手してみた一枚。もっと言えば、石田彰の聴き比べ、といったところ。
まず。岩田氏に「タクミタクミ」言われると、まるで某アニメ作品に聴こえてしまうが、私だけだろうか。(笑)
シナリオは、多少の増減はあるものの、言葉のニュアンスも端折っている部分も、以前の「美貌のディテイル」とほぼ同じ。野沢先輩に70円もらった真行寺の「ラッキラッキー」が、「ラッキラッキラッキー」と、ラッキーが1個増えている、とか、そういうことはあるけれど。(笑)
それよりなにより、とにかく私の本懐はもちろんギイ対三洲シーンの聴き比べで。このシーンだけに限定して言えば、ギイ的にはオッキーなのだけれど、三洲的にはこちらの方かなー?声は先の作品より微妙にワントーン低目で、台詞がもっとゆっくりです。男っぽさが増し、色っぽさが増し、皮肉っぽさが増し、凄味が増している、といった感じ。台詞が、ほんの少しだけカットされていることが悲しい。若干ソフトな女王様を好むなら前作、恐ろしいほどのカリスマ性を感じたいならこちらの作品だろう。ただ、好みの点でいけば、これもものすごく微妙だが、個人的にはこちらの三洲の方が好き。低くかすれた声が、もうたまりません。聴けば聴くほど、その抑揚の上手さに唸ります。