| 名も無き鳥の飛ぶ夜明け |
| 如月弘鷹 |
| 角川書店 |
| ★★★ |
| 緑川光 中田譲治 三木眞一郎 置鮎龍太郎 諏訪部順一 |
| ある意味、ものすごくネタバレているので、ご注意くださるように。それと、とてもすばらしい作品であるゆえに、私の感想は、それに水をさすようなものだと、あらかじめ申し上げておきます。 とにもかくにもファンタジー。ともすると、うっかり時代背景すら忘れてしまうほどに現実感が無い作風であり。これって、現代の話なんだよね? 冒頭から置鮎龍太郎の暑苦しさ炸裂。どんなにシリアスでも、つい笑ってしまうのはなぜだろう。メインの登場人物は、ほとんどが天使とか悪魔とかで、普通の人間は出てきません。台詞の一つ一つが最初から最後まで、とても芝居くさいもので、これも現実味を一切排除しているように思える大きな要因。ただ、ファンタージーなんだし、と言われれば、それもそうか、と思うしかない。 ストーリーは、かなり難しいのかな?と覚悟していたけれど、そんなに不可解なものではなく、結構すんなりと聴くことができた。なぜか神を崇める悪魔・白鷺(緑川)に恋をしてしまった天使と、その天使・鴉(中田)に恋をしてしまった悪魔のラブストーリー?ひとことで言えばそんな感じ。もちろん様々なせつない葛藤もあり、障害もあり、すんなりとは成就させてくれない。かなり壮大なスケール感と、2枚組みという、聴き応えアリアリの要素を思いっきり含んでいるので、それなりに腹を決めて聴くことが必要かも。 とにかく、作品としては素晴らしいと思います。キャストの皆さんが、ものすごい熱演だし、しかも役にとてもよくハマっていらっしゃる。私の心のビッグダディ・家弓氏なんかも出演されておられ、おおお、と思いました。緑川氏の泣きの演技も、演技そのものにジーンと来たし、置鮎氏の辰巳から大公への豹変は、まさに鳥肌モノ。そして、蝙蝠を演じた三木氏、特に最後の告白のシーンなど、さすがだな、って感じでした。それと、音楽とSEがまた本当に見事。ファンタジーゆえの聴き応え、って言うのかな、情景が鮮明に浮かぶようでした。 ただね、問題は、私自身が好きか嫌いか、ってことなんですよね・・・ うーん・・いい作品だと思うけれど、好んで聴くか、って言われたら、やっぱり聴かないかなあ。賛否ならもちろん称賛を送ります。でも、好きかと訊かれれば・・・うーん、すみません。これはあくまで好みの問題です。 以下、ネタバレですが、ラストはあまりにお約束な気もしたけれど、私的にはハッピーエンドでよかったね、と思いました。 |